歳星の術
「それではまずこの術についてお話ししましょう。」住職は話し始める。「この術は、まず失ったものの一部を用意し、それを触媒して術を発動します。それによって人の認識を除いた1日を繰り返させ、その間術者が失ったものを復活させることができる。それが歳星の術です。」「飯田の能力とは真逆だな。」「そうね。」「その話は聞きたいけど、そんな事よりも今はこれよ。」「そうだな。それじゃあ質問なんですけど、それっていつまでも続くんですか?」「違います。しかし、さっきの説明は嘘ではありませんが真実でもありません。」「え!?」「真実はなんなんですか?」「失った物を復活しているのではなく、復活しているように見せているのです。」「つまり幻覚ってことですか?」結崎が聞く。「そうですね。しかし、1日が5回を迎えると失った物が完全に復活します。」「マジですか?」「マジですよ。」「これをやった人物に心当たりは?」姉さんが聞く。「分かりませんね。しかし、歳星の術を知っているのは私の一族だけで、その生き残りは私と私の孫しかいません。」「だったらその孫が、」「その孫も東京に就職しに行ったので違うと思いますがね。」「そうですか。貴重なお話しありがとうございます。」「最後に一つ」「なんですか?」「もしも歳星の術を使った物がいたとしても責めないでくださいね。その人も失ったものを受け取ろうと戦う人なんですから。」「わかりました。それでは」私たちは神社を去る。
「これからどうする?」「とりあえず、夕飯食ってホテルに変えるか。」「トランプしましょ!」陽菜が言う。「何やる?ポーカー?ブラックジャック?なんでもこいよ」「ババ抜きよ」「ああ、おk」




