第65話:食べよう
20時に間に合いませんでした。
それに短いです。
今後とも宜しくお願い致します。
それでは、いただきます。
フー、フー、ズズッ
は~。染みるー!
約1週間ぶりの味噌汁か…。懐かしく、ホッとする味だね。
よく海外旅行に行く時に、インスタントのカップ味噌汁を持っていく人がいるらしいが、気持ちは解る。
禁断症状でないが、無性に飲みたくなるんだよ、日本人として。
パクッ
あー、久しぶりのコシヒカリだよ‼
土鍋で炊いたからか、それとも久しぶりに食べたからか、両方かもしれないがとても美味いな。
やっぱり米はジャポニカ米に限る。この絶妙な粘り気と米自体の美味さが堪らない。
サクッ
おぅ、さっき1口だけ食べたが、このトンカツは本当に脂の旨味が濃いな。
正確にはジャイアントボアカツだが、トンカツでいい。猪は豚の先祖だから、トンカツと呼んでしまおう。
パクッ、パクッ
口に広がるトンカツの味を白いご飯で追っかける!
ゴクンッ
米粒が喉を通るこの快感、…堪らん。日本人で良かった。
ズズッ
味噌汁で更に流し込む!
これが俺の本来の食事だ。白米と味噌汁が胃袋に染み込む…。
純粋な栄養が身体に吸収されるのを感じる。
パクッ、コリコリ
炒め物も美味いな。簡単に作ったけど、不味くなる訳がないもん。シッカリとした歯応えのキノコが美味いし、バラ肉が柔らかくてトンカツとは違った脂の旨味があるよ。焼き肉のタレがご飯を誘う様だ。
バクッ!
モチロンご飯で追いかける。
サクッ、パクッ
トンカツに戻れば尚更米がススムぞ!
白米と肉の美味さに翻弄されそうだ。
箸休めにきんぴらごぼうでも作っとけばよかったな…。
「美味いか?エリアス?これが俺の故郷の味だぞ~。」
ぴょん!ぷる!ぷる!ぷる!ぷる!
「そうか、美味いか。シッカリお食べ。」
ぴょん
エリアスも喜んで食べてるな。嬉しいよ。
「えらく美味そうに食ってるな。」
ゴクン
「美味いぞ。こういったのが俺の故郷の食事だ。久しぶりに食うから尚更美味いな。」
「変わった道具で食べるんだな?調理の時にも使っていたが、器用なもんだな。」
ああ、箸の事か。
こっちではナイフとフォークが主流みたいだから、箸なんて知らんのだな。
「まだ土鍋に米があるから、少しなら食べていいぞ。」
「何か違うのか?まあいい、少しもらおうか。」
って言うか、俺の飯の邪魔をしてくれるなよ、ラオン。
こっちは気持ちよく食べてるってのに…。
パクッ、ズズッ、ゴクン、コリコリ、パクッ
パクッ、サクッ、パクッ、ゴクン、コリコリ、パクッ
はー、食った、食った。
ズズッ、
緑茶がウメー。
…………
……………………
よし!決めた!
俺は自分の飯に自重はしない!
俺は自分の食べたいモノを食べるぞ!
折角、万物創造なんて便利な能力を持ってるんだ、好きなモンを食べて何が悪い。
タナトス様だって、俺の食事の為にこの能力をくれたんだ。ちゃんと、本来の目的の為に使っていこう!
はー、お茶が美味しいよ。
エリアスも緑茶は飲める様で、俺の向かいで少し覚ましたお茶を飲んでいる。(吸収か)
芋けんぴでも食べたいな。
あれは緑茶に合うんだよ。ウチの実家では、冬の季節によく食べていたお菓子だ。
自重しないと決めたのだ、食べよう。