第25話:ベルハルト達に合流する
残酷(?)なシーンはとうぶん予定にありません。
今後は食事シーンが増えるハズです。
それと、0時に本作の主人公ヨシタカのもう1つの物語(?)の投稿を始めます。
そちらも、気が向いたら覗いてみて下さい。
宜しくお願い致します。
「んじゃ、掃除してくるわ」
尋問してない盗賊Cの胸ぐらを、左腕で掴んで立たせる。空いた右手を握りしめ、盗賊Bの顔面に軽く1発殴る。
「お前らのアジトはどっちだ」
「あ、あっちです」
方角を確認すると、盗賊Cを掴んだまま走り出す。
ランニング感覚の軽い走り方だが、盗賊Cは悲鳴をあげていた。(ヘタレか)
約5分程走り、ちょっと前まで居た森の一部に到着した。
この森って実は、けっこう広かったんだなぁって思いながらさらに10分歩いた頃、視界が開け6軒の建物が見えた。
盗賊Cに確認するとやはりここだった。
イメージ的には洞窟を想像していたが、以外に文化的な家に住んでいるようだった。
全ての建物を物色して金目の物の他に、食糧や毛布に日用品等を押収する。
多分だが、ベルハルト達の燃やされた方の馬車に、その辺を積んでいたと思うので、連中用にいただいた。
食糧は日持ちのするパンや干し肉くらいしか無かった。
建物の中は殆んどが汚くて、使えそうな物はなかったが、6軒のうち2軒の建物は清潔に保たれており、毛布や食糧等はここから頂戴した。
清潔な建物の内、1軒はゼルの家だったらしく、こちらには金目の物が集中していた。
金貨に換算して約300枚分のカネがあった。
この大陸の通貨と価値はこんな感じ
白金貨:100万円
大金貨:10万円
金貨:1万円
銀貨:1000円
銅貨:100円
鉄貨:10円
鉄貨に関しては、物価の安い地方の農村や、貧しい国でしか基本的に使われていない様だ。あとは子供の小遣い程度か。
日本円にして300万円分の金貨には流石にちょっと驚いたが盗賊Cも、自分達のリーダーがこんなに溜め込んでいたのは知らなかったらしい。
盗賊のアジトと言っても、連れ去られた女性がいたり、珍しいアイテムがあったり、っていう展開が無くて安心した。面倒事は遠慮したい。
建物の確認も済んだので、後は壊すだけ。切り開けた場所とはいえ、森のなかで火魔法は避けたい。
落雷をイメージするが、建物を燃やすのではなく、破壊するイメージで魔法を放つ。
ドカーーーン!
周囲の大気が震え、鼓膜を破るかの様な轟音が轟き、太い1本の雷が空から落ちる。激しい光とともに。
辺りが落ち着き、目に入るのは建物らしき残骸が6つ並ぶ光景だった。(なんかヤり過ぎたな)
まさか魔法1発で壊れるなんて思ってもみなかった。
威力の調整が出来てないのか、俺のイメージが激しすぎるのかはわからんが、強めの魔法は控えようと心に刻んだ。
盗賊Cは俺の後で、腰を抜かして漏らしていた。(恐ろしかったんだろう)
気を取り直してベルハルト達のもとに戻る前に、魔力に余裕があったので、寸胴と幾つかの食糧を出しておいた。
寸胴は盗賊のアジトにあった井戸の水を汲んでおく。
食糧に関しては、ベルハルト達の事を考えれば、用意しておいて損はないと思ったからだ。
カレー粉やカレールウに焼き肉のタレなんかも用意した。
昨晩のシャドーバードや、午前中に倒したウイングバードがアイテムボックスにあるので、これを捌けば食い物には困らんだろうな。
時刻はもうすぐ15時。さっさと戻ろうか。
来た道を戻り、ベルハルト達に合流する。