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第112話:俺のこの手が真っ赤に燃える!

イースの扱いに迷走中です……。

「フレイムソード!」


その一言が合図となり、イースの持つ剣が炎を纏う。


「出たぞ! イースのフレイムソードだ!」

「久し振りにお目にかかったぜ!」

「俺は初めて見るぞ!」

「いくらヨシタカでも、あれを出されちゃ終わりだな」

「ああ、期待のBランカーでもなぁ……」


フッ、勝手な事を言ってくれるぜ。


「ここまでする気は無かったが、こうなったからには諦めろッ!」


言い終わると同時に突っ込んでくるイース。(さっきよりも動きが良い)


イースの剣が振り下ろされる前に、後方へ飛んで距離を取る。


「どうした? 剣で受けないのか?」

「何だ? 受けて欲しいのか?」

「ダメです、ヨシタカさん! フレイムソードを剣で受けてはいけません!」

「剣が壊れちゃうよ!」


シュウとユインか、昼間にレグから聞いていたから知ってるよ。

一般的に出回っている武器でフレイムソードを受け止めると、壊れてしまう程にフレイムソードは強力なのだ。


神気刀で受けても壊れる心配は無いが、イースはフレイムソードの発動の際に精神を集中したこともあり、多少は気持ちを落ち着けた様で動きが良くなっている。


炎魔法を剣に付与しただけなので、身体能力が上がった訳ではない。本来のイースの動きに近付いたただけだろうが、それでもさっきとは全然違う動きをしている。


「次は逃がさんッ!」


ああ、良いぞ。さっきよりも良い動きだ。


だが……。


ガキンッ!


「なっ!」


驚くよな。


「ヨシタカの剣が壊れてねぇ!」

「業物か⁉」

「普通の剣じゃないとは思ってたが、そんなにスゲェ剣だったのか⁉」


イースも周りの連中も、俺が神気刀でイースのフレイムソードを受け止めた事を驚いている。


「イース、確かにそのフレイムソードってのは凄いと思うぞ。でもな……」


ガキンッ!


鍔迫合いの状態から強引にイースを引き剥がす。


「世界は広いこと、お前よりももっと強いヤツがいる事を教えてやる! 見ろ! これが俺の奥の手、火装炎武だ!!」


俺の叫びと同時に、火装炎武が発動される。(魔力が~)


「な……、何だよ、ソレ……」


さっきまでの威勢がウソの様に、イースの顔が絶望に支配されていく。


「ヨシタカの体が燃えてるぞ……」

「見ろよ、剣まで燃えてるぞ……」

「あれって、フレイムソード……、だろ?」

「バカ野郎、そんな生易しいモンじゃねぇぞ」

「レグさん!」

「そうね、あれはイースのフレイムソードなんかよりも、もっと難易度が高い付与魔法よ」

「レイライン様、あれも付与魔法ですか?」

「あれは火魔法の付与を全身に行っているのよ。発動と維持する為にどれだけの魔力が必要か考えただけでゾッとするわ」

「それ程までに凄い事なんですか?」

「ヨシタカの頭の上を見てみなさい」

「従魔のスライムですか?」

「見て解らんか? スライムはヨシタカに触れているのに燃えとらん」

「そうね、それ程までにヨシタカはあの付与魔法、火装炎武だったかしら? あれを完璧に制御しているのよ」

「確かにあれは奥の手に相応しい大技だな」


レイラインにレグよ、詳しい解説ありがとう。


「何なんだよオマエは! そんなに俺を惨めにさせたいのか!」


単なる被害妄想だろうが。


「なぁイース、どうして俺と比べる? オマエはオマエだろうが? 他人と比べたらキリが無いだけだ」

「貴様に何が解る!」


何も解らんさ。ただな、今のオマエは見てると辛くなる。何をそんなにもがき苦しんでいるんだ?


イースが剣を構えて距離を詰めるが、乱暴に剣を振り回しているだけの単調な攻撃で、先程見せていた動きではない。


紙一重で全てかわし、イースのステータスを確認すると、イースは剣だけに魔法を付与しているので、まだ余裕はあるが、逆に俺がヤバくなってきた。(そろそろ終わらせるか……)


神気刀をアイテムボックスに収納し、イースの攻撃を待つ。


「バカが! 折角の剣をしまいやがって!」


(そうでもないさ)


「来い、イース!」

「ウゥオォォーーー!」


ノーガードでイースのフレイムソードを待つ。


「バカが! 剣を出せ!」

「ヨシタカさん!」

「剣を出してーー!」


(これで良いんだ、これぐらいしないとダメなんだよ)


「リャァーーーー!」


イースが振り下ろすフレイムソードを左手で受け止める。


「俺のこの手が真っ赤に燃える!」

火装炎武を思い付いた際に、このネタをやりたかったんですよ!

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