事情聴取
「令和4年当時のロシア連邦がウクライナに軍事侵攻をはじめました。これをウクライナ進行と言います。」歴史の授業だが、令和長すぎだろ。「雨夜光四郎、雨夜光四郎。速やかに理事長室まで来てください。」「雨夜さん、すぐに行きなさい。」「はーい」小走りで理事長室に向かう。コンコン「入ってくれ。」「失礼します。」ドアを開けると、理事長のデスクの前の机を挟んで向かい合ったソファーの右側にスーツ姿の男女が座っている。「座ってくれ。」理事長に言われたので私は彼らの向かい側に座る。「私たちは警視庁捜査一課の杉浦です。」「同じく山本です。」そう言って、警察手帳を見せてくる。見た感じ、どうやら本物のようだ。「それで、その警察の方が私になんのようですか?」「一昨日の14時にこの近くで殺人事件がありましてね、あなたが犯人と話していたとの目撃証言がありますのでお話を伺いしようかと思いまして。」「なるほど、しかし彼の情報についてはあなた方が知っている以上の事は知り得ないと思いますが」「お恥ずかしいことに犯人に関する情報はまだほとんど出ていなくて、なにか知っていることがあればお話しいただきたい。」「分かりました。しかし、私が知っているのは、犯人の名前くらいですよ」「なんで、知ってるんですか!?」彼らが大声を出して驚愕する。「彼は昔の友人なんですよ。中2の時にボランティアとして中東に行った際の」「それで、犯人の名前は何なんですか?」「えっと、確か飯田千草だったと思います。飯に田んぼの田で飯田。千に草で千草です。」「ありがとうございます。他に何か知っていることはありませんか?」「それ以上のことはわからないですね。」「別に確実なことじゃなくてもいいですよ。例えば犯人の目的とか」「目的ですか。彼と話した時に、彼が死別した恋人のヘレナの話をしていたので、彼女の敵討ちが目的なんじゃないかと思うので、殺された被害者の親族を調べてみると良いかもしれませんね。」「ありがとうございます。最後にもう一つ。」「なんでしょうか?」「犯人の能力について何か知りませんか?」「知らないですね。そう言ったことは彼とはあまり話してないので。」「そうですか。」「でも、彼が人生で『一度も使う機会が無いだろうな。』って言ってたので、あの時消えたのは共犯者の能力なんじゃないかと思ってますね。」「貴重な情報ありがとうございました。」「こちらこそ、ありがとうございました。彼を早く捕まえてくださいね。」「肝に命じておきます。それでは。」「失礼しました。」そう言って話が終わると警察官は帰って行った。「大義だったね、来訪者雨夜光四郎。」「その言い方読めませんか?私の出身は東京じゃないですけど……」「そう言うことではないがまぁ、いいだろう。期待しているよ、雨夜光四郎。」「分かっていますよ、理事長。」この理事長がどこまで知っているのかは知らないが私は私のやることをするまでだ。




