第81話:ここからは白兵戦だ!
昨日は20時の投稿に間に合わないばかりか、日付けが変わっての投稿になりました。
本当に申し訳ありません。
昨日はあまり執筆の時間が無かったのですが、今日は時間が作れそうなので、このあともう1話投稿します。
今後とも、宜しくお願い致します。
先走り感はあるが、冒険者達の戦意高揚という大義名分の下に、この集落のオーク達には俺とエリアスの肥やしになってもらおうか。
この集落には上位種を合わせて42体のオークがいる。
数体の小柄なオークがいるので、子供のオークだと思われるが、それでも伸長は150㎝はあるだろうし、体重は100㎏を超えているだろう。
一般的なオークの伸長が170~180㎝で体重は200㎏前後が普通かもしれない。
見た目は2足歩行する豚だが、豚よりも表面の皮や脂肪が固く分厚いので、食べられるのは内側の肉が中心になる。
豚足や沖縄料理のミミガーとしては絶対に食べられない。
エリアスのレベリングを確実に行う為には、今の1人の状況は美味しい。
1人で1度に42体の相手をするのは面倒だが、やり様によっては不可能ではないだろう。
それに、俺がどこまでやれるのかも確認もしたい。
幸い、オークリーダーやオークジェネラルはこの開けた空間の中央付近にいる様だし、ソイツ等が先陣を切って戦闘に参加するとは考え辛い。
速攻で決めていこう。
オークは普通に食用の魔物として扱われているので、出来るだけ価値のある状態で倒したいものだ。
神気刀なら一刀両断も簡単だろうが、それで価値が下がると困る。(下がるのかな?)
奇襲をかけるという意味でも、目の前の連中には魔法で対処しようかな。その後は出たとこ勝負だ!
先ずは雷の矢をイメージする。
属性魔法を攻撃に使用する場合、一般的にはボール・アロー・ランスの順に威力や消費魔力が上がると考えられている。
まぁ、解らんでもないな。あながち間違ってもないし…。
以前、サンダーアローを3本放ったら魔力を24消費した。
今は残念な事に、魔力も全回復しているので、10本を同時にイメージする。(直ぐに回復する魔力回復強化が口惜しい…)
狙うはオークの頭!
「サンダー、アロー!」
俺の声と共に、雷でできた10本の矢が現れ、狙いをつけたオークの頭に向かっていく。
「ブヒッ…」だの「ブゴッ!」だのと、断末魔らしき声っぽいのが聞こえるが、無視だムシ。
サンダーアローを当てたオークを確認すると、ソイツ等は頭を撃ち抜かれ絶命していた。
流れ弾(?)に当たったっぽいオークが顔を焦がしながら、変な声をあげているのも見えた気がする。
正直、同時に何本の矢を放てるのか分からないし、威力に関しても検証していないので、頭を撃ち抜けば確実に倒せるが、魔力の消費が80と、決して少なくはない。
オーク達との距離は約20メートルか、異変に気付いたオーク達が騒ぎ出すが俺の姿は捉えていない様だ。
この距離ならまだサンダーアローで狙い撃ちした方が安全だよね。
カルロの千里眼が羨ましく思えるよ。
確実に頭を狙える4体に絞り、魔法を放つ。
「サンダーアロー!」
またも4体のオークを仕留めるが、2度の攻撃で俺の居場所の目星がついたらしく、集落全体からオークが向かって来るのが分かった。
残りは28体だ、大丈夫だやれる。
(落ち着け、俺)
大丈夫、まだ距離はある。
俺の周囲には木々があり、大勢のオークが襲ってきて同時に囲まれ難い環境だ。
あと1回は落ち着いて魔法が放てる余裕がある。
向かってくるオークが重なり始め、1体ずつ頭部を狙い難くなってきたが攻撃の手を緩めるつもりはない。
かめは○波みたいな強力で後方にも被害が出る魔法が使えればよかったが、そんな魔法は【神の知識】でも知る事が出来なかったし、無茶な考えなので堅実に対処する。
貫通力を高める為に、矢の上位である槍をイメージする。
「サンダーランス!」
先程の矢よりも、長く切っ先の鋭い槍が3本現れ、オークの頭目掛けて飛んでいく。
クソッ!サンダーランス3本で45も消費したぞ!
なんて魔法だ!これで使えなかったら割に合わん、最悪だ。
「いけ!」
この一言に意味は無いが、声が出てしまった。
神気刀を出して構えるが、向かってくるオークの数はだいぶ減っていた…。
あら?
どうやら先程のサンダーランスは、命中したオークの後方にいた奴にも結構な威力のまま当たった様で、1本のランスで2~4体のオークが戦闘不能に陥っていた。
(よっしゃ!)
消費魔力は少なくないが、威力は確かな様だ。
残りは約20体程か、オークが目前に迫っているので、マップで正確な数をカウントするなんて器用な真似はできない。
ここからは白兵戦だ!