前へ目次 次へ 27/30 (四)-4 そういえば、僕は置いてけぼりになったこともあり、食べるのを忘れていた。しかも母と妹の分も買ったのだった。鶴巣PAで渡すのも、すっかり忘れていた。 僕はそれを手にすると、運転席からキャビンを降りた。 妹の泣き声がこだまする中、父と母の怒鳴り声の応酬は続いていた。 僕はビニール袋から「あだたら芋小町」を一つ掴んで取り出し、母の方へ歩いて行った。 「母さん、これ」 僕は芋小町を掴んだ手を前に突き出して言った。 (続く)