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祓ノ血族(はらいのけつぞく)  作者: ハルヤ
第2章 〖日常〗
10/128

〖神崎組〗

海辺の断崖絶壁。


荒波を見下ろす場所に、

巨大な屋敷が建っていた。


――神崎組本邸。


昼。


夜とは打って変わり、

リビングには日差しが差し込んでいる。


静まり返る室内。


海斗


「……暇。」



「黙れ。」


玲央


「朝からうるせぇ。」


海斗


「だってよぉ!!


昨日なんだったんだよアレ!!」


一樹はソファへ座ったまま、

資料へ目を落としていた。


海斗


「なぁ一樹。


結局あれ何だった?」


一樹


「分からん。」



「分からねぇのかよ。」


一樹


「分からん。」


玲央


「終わったな。」


窓際。


紫苑だけが煙草を咥え、

海を見ていた。


誰とも話さない。


海斗


「お前絶対考えてるだろ。」


紫苑


「……。」


玲央


「昨日の女の事。」


紫苑


「違う。」


即答。


海斗


「早ぇよ。」


その時。


黒崎が資料の束を持って現れた。


黒崎


「調べた。」


空気が変わる。


全員が黒崎を見る。


黒崎


「冠崎胡桃。


冠崎グループ所有企業勤務。


一般社員。」


海斗


「一般人かよ。」


黒崎


「父親。


冠崎修一。


冠崎グループ総帥。」


全員


「は?」


黒崎


「兄弟は七人。


胡桃は三女。」


ページを捲る。


黒崎


「長女、真奈。


冠崎グループ関連企業社長。


六年前に自ら企業設立。


現在、

グループ内トップ。」



「六年前……?」


玲央


「若過ぎねぇか。」


黒崎


「次女、杏奈。


大学病院勤務。


救急看護師。


オペ看資格保持。」


海斗


「いや何なんだこの家。」


黒崎は淡々と続ける。


黒崎


「長男、陸斗。


スポーツトレーナー。


現役バレーボール選手。」


ページが捲られる。


黒崎


「跳躍力、

洞察、

サポート能力に優れる。


スパイク、

ブロック共に海外注目。」


海斗


「盛ってね?」


黒崎


「事実。」


さらに次。


黒崎


「次男、隼人。


スポーツトレーナー兼分析担当。


現役バスケットプレイヤー。」


黒崎


「三ポイント成功率九十%。


海外から複数オファー。」


玲央


「行ってねぇの?」


黒崎


「本人曰く――」


資料を見る。


黒崎


『そんなに来て欲しいなら、

お前らが来い。』


沈黙。


海斗


「何なんだコイツ。」


黒崎


「以上。」


資料が閉じられる。


黒崎


「人間社会へ溶け込んだ巨大勢力。」


黒崎


「表は財閥。」


黒崎


「裏は――」


ページが捲られる。


黒崎


「不明。」


沈黙。


全員


「……は?」

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