【動き出した歯車・中身】
修一
「では――。」
静寂。
修一
「何故、この紫色の球が地下にあったのか。」
「君達にも分からなかったんだね?」
玲央
「……え?」
海斗
「ちょ、ちょっと待ってよ。」
鷹臣
「地下にあったって……。」
「だって地下は物置だろ!?」
「倉庫とかしかねぇぞ!」
一樹
「……。」
一樹の目が細まる。
一樹
「何で分かるんですか。」
沈黙。
修一
「君達が見たもの。」
修一
「あの怪物。」
全員が止まる。
修一
「あれは――人間だ。」
全員
「!!!!!」
修一
「正確には元人間。」
「何か別の·····外部からの物によって変質させられている。」
玲央
「待て。」
玲央
「人間……?」
修一
「憑依。」
「侵食。」
「異形化。」
「段階は複数ある。」
海斗
「……嘘だろ。」
修一
「残念ながら事実だ。」
修一
「あそこまでの暴走は稀だがね。」
「知らない……か。」
修一の視線が蓮へ向く。
静かに目を細めた。
蓮の体内。
核の位置。
そこには確かに封印が存在していた。
しかも――濃い。
凝縮された異常なエネルギー。
修一〖なるほどな。〗
修一
「分かった。」
沈黙。
一樹
「……俺達の言葉。」
「信じるんですか?」
修一
「どうしてだい?」
一樹
「俺達は裏の人間です。」
「そんな人間の言葉……信用するんですか?」
修一
「では、私からも聞こう。」
全員が修一を見る。
修一
「何故、私が父親だと言った時点で疑わなかった?」
「証明もない。」
「証拠もない。」
「なのに何故、信用した?」
一樹
「……それは。」
修一
「資料も同じだ。」
机の上の紙へ視線を落とす。
修一
「本物か偽物かも分からない。」
「実在するかすら分からない。」
「なのに君達は見た。」
「聞いた。」
「受け入れた。」
一樹
「…………。」
修一はふっと笑う。
修一
「それが答えだよ。」
「君達が私を信じてくれた。」
「だから私も信じた。」
「それだけだ。」
静寂。
海斗
「……反則だろ。」
蓮
「格好良すぎねぇ?」
鷹臣
「いや分かる。」
玲央は黙ったまま修一を見る。
玲央
「冠崎さん。」
修一
「ん?」
玲央
「真奈さんや杏奈さん達が使ってる力。」
「……あれって生まれつきなんですか?」
修一
「そうだな。」
修一は少し笑った。
修一
「あいつらは生まれつきだ。」
「特に真奈は強烈だった。」
「生まれた時は肝が冷えたよ。」
玲央
「……そうなんですか。」
少し沈黙。
修一
「どうして?」
「何故そんな事を聞くんだい?」
玲央
「いや……。」
修一
「あれはね。」
全員が見る。
修一
「本当は誰にでもあるものなんだよ。」
全員
「!!」
修一
「人間なら誰にでもある。」
「君達にもあるよ。」
海斗
「俺達にも?」
修一
「ああ。」
「虫の知らせ。」
「勘が当たる。」
「嫌な予感。」
「ああいうものさ。」
玲央
「じゃあ……。」
「強くする事も?」
修一
修一
「ああ。」
「出来る。」
空気が変わる。
修一
「ただし。」
「代償がある。」
静寂。
修一
「強くすればするほど身体も精神も削られる。」
「場合によっては――壊れる。」
神崎組沈黙。
修一
「だから本来。」
「知らなくていいものなんだ。」
玲央
「……それでも。」
修一止まる。
玲央
「俺達は知った。」
「知ったからこそ強くなりたい。」
「もう負けたくない。」
鷹臣
「もう骨折は嫌だ!!!」
一樹
「残滓は勘弁だな。」
紫苑
「……出来るなら。」
全員見る。
紫苑
「人間じゃない。」
「人を脅かすものに刃を向けたい。」
修一の目が細まる。
海斗
「おっさん。」
「俺達、やりたいんだ。」




