表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★女王さまはみんなと戯れたい★ ~NPCがわたしを"推す"! VRゲーム (あれ? 推してるのわたし!?)~  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【3章:再起の女王】
436/455

知識を得たる蟹座

 ◇◆◇◆◇◆


 人間界には稀に、天才と称される存在が生まれる。飽くなき探究心、尽きることのない独創性を持ちながらその者は孤独だった。孤独を埋めるために、人形を造った。初めは稼働も無い、意思も無いただの平凡なお人形だった。その者は考えた。より優れた人形は創れる。時間を掛けても実現できると。自分に備わった知性があれば。


 完全なる人形を作る過程で多くの作品が生まれ、技術発展にも貢献した。多くの人はその者を讃えた。が、興味は無かった。自分が今欲しいのは、自分よりも完璧で優れた人形の完成。それだけだった。しかし、時間を使い過ぎた。人間であるがゆえ、時間には逆らえなかった。病に瀕している時、好機が訪れた。


「ワタシも見てみたい」


 絶世の美女はその者に告げた。美女もまた好奇心には勝てない存在。人の身で自分が創った人形に匹敵する人形を造ろうとしていたことに。美女は死にゆく人間に手を差し伸ばした。人間は、迷いなく手を取った、己の心が決めたのだから。選ばれたが、先に進むために自らの身体を改造する事を美女に打診した。


「自分も人形になれば、人形の気持ちが分かるかもしれない」


 天才は時として、凡人には想像もできない考えを持つ者だ。


 人間の身体を捨て、可能性でしかなかった金属製の身体を手に入れた。研究を進め、多くの知識を得る。幾重の失敗も彼女には経験として蓄積された。無限稼働なエネルギーを発明し、命へと変換した。彼女は、当初の目的通り、完璧な人形を完成させた。千体もの機械人形を創っても、彼女の心は満たされなかった。知識があっても実現不可能だと、彼女は気付いた。そうして自らの想いを封じ、より一層知識を昇華させていった。











 ◇◇◇◇◇◆


 キャンサーの身体が強く振動する。横たわった身体から稼働音が鳴る。光輝き、エネルギーがキャンサーの身体に満ち満ちているようだった。


 閉じていた二つの眼は蘇る。キャンサーは起き上がる。ゆっくりとした動作。ゼンマイ巻きの人形の様に。両手を開いたり閉じたりを繰り返す。徐々に力が戻ってくる感覚がキャンサーの全身に伝わる。


 首を動かし、愛する人を見詰めた。再び会えた事への衝動で思わず抱き締めたキャンサー。初めて自分の心を満たしてくれた存在。永遠にお慕えしたい女性。この方の為なら、自分の全てを捧げれる。最高の(マスター)


「申し訳ございません、マスター」


 謝罪。


「どうして、謝るの?」


「敵の術中に嵌り、不甲斐ないお姿をお見せしました」


 謝罪内容を聞いた私は思わず微笑した。


「誰にだってミスはするよ」


「私は...ミスを無くすために人形になることを選びました」


「人形なら完璧にやれると考えたんだね」


 キャンサーはゆっくり頷く。


「完璧なんて、この世に存在しないよ。それにキャンサーはさぁ、考え過ぎだと思う」


「えぇ!?」


「勿論、考えることは凄く大事な事。けれども、時には無計画に過ごすのも悪くないと思うけどなぁ〜」


「......考えたこともありません。私に出来るのでしょうか......」


「良かったじゃん!!」


 私の言葉にキョトンとするキャンサー。


「何が”良かった”のですか?」


「自分の意思で進むと決めれた」


「ど、どういう意味なのですか?」


「私の言葉をスルーすることだって出来るはず。でも、今のキャンサーは自分に足りないモノを知り、受け入れようとした。成長出来るんだよ!!! ただの完璧な人形には到底実現不可能な成長を!」


 キャンサーは気付かされ、目を見開く事しか出来なかった。


「その為に新しい知識が必要になる。でも、知識は溜め込むだけじゃあ、意味がない。自分の外に対して使わないとね! その内、気づくと思うよ。『なぁ〜んだ、ただの考え過ぎだった』ってね」


「今以上に......使()()ですか」


「もしも、使い方が分からないなら......私の為に使ってよ」


「えっ!?」


「私は決して、キャンサーを孤独にしない。約束する」


 啜り泣く音、小刻みの震えるキャンサーの身体。


「良いのですか......私なんかの為に」


 優しく頭を撫でる。


「膨大な知識を有しているのに、キャンサーもまだまだ、だね! 相手の言葉を否定するよりも先に言うべき事があるんじゃない」


 キャンサーは顔を上げる。頬が、心臓が熱いのは上手く冷却機能が作動していない為だ。でも、暫くは改修しない。


「私は()()()()()()()です。私を孤独にしないでください、ユミナ!!!!!」


 お互いの唇を重ねた。数秒のキスが永久の時の様だった。


「こちらこそ、末長くよろしくね。()()()()()()()♡」


 私たちは再び、見つめ合う。ゆっくりと愛する者の唇に自分の唇を近付ける——————










「...っ!!?」


 キャンサーは突き飛ばされた。身体が地面に倒れ込む。同時に見知ったか細い腕が二本落ちる。


『油断は禁物だよ』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


  ・乙女座(ヴァルゴ)《EX》

   真名:【ラブ】

   職業:MAIN:【剣星】


  ・牡羊座(アリエス)《EX》

   真名:【テラス】

   職業:MAIN:【星聖】


  ・牡牛座(タウロス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星匠】


  ・双子座(ジェミニ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星導】


  ・山羊座(カプリコーン)《EX》

   真名:【ヴァレンティーア】

   職業:MAIN:【星天】


  ・獅子座(レオ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星闘】


  ・水瓶座(アクエリアス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【綺羅星】


  ・蟹 座(キャンサー)《EX》

   真名:【コノシェンツァ】

   職業:MAIN:【超兵星】


  ・射手座(サジタリウス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【弓星】


  ・蠍 座(スコーピオン)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【栄星】


  ・天秤座(リブラ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【妖星】


  ・魚 座(ピスケス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【溟星】


  ・蛇遣い座(オフィュキュース)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【石蛇神】

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ