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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
【祓ノ血族】-本編-
119/193

【動き出した歯車・中身】

修一


「では――。」


静寂。


修一


「何故、この紫色の球が地下にあったのか。」


「君達にも分からなかったんだね?」


玲央


「……え?」


海斗


「ちょ、ちょっと待ってよ。」


鷹臣


「地下にあったって……。」


「だって地下は物置だろ!?」


「倉庫とかしかねぇぞ!」


一樹


「……。」


一樹の目が細まる。


一樹


「何で分かるんですか。」


沈黙。


修一


「君達が見たもの。」


修一


「あの怪物。」


全員が止まる。


修一


「あれは――人間だ。」


全員


「!!!!!」

修一


「正確には元人間。」


「何か別の·····外部からの物によって変質させられている。」


玲央


「待て。」


玲央


「人間……?」


修一


「憑依。」


「侵食。」


「異形化。」


「段階は複数ある。」


海斗


「……嘘だろ。」


修一


「残念ながら事実だ。」


修一


「あそこまでの暴走は稀だがね。」


「知らない……か。」


修一の視線が蓮へ向く。


静かに目を細めた。


蓮の体内。


核の位置。


そこには確かに封印が存在していた。


しかも――濃い。


凝縮された異常なエネルギー。


修一〖なるほどな。〗


修一


「分かった。」


沈黙。


一樹


「……俺達の言葉。」


「信じるんですか?」


修一


「どうしてだい?」


一樹


「俺達は裏の人間です。」


「そんな人間の言葉……信用するんですか?」


修一


「では、私からも聞こう。」


全員が修一を見る。


修一


「何故、私が父親だと言った時点で疑わなかった?」


「証明もない。」


「証拠もない。」


「なのに何故、信用した?」


一樹


「……それは。」


修一


「資料も同じだ。」


机の上の紙へ視線を落とす。


修一


「本物か偽物かも分からない。」


「実在するかすら分からない。」


「なのに君達は見た。」


「聞いた。」


「受け入れた。」


一樹


「…………。」


修一はふっと笑う。


修一


「それが答えだよ。」


「君達が私を信じてくれた。」


「だから私も信じた。」


「それだけだ。」


静寂。


海斗


「……反則だろ。」



「格好良すぎねぇ?」


鷹臣


「いや分かる。」


玲央は黙ったまま修一を見る。


玲央


「冠崎さん。」


修一


「ん?」


玲央


「真奈さんや杏奈さん達が使ってる力。」


「……あれって生まれつきなんですか?」


修一


「そうだな。」


修一は少し笑った。


修一


「あいつらは生まれつきだ。」


「特に真奈は強烈だった。」


「生まれた時は肝が冷えたよ。」


玲央


「……そうなんですか。」


少し沈黙。


修一


「どうして?」


「何故そんな事を聞くんだい?」


玲央


「いや……。」


修一


「あれはね。」


全員が見る。


修一


「本当は誰にでもあるものなんだよ。」


全員


「!!」


修一


「人間なら誰にでもある。」


「君達にもあるよ。」


海斗


「俺達にも?」


修一


「ああ。」


「虫の知らせ。」


「勘が当たる。」


「嫌な予感。」


「ああいうものさ。」


玲央


「じゃあ……。」


「強くする事も?」


修一


修一


「ああ。」


「出来る。」


空気が変わる。


修一


「ただし。」


「代償がある。」


静寂。


修一


「強くすればするほど身体も精神も削られる。」


「場合によっては――壊れる。」


神崎組沈黙。


修一


「だから本来。」


「知らなくていいものなんだ。」


玲央


「……それでも。」


修一止まる。


玲央


「俺達は知った。」


「知ったからこそ強くなりたい。」


「もう負けたくない。」


鷹臣


「もう骨折は嫌だ!!!」


一樹


「残滓は勘弁だな。」


紫苑


「……出来るなら。」


全員見る。


紫苑


「人間じゃない。」


「人を脅かすものに刃を向けたい。」


修一の目が細まる。


海斗


「おっさん。」


「俺達、やりたいんだ。」

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