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第93話:レグさんのテントへお願いします

「エ、エリアスなのか?」


ぴょん


だよな……。どー見たってスライムがいるもん……、白いけど。


!? 白い⁉


エリアスが白い……、変化したのか! こんな時こそ神眼の出番だ!



ーーーーーーーーーーーーーーー


名前:エリアス

性別:無

年齢:0才

種族:スライム?

LV:1

体力:52/52

魔力:41/41

攻撃力:38

防御力:19

俊敏性:26


<スキル>

[魔法]

火魔法(初級)・雷魔法(初級)


[特殊]

溶解・吸収・触手・知性(低)


<特記事項>

ヨシタカの加護・転生


ーーーーーーーーーーーーーーー



………………。


何から突っ込めばいいのか分からんわ!!!!


なんだよ種族が【スライム?】って!

レベルも【1】に下がってるし!

魔法のスキルも多いな! 2つもあるぞ!

俺の加護ってなんだよ!!



スゥーハァー、スゥーハァー。


ちょっと落ち着いて考えよう。



エリアスの身体が白くなったのは、進化か成長が成功したと考えて間違いはないだろう。


しかし、どうして種族にハテナマークが付いてるんだ? 神眼の誤作動なのか?

レベルが1なのは転生と関係があるんだろうか?

やけにスキルが増えているし、俺の加護なんて物騒なモンが【特記事項】に記載されているのが恐ろしく感じる。


考えても解からない……。


神眼で視て、【神の知識】で調べても解からない事を、俺が考えてどうこう出来るとは思えない。


すりすり、すりすり


「どうしたんだ?」


すりすり、すりすり


ああ、腹が減ったのか……。


「見た目は白くなったが、中身は変わらないな」


なでなで


ぷるぷる


時刻は6時前。辺りは薄暗く、新人冒険者達の眠気を堪える姿が目につくが仕方ない事だ、これが彼らの仕事なのだから。


今回の討伐戦に参加した冒険者には、オークの魔石や肉等を売って得た金額からランクに応じて報酬が支払われる事になっている。


新人がコツコツと安い依頼を受けるよりは、割りの良い報酬らしい。

逆に、高ランクの者にとっては安い報酬になるそうだが、ギルドへの貢献という意味合いが強く、ランクアップの際には多少であるが有利になるそうだ。



朝食の前なので、パンを1つ出した。


「朝飯の前だからこれでガマンしてくれ」


パンをエリアスに差し出すと、白く丸い身体から2本のホースの様な触手を伸ばしてパンを受け取った。


「エリアス! すごいぞ、触手を使えるんだな!」


ぴょん!


パンを持った(?)まま、肯定の意思を示す。


【触手】のスキルがある事は知っていたが、目の前で見ると驚いた。


これまでは身体でパンを受け取っていただけに、【知性(低)】のスキルの効果かもしれない。


【知性(低)】とは、人間に例えると10才の子供程度の知能を得るスキルみたいだ。

魔物は基本的に本能で動くが、スキルとして知性を持つ事によって魔物本来の本能を抑え、考えて行動する事が出来る様だ。


10才程度の知能と言っても、 子供といえど10才ともなれば善悪の判断も付くし、ちゃんと物事を考えられてもおかしくない歳だ。有り難いスキルだね。


エリアスの大福の様になった身体を見ていると、何か落ちてきた。


あっ、クラウちゃんからの手紙か?


拾ってみると、やはりクラウちゃんからの手紙だったよ。



ーーーーーーーーーーーーーーー


藤原さんへ



エリアスちゃんの転生、おめでとうございます。


私の加護が藤原さんに影響し、その影響の一部がエリアスちゃんに影響した結果、転生する事が出来ました。

今のエリアスちゃんはスライムであって、スライムではありません。

エリアスちゃんは転生により【原始】の魔物になりました。


原始の魔物になり、今後はエリアスちゃん自身が望む姿や能力を得る為の成長をする事になるでしょう。


これからも頑張ってくださいね。



クラウより


ーーーーーーーーーーーーーーー



クラウちゃん、詳しい説明ありがとう。

なんか、エリアスが凄い存在になった様な気がするな……。


ようするに、エリアスが原始の魔物ってのに転生して、これからもっと成長するんだな。(ご都合主義感が否めない)


エリアスのステータスも出会った頃に比べれば、格段に上がっている。

まあ、なるようにしかならんから諦めよう。



皆が起きてくる前に、味噌汁を作ってしまう。


幸いにも、具材は沢山あるので具沢山の味噌汁にしようと思ったのだが、ニードラングのギルドで捌いてもらったオーク肉があったので、豚汁に変更した。


豚汁が出来上がる頃になって、レイライン達3人が近付いてきた。


「良い匂いね。貴方の故郷とやらの料理?」

「美味しそうな匂い~」

「おはようございます」


匂いに釣られて来た様だね。


「よかったら1杯どうだ?」


一応、一声かけてみると、


「いただくわ」

「ありがとうございまーす」

「なんだかスミマセン……」


結局3人共、朝食として配られるパンとオークのステーキに豚汁を食べる事になった。




◆◆◆◆◆




食事が終わり食後の紅茶を4人で飲んでいると、イルクが俺とレイラインを呼びに来た。


「お2人共、レグさんのテントへお願いします」

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