MISSION:Defeat All The Invading Aliens.(訳:侵略者をぶっ倒せ!)
◇◇◇◇◇◆
タウロスの工房へやってきた。
「はい、タウロス」
タウロスに提示した素材。コンテナ一杯に詰め込まれた山盛りの黄金。付属して純度と高密度を誇る宝石類を提出した。
「話は、スコーピオンから聞いてるぜ。じゃあ早速取り掛かりますか」
タウロスの手は黄金に掛けるが、一歩手前で静止した。
「なぁ、お嬢......アタイには夢がある」
「えっと......お父さんを超えるだっけ?」
タウロスは星霊になる以前から鍛治師として生きていた。タウロスの父親はタウロス曰く遥か高みにいる高次元の存在で鍛治も少しかじった程度らしい。ただタウロスが父親の話をする度に『正直、勝てる見込みがない』とブツブツ呟いている。自分は鍛治師として生きているのに、少し触れただけでタウロス以上の最高の鍛治師にまで登り詰めたんだ。誰だって恨み節も言いたくなる。ってか鍛治師に勝ち負けなんてあるのかな?
「裁紅の短剣を修復したから、父親を超えた事にならない?」
「あれは、一瞬の試練だな。今を思えば......」
ま、タウロスの父親はタウロスに裁紅の短剣を託す時、『お前が心の底から信頼できる者に渡せ』だったはず。タウロスは黄金を掴む。
「オヤジはな、星刻の錫杖を上回る性能の武具を造るのに躍起になってたんだ。子どもみたいに無邪気に......」
幾つになっても、男の子ってことか〜
「【自我が消滅した静かなる殺戮者】を制御する装置作り。完成すれば、オヤジを超えたことにならねぇか」
嬉しそうな顔。内に熱く燃えており、宿敵を倒す執念がタウロスにはあった。
「手はある?」
製造の金槌を持ち、工房奥へ歩き出す。
「これ以上ないってくらいな! アタイの最高傑作を作る。お嬢、見ていてくれよ!!!」
「うん。完成、楽しみにしてる」
タウロスの2度目の静止。横目で私の後ろを見ていた。
「触れた方が良いか?」
私の後ろにはバニーガール衣装を着ている3人の女性が立っている。私お手製の看板を首に掛けていた。”私は主を襲った卑しい女です”。三つも直筆で書きました!!
かなり際どく布面積が少ない衣装で、素材が最上級だから、更にエロさが際立っていた。
「こちら私のペットのウサギちゃんたち♪」
私のペットたちにはウサギの毛皮はない。なので、全身を撫でていく。もふもふしかった......
「3人とも、腹を見せてくれるとありがたいんだけどなぁ〜」
何を躊躇っているのかな。私の尻は全世界に流出したんだから。ここでお腹を見せるくらい問題ないよね。
結局スコーピオンうさぎちゃんもタウロスの製作に関わるので、私の元から離れた。修理完了した武具を受け取り、廊下を歩く。それほど時間が立っていないのに幽天深綺の魅姫・エクシードが懐かしくなるのは気のせいだろう。
黄金が文字通り腐るほどあるから、新たな防具を生産依頼しても良いかもしれない。宝石類もある程度、保有している。制御装置が完成したら、タウロスに依頼しよう......
スコーピオンのお使いイベント。
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①黄金と宝石
②絶大な魔力量
③オフィ復活 (※手段は問わない)
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①は達成した。残るは2つ。③に関してはスコーピオンも私に一任している。と言っても突破口がないので、とりあえず本人に聞いてみるのが手っ取り早い。オフィなら何個か手段を持っている可能性が高い。他の星霊よりも長生きしているオババだし〜 ついでに②も消化しないといけないし......
玉座の間に入る。
「リリス様?」
宙に寝転がり、読書中のリリス様。重力がある世界で一人だけ無重力状態か......
リリス様をまじまじと見る。
う〜ん。やっぱり、リリス様だよね。インペリアル・アペクス号で再会した時とは雰囲気が違う気がする。
「お邪魔しているわ♡」
後ろから扉が開く音。両手に大皿を乗せたヴァルゴが入ってきた。オマエ、まだ裸エプロンだったのか......
ま、個人の趣味嗜好は自由。皿に盛り付けられている料理。お肉、美味しそう(じゅるり)!
皿を床に置く。行儀が良くないのは理解している。テーブル無いから許して!
「どうしたの、怖い形相で」
ヴァルゴはずっとリリス様を凝視している。親の仇のような、復讐者の瞳。
「久しぶりね、ヴァルゴ」
「偽りか」
「ワタシは、ワ・タ・シ!! 貴女が名もなき悪魔からの腐れ縁の神様だよ♡」
息を吐く。緊張を解いたヴァルゴ。何のことかさっぱり。このステーキ、旨い! A5ランクを超えているのでは!? えぇ!? 『はい、あーんっ』って...しょうがないな!
「今度から事前に言ってください」
「ワタシも同じ事を言ったわ」
「それで、リリス様。今日のご用件は?」
コーヒーカップを置く。
「ワタシは思うのです」
唐突に立ち上がり、奇妙なポーズを取り始めるリリス様。か、可愛い♡
「今の星霊は怠けてていると」
深く頷く。確かにおっしゃる通りです。隙あらば私の貞操を狙う獰猛なハンターたちだからね。
「お姉さんは悲しいわ。最後にして、最強の星霊が完成したのに......女の子一人の尻を巡って争いを起こす低レベルまで降格したことに......しくしく(発声だけで、涙は流していない)」
「組織は、事実上解体されました。今はお嬢様を愛でる組織を立ち上げ、日々激務に勤しんでいます」
いつから株式会社ユミナが創設されたんだ。業務内容は専ら私を襲う事だろうぜ。24時間365日徹夜なんて当たり前のお仕事。軽い気持ちで入社は厳しいブラック企業。いくら買えば、会社に口出せるかな。確か......株を購入するんだっけ。
「だから、久方ぶりにお仕事しましょう!」
タウロス、スコーピオン、ジェミニ、オフィ以外の星霊が首を傾げる。
「星霊は内と外、世界の脅威となる敵を倒し、人々を護る組織」
同時刻、宇宙。惑星オニキスに接近する物体。数は5個。全てが金属製の何かだった。
大気圏に突入。大気と摩擦によって発生した超高温。真っ赤に燃えながら降下していく。地上から空を見上げた者には光の条に見えることだろう。5個の金属製の物体は座標の異なる地点へ落下した。森に落ちたモノ、海に落ちたモノなど、様々。木は折れ、地は崩れ、水は外へ排出された。
衝撃はボルス城にいる私たちにも伝わってきた。かなりの振動。大地震。
「来たようね」
外の光景を眺め、リリス様は一瞬怪訝な表情を出してから呟いた。窓をすり抜け、ベランダへ移動していた。つられて私たちもベランダへ歩き出した。
謎の落下物は静止してから数秒くらいしか経っていない。この数秒間で世界は変化した。大地は崩れ、森林は火の海と煙に覆われている。海面は上昇し、水は岸を越え、大地を呑み込む。
リリス様は振り返って命令した。
「ミッションよ......ユミナちゃん、星霊たち。侵入してきた宇宙人をすべて倒しなさい」




