第66話 KADOKAWAが大幅減益なろう偏重で
KADOKAWAが大幅減益だそうですってね。なろう偏重が、異世界ものへの飽和が原因と自己分析もされている。
この自省はつまり、兆候を把握していたけれど、手当てが間に合わなかったことを指しています。
勝っている間はなろう偏重で正解だったんです、大きな波には当然乗って然るべき。
でも、止まない雨が無いのと同じ、流行はいつか必ず去る。なので今回は、異世界ものが衰退する前に次の流行りを作れなかったのが敗因と、評した方が合う気がします。
事実、今回のカクヨムコンはエンタメ総合が最上段でしたからね。次を創出する気概は十分あった。テコ入れするのが遅かっただけ。
もちろん異世界もの主流で増益を達成している企業もあるでしょう。でもそれってKADOKAWAに比べたら規模の小さな企業です。巨大企業KADOKAWAは先んじてムーブメントを創出する側。それが今回間に合わず、早期退職者を募るまでに至った。
ここからが正念場ですよね。水面下で走らせていた既存の戦略部分が(企画中止/発売中止をせねば)世に出ますので、この減益の流れがしばらく続くもよう。
挙げられていた今後の対策を見るに改革はこれから、新しい柱はまだ育っていないと見受けます。今から苗を植えるなら、大木に育つのは何年か先になる。
KADOKAWAにとって試練ですよこれは。
まあでも、作家にとってはチャンスになり得ます。広く開かれた門戸とは名ばかりであったものが、言葉のままの力を今後帯びるようになるでしょうから。
これまで見向きもされなかったジャンルが日の目を見るかもしれない。転生やダンジョンのバフなしで、同じ土俵の上で戦えるようになるのかもしれない。
しかし現在に至るまでその兆候をKADOKAWAが見逃していたはずはありません。素人でも予期していたことですからね。勝利の方程式を盲信していたはずはないのです。
企業の調子が悪い時の発表で、投資家の視線をスケープゴートに集中させる方法があります。以前からやめようと考えていた不振の事業を挙げ、『これをやめて新事業を立ち上げます』は非常に強い説得力をもつ。
これをしようとしているのかもしれません。
いずれにせよ投資家には『なろう・異世界系などの特定ジャンルへの偏重が収益悪化を招いた』と報告したので、これから生み出されるのはこれらに代わる新しい作品群です。
次にくるジャンルはいったい何か。腕がなりますね。
KADOKAWAの中でその尖兵たりえるカクヨムはむしろこれからが本領ではないでしょうか。今から、ここから新たなムーブメントが起こる。
それを為すのはあなたが書く小説かもしれません。




