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スイリブル・フェザー  作者: CLOWD
14/19

風の表現者

── 新座市 畑中一丁目 西 ──


「セエエヤアアアア!!!」


フレンは身の丈程のランスを外敵に向けて薙ぎ払った。だが外敵もサンドバッグでは無いようだ。大きく後ろにステップして回避する。フレンのランスは全長1.6m程もあり振り回されると回避が難しい。


ダンッ!!


「・・・」


外敵がフレンから離れたら勇理が銃で追撃、史上初となる戦闘スタイルの為あまり無茶な発砲が出来ない。

勇理の銃も百発百中では無く、外敵以外に着弾すると想像を超える破壊をもたらす。更に、その高い威力のリコイル(反動)がかなり大きく手首へのダメージが蓄積する。連射は控えたい。


「#@¥*&」

「・・・は、外しちゃった」


惜しくも外敵の頬を掠めた


そして後ろのコンクリート壁に着弾


ドゴン!バキッ!

ガラバラガラ!


粉砕した


フレンは以前明美の盾を破壊した瞬間を目撃していた為その破壊力を把握しているつもりだった。無論明美の盾の頑強さも知っていた。だが、改めて見ると凶悪な威力である。


「是非!住居には当てないでくれ!」

「す、すいませんー!」

「-#?;…&」


フレンはもう一度外敵に接近する、外敵は学習したらしく長物に対してフレンに肉薄してきた。


「面倒な・・・!」

「@²⑨~⑨^」


外敵の黒い腕や脚がフレンに振るわれる。

右ストレートをランスでガード

左フックを屈んで回避

薙ぎ払って反撃、右腕でガードされた

外敵の左膝蹴りを右肘でガード

そのまま足首を掴み一回転、上空へ放り投げた。


「勇理!!」

「はい!!」


空中に投げ出された外敵に向かってバーニアを吹かし飛翔、加速。衝撃で地面が砕ける。


すると、おもむろにフレンが眼を閉じた。


「フゥ〜・・・よし。頼む!ガルーダ!」


風が、空気が集束されていく。圧縮された空気はやがて雷を帯び、フレンを包み込むと、輝く鎧に変化した。

緑と金の重厚な鎧、彼女の金髪に良く似合う緑色のティアラ。

勇理は視界の端に捉えていた。


「全身展開・・・!」

「我の風の加護を受け取るが良い!!」


フレン・・・いや、ガルーダはランスに風を纏わせ勇理に向けて飛ばした。勇理は風を受け更に加速した。そして外敵にドロップキック


そのまま轟音と共に地面に叩き付けた


勇理は恥ずかしそうに制服のスカートを抑えながら外敵から離れた


「やるではないかッ!!!」

「ガルーダさん・・・でしたっけ?ありがとうございます」

「その通りッ!この我が!ガルーダであるッ!」

「・・・」


美しい鎧、声、髪、剣。

だというのにマッスルなポージングや痛い発言、実にもったいない全身展開を見た。


全身展開を解き、フレンに戻ると勇理に謝罪した。


「フゥ・・・見苦しい物を見せたな」

「あ、いえ、あの、良いと思います」

「我ながら泣けて来るよ全く・・・」


「#…¥…&#」


「あいつまだ息があるみたいだぞ?勇理、詰めが甘かったみたいだな」

「あれ?うーん・・・なんか妙に強いですねこの外敵」

「まあまあ、たまにあるんだ。私は排除完了の報告を本部に連絡してくるが、後は任せた」

「はい!」


勇理は既に虫の息となった外敵の前まで来ると、『剣』を向けた。重く、大きく、冷たい、『剣』を。


そして


「私だ、第一強襲科のフレンだ」


ダン!


「あぁ、外敵を排除した」


ダン!


「いや、二手に別れて・・・」


ダン!


「西の方を排除した・・・」


ダン!


「・・・少し待っててくれ」


ダン!


「勇理!やかましいぞ!一撃で仕留められないのか!?」

「・・・あ!すみません!!!」


ダン!


「全く・・・ああ、以上だ、これより帰還する」


通信を終え、外敵の様子を確認する。


「やれやれ・・・この距離で外しているようじゃ・・・」


外敵の身体は活動を停止するとやがて粒子となって消失する。それを確認するまでは現場を離れることは出来ない。


「すみません・・・」


フレンは勇理を射撃訓練にでも行かせようかと考え、外敵の身体を観察していると・・・ふと、違和感を感じた。


「・・・」


声には出さなかったが、妙な点がいくつか。

まず、フレンが通信中に勇理が発砲した回数は合計6発、何故6発も撃ったのだろうか。弱点である心臓部、または頭部を撃ち抜けば一撃で活動を停止するはず。この行動不能の外敵を目前にして5発外すのは不自然である。

改めて外敵の身体を良く見てみると、ちゃんと頭部に1発入っている、がなんと他の5発も外敵自体には全弾命中しているのである。

そして、違和感の正体にフレンは辿り着いた。


『5発とも急所を外れている』のである

その上で命中しているのである


考え込んでいる間にその外敵は塵になって消えてしまった。

勇理はフレンに近づき声をかける。


「僕もう疲れちゃいました・・・帰りましょ!先輩!」

「!・・・あぁ、帰ろう・・・。」


2人は現場を離れ翼専に帰還した。


「勇理・・・君は・・・」

「〜♪」


帰還中、勇理は笑顔で鼻歌を歌っていた。

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