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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
女郎花
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龍の支配者怪物達ズ~テラフォーミングのワンダーアンダーグラウンド~

 梅チーがパワードスーツのメインアームとサブアームの計4本で敵にして父親、梅鉢千代古の八尾の内4本を封殺。殺到する残り4本を、即興で己の尾部に増築したサブアーム3本と、歯で締め上げ、そのまま口腔から病原菌めいてナノマシンを侵襲させる。

 弟の復讐のため、化け物と成った父親を止めるため、梅チーもまた人であることを止めたのだ。



「きかん子やぁわサンゴガァン」



 千代古は八尾を全てパージ、口と両手から珊瑚銃を展開、パワードスーツの胴体に撃ち込み、梅チーを粉微塵にしようと発射する。



「あら不思議、種も仕掛けもございませぇん!」



 しかし、梅チーの職業はマジシャン。手品師の方、である。千代古の虚を突いてとっくの間にスーツから脱出しており、仙骨に設置された拡張パーツからへその緒のように伸びるケーブルによって遠隔操作していた。

 まるで今さっき抜け出したかの様に演出しつつ、脱け殻のパワードスーツを撃つ千代古の股下へ潜り、僕が貸与したレーザーブレードで股間から鳩尾までを切り裂く梅チー。ほぼ縦に真っ二つだが、化け物は死なない。さあ、美味しいところを持っていってしまおう。



「はい★梅チー☆握手(あーくしゅ)


「あらまー、踏み潰せんねぇ?」



 パワードスーツの残骸から外れた梅チーの拡張パーツ、ケーブルの先端が端子となっているそれを第三の手として握り込む。僕の職業、アイドルのアビリティは、事前の訓練と同等の効果を発揮して僕と梅チーを、握手している10秒間だけ無敵にした。



「プレゼントだよ☆千代古(チョコ)ちゃん」



 無敵状態を利用して千代古の裂けた鳩尾に、空いてる片手を突っ込み、そのまま腕を展開(・・)



「星になれっ☆」



 桔梗姫橘が内蔵する未完成の珊瑚銃よりも更に未発達な、僕の蕾。ほとんどコア部分しかないそれを無理やり起動して意図的に暴走させる自爆技、珊瑚爆雷(サンゴバン)を使い、化け物、梅鉢千代古が今度は横に、完全に真っ二つに肉体が裂けた。




「うまそな子やねぇ。ちきないわぁ。ごっつぉ食べて、元気にならんとね」



 完全に裂けた上半身と下半身で、それでも僕と梅チーを捕まえようとする千代古。



「残念☆10秒経ったからハガシまーす☆」



 アイドルのアビリティ。10秒間の無敵のあとは二者の強制離脱が起こる。本来なら、強力な効果に対する些細なデメリットとなる現象が、この戦闘へ(あつら)えたようにぴったりと嵌まった。



「んー☆あとは大人たちが殺到してくれれば勝てるんだけど(果てな)



 強制離脱で飛ばされた先で柔らかく受け止められる。振り返るまでもなく巨漢の豚獣人桔梗(ベルフラウ)だ。そして前方や側面を見渡せば、



「裏切り者人生だねベルちゃん☆」



 白峰菊利筆頭に魔法少女たちが制圧され、地面に転がっていた。



「裏切ってなどいませんメロウどの。私は常にただひとり、龍帝陛下にのみお仕えしています」


「よぉーく言ったね(ほし)error(えら)error(えら)い」



 千代古の下半身、二つに割かれた陰茎が更に七花八裂し、親指姫か、またはアルウラネのように美しい少年の上半身が生まれた。

 血と粘液に滑り光る鱗は赤。蛇獣人、いや、これが龍帝か。



「部下の尿道にツッコんで赤ちゃんプレイしてたの∞エグいてぇ☆」


珊瑚蛇(コーラルコブラ)には劣るとも’依り代(スペアボディ)としては望外の……ナンテ夢幻(果てな)



 不味いことになった。幼少期、母から教えられた一族の秘伝、そしてきときと!笹々(サササ)パークの悪夢の千年王国で得た研究成果。そのお陰で、梅鉢千代古の凶行の原因は予測していた。

 TFSテラフォーミングシステムの恒常性維持機能が暴走し、新たな支配者を生み出す為に、強力な個体である梅鉢千代古が選出されたのだと思っていた。



「え’ちょっと’え夢幻(果てな)理解が追い付かない(ほし)何を言われてるの」


「ざぁーこざぁーこ交尾器スカスカ☆ライバル雄個体の遺伝子掻き出せない☆」



 大商人、宗教家、そして龍帝。歴史上、度々現れる超国家的な影響力を持つ蛇獣人。都度、統治個体として現れたそれは、あくまでシステムによる無慈悲な作業だと思っていた。今回の梅鉢千代古も。統治個体に至る過程で暴走しているのだ、と。違っていた。体内に増設された有機コンピューターが僕の推測を加速させ、真の正解へと導く。



龍帝(オスマーンコブラ)ってそういう事じゃねぇから☆名は体を表すってコト(果てな)皇帝不敬罪じゃん」



 こいつは、この始祖(オリジン)はずっと僕たち獣人を操っていたんだ。

 周囲のナノマシン集合体の摂取。職業システムとダンジョンが生み出すモンスターの退治という回りくどい暗号通信によって、現地生物による魔女狩りにあっても、何度でも甦るように仕組んで生きてきたんだ。魔王気取りで、神様気取りで。



「極刑☆極刑☆死んじゃえクズ」


「何言ってるかわかんかいケド’すぐわからせるからいいや(ほし)。チョコちゃん(上半身)、ベルちゃん、捕まえててね」

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