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アルティメイト ~最凶な世界でもエンジョイライフ~  作者: ちょばい


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第二章完結 46.平和な我が家(隠れ家)

【サイン視点】


「おい、おまえの家に着いたぞ。起きろ」

「……はい?」


仲間に揺り起こされて目を覚ました俺は、トラックの外へと這い出る……そこは見慣れた、俺んちの、隠れ家の中だった。 待て、俺んちの罠はどうやって解除したんだよ……あ、アミューの端末からでも遠隔操作できるように設定してたから、アミューがやったのか。ってか、それより……


「なんで…全部ダンゴロムシの甲殻をここに降ろしてんだよ……!」


俺の家の一角が、完全に「ダンゴロムシの甲殻置き場」と化していた。灰色の甲殻ブロックが山のように積まれてる……。流石にこれは生活スペースの邪魔だろ。


「誰もがみんな、お前んちみたく隠れ家が広いわけじゃねぇからな?」

「そうだぞ! 回収を手伝ってやったんだから、置かせろ!」

「ケケケ、俺達の取り分のカゴには名前のシールを貼ってあるからよ。勝手にヤミイチに売るんじゃねぇぞ?」


……よく見ると、手伝ってくれた奴らの名前が書かれたシールが、何個かのカゴにバッチリ貼ってあるのが見えた。


「ったくよぉ、人んちを物置みたいに使いやがって。……まあいいか」

「それより飯も喰わせてくれ、朝食だ朝食!」


朝…時計を見たら完全に朝になってた…

「朝食……ああ、もうそんな時間か」


「すげーよお前んちの飯! 棚の中、超高級品だらけじゃねぇか!」

「そうだぞ、大半がアミュー用の飯だ」

「……よく破産しないな、お前」


あれ? そういえば当のアミューはどこだ?


「いいよ! アミューちゃん、そのポーズ凄く格好いい!」

「ふふん♪」


見るとアミューは……わざわざあの、『アーマードアミュー』の姿に戻っていた。それを、俺の仲間の一人が情報端末カメラで色んな角度からパシャパシャと写真を撮りまくっている。アミューもすっかりノリノリになって色んな戦闘ポーズを決めて……って、おい!


「おい! うちのアミューをそんなに勝手にパシャパシャ撮るんじゃ……」


――スッ。(右肩から伸びる生体銃の弾帯が、最高に格好いい感じに靡いているアミューの画像)


「……後で俺の端末にも送れよ! 超高画質で、全部だ!」


手のひらを返した俺は、俺の隠れ家で思い思いに寛ぎ散らかしているみんなのために、さっそく朝飯の用意をすることにした。


「あれ?マリアンヌは?」

「とっくに帰ったぞ。甲殻の入ったカゴを5個担いでな」














「やっぱ、イツボシシェルターの飯は格別だな」

「美味いなぁ……俺も毎日食いてぇよこれ。でも俺はなぁ……金はあるけど、飯にはあんま使わねぇんだよ。飯よりも、少しでも強い装備が欲しくてさ」

「ケケケ……ホウレンソウなんかじゃ元気にならねぇよ。生き残るには、やっぱりうめぇ肉が一番だぜ」

「ホウレンソウも美味しいよー」

「そういや、お前らもあの畑で採れた食いもんが食べれるようになったのか?」

「ああ、食べてるぞ。ドクターかヤミイチを通してたまに買ってるな」

「酒のつまみにいいもんがあるんだよ。『ツケモノ』ってやつが最高だぜ」


みんなで食卓を囲んで飯を食べる。飯が目の前にあるから、自然と飯の話題になるな。

俺もまたドクターのところに野菜の発注を頼むか……いや、その前にこの隠れ家にある山のようなリッチ飯を食べてからだな。


ああ、そうだ。今回の探索の取り分の話をしっかりしておかなきゃだよな。

実際、みんなどれくらい持って帰るつもりなんだ? あんまりたくさんだと困るが……。


「なあ、少し話変わるけどよ、お前らはどんだけあのダンゴロムシの甲殻を持っていくんだ?」


「とりあえず、カゴ1一つ分だけ持って帰るつもりだ。その後は……備蓄として、3つくらい俺等の取り分がありゃ十分だ」

「そうだな。俺達も、まずはこいつの加工方法から探さなきゃいけねぇし」


なんだ、それだけでいいのか。それならみんなに分けたとしても……トラック1台分以上の山のような甲殻ブロックが、そのまま我が家に残る計算になるな?


しかし、それを聞いていたアミューは、不思議そうに首を傾げた。


「ええー? 私が加工してあげるよ? みんな、仲間だもん」

「それはダメなんだよ、アミューちゃん。俺等は俺等の力だけで、この未知の素材の加工方法を見つけなきゃならないんだ」

「そうだ。それだと一々アミューに頼まないといけなくなる。それは例え仲間同士でも良くないことだ」

「そういう加工スキルも、俺達ウォーカーは前線で生き残るために磨かなきゃいけないからな。まあ何とかなるだろ。本当に困って詰んだら頼むわ」

「うん! わかった!」


納得したアミューは、嬉しそうに食事に戻った。口元が笑っている。きっと、大勢のみんなで食べる飯が、単純に楽しくて仕方がないんだろうな……


その時、俺の情報端末の着信音が鳴った。おお……流石だな、相変わらず耳が早すぎる。


「どもぉ〜、ヤミイチですぅ。ダンゴロムシの甲殻の買い取りに速攻で来ましたぁ〜」

「いくらなんでも到着が早すぎんだろ……」

「商人は情報とスピードが命なんでぇ〜。お、あれですねぇ〜、あの硬い甲殻が、本当にこんな綺麗なブロックにぃ〜……」


噂をすれば、ヤミイチがもう仕入れにやって来たよ。おい、全部は売らねぇからなっ! そして、ヤミイチがアジトに来たということは、もちろんお約束で――


「どうも……」

「お姉ちゃん先生っ!」

「 ウィルン!ルナ!」


『ウィルン』と『ルナ』の兄妹も一緒に遊びに来た。二人共、久しぶり……じゃないな全然。まだ別れてから1週間も経ってねぇよ。


「よっ、お得意さん」

「おはようございます」


ヤミイチの弟子の『ユイ』と、トラッパーの弟子の『エリザ』も一緒に来たようだ……。朝っぱらから、みんな元気すぎんだろ。

とりあえず、新しく増えたこの5人分の飯も追加で用意してやるか……




「おじちゃんもいゆ!」

「ケ……、お、おじちゃん!?」


いきなりルナに思い切り抱きつかれたリベンジャーが、見たこともないほど盛大にフリーズした。……君ら、いつの間にそんな仲良くなったんだ。


「リベンジャーがおじちゃん……ププッ……」

「あの娘……早いな!」

「ありゃあ…将来がこえぇ~…」

「つ、強そうな人達がいっぱいいる……」


ってか!隠れ家の中が賑やかになりすぎて、もう誰が何喋ってるのかわかんねぇよっ!














俺達を助けに来てくれた仲間達は朝食後に、各自、自分が使う分だけのダンゴロムシの甲殻の入ったカゴを背負い帰路につく。俺とアミューは見送りだ。


「じゃあな〜」

「アミューちゃん!また一緒に戦おうぜ!」

「またね!」


アミューと仲間達が、がっしりを握手をする。


「ケケケ、兄ちゃんもルナも、なんでヤミイチのとこにいんだ?」

「ああ、今はルナの人間性を養うためにヤミイチに預けてるんだ」

「ケケケ…賢明な判断だぜ」


リベンジャーは俺に…隠れ家の中では聞きづらかったのだろうことを俺に聞いてきた。





そして、まだ隠れ家に残っているウィルン兄妹と2人の弟子たちは、俺が隠れて撮っていた、あのアーマードアミューとマリアンヌの命懸けの戦闘動画を、画面に釘付けになって観ていた。


ウィルンが驚き…

「これが……本当の前線……」


ユイは面白そうに…

「いやぁ……見るのと聞くのじゃ、迫力が全然違うねぇ」


エリザは呆気にとられ…

「こんな怪物どもの大乱戦……普通ならどうしろっていうのよ……」


ルナはアーマードアミューの活躍に盛り上がっていた。

「お姉ちゃん先生、格好いい!」

「えへへ、ありがと♪」


前線に行くためのお勉強のつもりかな? だけどな子供達よ……普通なら、その状況になった時点で完全に詰みだからな? マネしちゃダメだぞ。


「では……そちらのフリーの在庫半分を、3億エルンで買い取りますねぇ〜」

「おわっ!? え、マジでか!? トラッパーの賞金の金額よりたけぇ!」

「当然ですねぇ。これ、普通なら絶対に手に入らない超一級品の素材ですよぉ〜? それが山のようにあるんですからねぇ、良いお値段にもなりますよ」


うおおおおお! 命懸けで欲張った甲斐があった……! いや待て、あの即死級の危機的状況はもうコリゴリだ。今回で劇薬の紫もたくさん使っちゃったし、次からはマジで自重しよう、自重……


「これからも楽しみにしてますからねぇ、お二人の活躍。俺をじゃんじゃん儲けさせてくださいぃ〜」

「ああ……でも、ヤミイチ、少しいいか?」

「なんですぅ〜?」




「………眠い。マジで限界だ、寝かせてくれ。子供達とアミューの面倒、頼んだ……」

「あ……はいぃ?」


俺はなんとなく、せっかく貰ったのに謎の緊張のせいで使えていなかった、前に姉御から報酬で貰ったあの安物ベッドを横にし、その上に泥のように倒れ込んで爆睡した。


ヤミイチは後ろでめちゃくちゃ面倒くさそうな顔をしていたが、今の俺の睡魔の前には完全に無視だ、無視………

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