違和感の足音
──小鳥遊 由者──(たかなし ゆうしゃ)
セミロングの群青色の髪。
顔は勇理とほぼ同じ。
勇理の4つ年上。
妹思い、厳しい1面も。
勇理の詳細を知っている人物。
── 新座市 畑中一丁目 西 ──
会議の結果、2手に別れての討伐になった訳だが西にフレン・勇理が、東に明美・計香が向かった。
そして現場に急行、先に目標を視界に捕捉したのはフレン・勇理のペアだった。
「フレンさん!」
「ああ、見えたな。被害はまだ無いが、暴れ始める前に排除するぞ」
「は、はい!」
勇理にとって任務としてはこれが初の外敵排除になる。
また地面を粉砕する訳にはいかない、慎重かつ確実に仕留めたい所。
すると、フレンの無線にコールがかかった。インカムに人差し指と中指をあてる。
「OK!展開の許可が出たぞ!」
「!」
勇理は自らの顬を剣で撃ち抜き機翼を展開、2・3回バーニアを吹かすと、ぎこちなく戦闘態勢に入った。
「それが例の剣と翼か。ちゃんと見るのは初めてだが、違和感しかないな」
「ご、ごめんなさい・・・」
何故謝るんだ・・・?と不思議に思いながらフレンは『巨大なランス』を展開、重厚な翠の槍を地面に突き刺すと緑色の『悪運の翼』も展開。
勇理は思わず見入ってしまう。
「ん?そうか。私の展開を見せるのはこれが初めてだったか」
「綺麗な緑色です!」
「あ、ありがとう。だが今は目の前の外敵に集中だ」
つい食い気味に感想を述べたが、今はそれどころでは無い。すぐに意識を前方に向ける。
「#@└²-@」
あちらも勇理達に気づき、睨みつけ唸る。
何か伝えたいのだろうか。
「何言ってるかわかんないですね」
「会話する知能があれば人を襲う事も無いだろうさ!多分!」
2人は目の前の外敵に向かい一気に加速した
── 新座市 畑中一丁目 東 ──
「おい計ちゃん」
「計ちゃん!?は、はい、何でしょうか」
いきなり呼ばれた事の無いユニークな指名をされる計香
「勇理とケンカでもしとんのか」
「・・・喧嘩では無いですかね」
「じゃあなんや」
「何でもないです、もう大丈夫ですから」
「ならええが、あまり空気悪くするなよ?」
大雑把な性格に見えて妙に鋭い所もある、不思議な先輩だ。
「被害が出てないうちに見つけたいですね」
「翼の展開が許可された、急ぐで!」
「! はい!」
と、しばらく飛行し索敵を続けていると
「ん?計香ちゃん!」
「あれ?由者さん!」
勇理の姉、由者と接触。
着地して駆け寄り現状を伝える。
「由者さん!この近くに外敵が出現してます。念の為家に籠っておいてください」
「計ちゃーんこちらはどちらさん?」
明美が降りてきて見知らぬ・・・誰かに似ている女性の紹介を求める。
「こちらは勇理のお姉さんの」
「由者です。妹がお世話になっております」
「これはこれは!勇理のお姉さんでしたか。ウチは不来方 明美いいます。以後、よろしゅう」
優しく微笑む由者。
「うちの勇理が悪さしてないですか?」
「いやいや、悪さなんてそんな「色々ぶっ壊してますね」オイィイ!!」
明美がお出かけ用のセリフで勇理の名誉を守ろうとしたが、計香に暴露されてしまい思わず渾身のツッコミを入れてしまう。
「あぁやっぱり・・・!すみません!ご迷惑おかけします・・・!」
「あーいえいえ!!とんでもない!では、任務があるんで!」
任務のため会話を切り上げて目的地に向かう。
「・・・」
「・・・なあ計ちゃん、今の会話」
「妙ですよね」
妙というのも、今の由者との主な会話が『勇理の心配』だった事。
姉だからと言われればそれまでだが、彼女は「悪さしてないですか?」と初対面である明美に訊いたのである。
幼い頃から顔見知りの計香にはともかく、初対面の人間にする質問にしてはまるで『よく悪さをする』とも聞こえる。
「幼なじみやろ、何か知らんのか」
「残念ながら、あの子は昔から臆病で、根暗で、悲観的で、いわゆる日陰者です」
「うん、言い過ぎやな」
「・・・」
「・・・」
沈黙
「・・・なあ」
「いいですよ」
「え?」
明美が何かを言いかけ、言い切る前に承諾された。
計香には次の発言が予想できる物だったらしい。
「勇理について、調べるんですよね」
「・・・あぁ」
「私も、勇理について知りたい事あるので」
「それって計ちゃんのご機嫌ナナメに関係しとる?」
「・・・」
そういう事らしい。




