27.仲の良いダメな大人達
【サイン視点】
飯を食べ終わった俺達はヤミイチから買った荷物を整理することにした。
また食料品が山程…姉御から貰った飯もまだ残ってると言うのにこんなに買っちゃってどうすんだーい?本当に損してないのかねこれは。
「アミュー、食べ物は頼んだわ」
「はーい!」
「わたちもお手伝いする!ン兄ちゃんも!」
「そうだね。食べさせてもらってるし」
「うん、一緒にやろうねぇ」
アミューとルナとウィルンに食べ物は丸投げしよう。たくさん食うやつが整理すりゃいい。
「色々見とけよ、エリザとユイちゃん。この家にある武器はゴミも多いがガチで強いもんもある。覚えときゃ敵の持ってるもんを見るだけでもある程度の戦力分析に使えるぞ?」
「わかったわ、けど多いわね…」
「はーい、まあ私はその辺ヤミイチさんにも鍛えられてるけど…あのデッカイアーマーは見たことないね」
「アレは動かないゴミだ。覚えなくていい」
トラッパーはちゃんと師匠している。
っておい!何がゴミだよ!俺が長年かけて作った超巨大パワーアーマーやぞ!確かに動かないけどさ…
「医療品は俺が運んどきますねぇ」
「ありがとなヤミイチ、俺はもちろん武器だ!」
俺は屋内作業用のパワーアーマーを着込み武器のコンテナを持ち出し即オープン!…前にスカベンジズ最強の銃にドハマりしたせいか、その予備の銃とメンテ用品、後はそれ関連の弾薬ばっかりだ。
ちゃんとした名前なんだっけ。ヴィクトールが言ってたけど忘れた。
こっちが通常の弾薬で、AP弾、対電磁バリア弾、電撃弾…ば、爆発弾?そんな物騒なのもあるのね…くすぐり弾?なんだこれ…
「変わり種の弾薬が多いな」
「案外殺傷力の高い弾薬よりも、変わり種の弾薬のが効果があったりするんですよぉ」
「そうなのか…」
くすぐり弾が気になってしょうがない…撃たれたらどんな感じになるのか。一発取り出して触ってみる。
おお、先っちょの弾頭が超柔らかい。これが潰れると中の注射針が刺さって薬が注入されると。面白いな。
「うっかり薬が体に入ると大変ですよぉ〜」
ヤミイチが俺の行動を見かねてか忠告してきた。
それもそうだ。丁寧に箱に戻す。
おっ、回復薬【紫】の弾丸もたくさんあるじゃん。すげーすげー、これもくすぐり弾と同じ仕組みだ。
そしてその多彩な弾薬を切り替えられるようにする改造マガジンまで付いている。横のボタンを押すと切り替えられて、3種類まで弾薬を入れられる。ちょっとデカくて重いけど…どうなんだ?
俺咄嗟の戦闘の時に、これ切り替えるとか無理なんだが…
まあいいや、普通のマガジンもあるし困ったら普通のを使えば。
後は…なんだこれ?コンテナの奥の方には見たことのない武器がたくさん入っている。
武器にヤミイチのマークが入っているけどもしかして…
「自作銃か?」
「そうですよぉ。俺の自作銃ですぅ。ショットガン、スナイパーライフル、ロケットランチャーが入っていますぅ。ふふ、ヤミイチ製の銃として流行らせますよぉ?」
「アサルトライフルはないのか?」
「ありますけどぉ、サインさんの今のメインはSW-ROS74じゃないですかぁ。あれとそんなに性能は変わらないので持ってきてないですよぉ」
「…ああ、そんな名前だっけ」
まあ、ハイエンドなライフルだからハイエンドライフルでいいや。
それはさておきヤミイチの自作武器をカチャカチャ…
「食べ物終わったよぉー!」
「あれ?サインまだ武器全然片付けてねぇじゃねぇか」
アミューとトラッパーが俺に声をかけてハッとする…
「すまん、ヤミイチの自作武器が思ったより面白くて夢中になってたわ」
「サインらしいね!」
「たっくよぉ、何してんだよおめぇは」
「でもよ、これ見てみ?アタッチメントの自由度がたけぇんだって!」
「ほ、ほぉ〜…男心擽るなこれは…えっ?マジで?重量もアタッチメントで調整できんの?」
「グリップもサイトもすげー豊富なんだよ!しかもバラしても戻しやすいんだぜ?」
「おお…」
ジー…
カチャカチャ…
【エリザ視点】
あの人達は…何をしているんだろうか。
サインさん?と師匠が仲良く横に並んで武器をカチャカチャ…そしてそれを生物兵器らしい女の子?女性?がジーッと眺めてる。
アレが師匠の言ってた親友…師匠に親友がいるとは聞いてたけど、本当に存在しているとは思っていなかった。
イマジナリーフレンドじゃないのね。
いや仲間がいるのは知ってたわ。ピエロ以外は会ったことはないけどユイからも色々話を聞くし。
でもここ数カ月、私は師匠以外の人間を見ていないから…師匠を襲って返り討ちにあって死んだ人間と、死にかけた人間はよく見たけどアレはノーカン。
物騒なほのぼの風景を眺めていたらヤミイチさんが話しかけてきた。
「エリザさん始めましてぇ、ヤミイチと申しますぅ。今後とも末永くよろしくお願いいたしますねぇ」
「あっ、よろしくお願いします」
「トラッパーさんと暮らしてると大変でしょ〜」
「まあ…そうですね、襲撃が多くて…」
「有名人ですからねぇ。前線にいる兵器とは違って人間だからって理由で安易に殺せるだろうと思う奴が多いんですよぉ」
「でしょうねぇ。本人もなんていうか…アレですし」
「アレですねぇ。でも本当に面白い人なんですよぉ?」
「それはわかります」
ヤミイチさんもかなりいい人そうだ。外の人間なのにおだやかで余裕がある…でもきっと裏があるに違いない。何か私が知らない何かが…普通の良い人がこの集団にいるわけがないのだから。
ヤミイチさんが片付けが終わって暇そうにダベってるユイちゃんと、ここに住んでる子供達をチラリと見ると手を叩いた。
「ダメな大人達がよりダメになってるので俺達は俺達でゲームをしましょうかぁ」
「何〜?」
ちっちゃい女の子の方が手を上げテクテク歩いてくる…かわいい。
ヤミイチさんがトラックに戻り何か…目に装着する物を持ってきた。アレは多分…
「VRゲームですねぇはい。これで遊びましょうかぁ」
「ああ、アレね。ここの人達とやるの楽しそう」
ユイちゃんはどんなゲームかわかってるのか頷いている。
子供達2人も興味があるのかわかりやすく目をキラキラさせていた。
「このゲームはですねぇ。前線を気軽に体験できるゲームなんですよぉ。皆さんちゃんと戦えそうですし楽しめるかと思いますよぉ。まずはソロプレイからどうぞぉ」




