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45、祝福と魔力の残量と

本日もよろしくお願いします。

 オークモドキに盗られた魔導石に落書きしたら、オークモドキが王様に責められました。


「ジョエル・メイリン、お主の名が魔導石に書かれているのはどう言う事だ? ミウなる製作者の事も知っておるのか? 」

「はい、魔導石を王都へと運ぶ途中の山道で山賊に襲われ、積み荷の一部を奪われ、馬車は焼かれてしまいました。そしてミウと言う者は此方の少女にてございます」

「初めまして、ファーレ王。私はミウと申します」


「娘よ、お主がミウか。どの様に魔導石を作っておるのだ? 」

「此処は人目がある故に詳しくは申せませんが、とある物を使いうとだけ……」

椅子とかベッドに座って、魔法石を両手に持ち融合させればよいのです。


「どの様な物であるかは言えないのか? 」

「はい、この場では……ただ言えるのは、それは先の馬車襲撃で破損し焼失してしまいました……」

あの馬車に積んでいたクッション、お気に入りだったんですよ?


「つまりは、もう魔導石を作れないと言う事か……フェデッやってくれたな」

「い、いえ。私はそんな事など……こ、これはきっと私の功績を妬んですり替えられたのかと……」


「では、お前の持ってきたと言う魔導石は何処で手に入れた? 」

「そ、それはダンジョンに潜った冒険者が……」

「ほう、富と名声を求める冒険者が、王宮の宝物庫にも無い希少な魔導石を幾らで手放したと言うのだ? 」

「いえ、まだ支払っては……」

代金未払いで持ち込んだんですか?


「ならば何故本人が来ない? 幾ら払うと契約した? ワシですら魔導石だと鑑定出来たのだぞ? 冒険者ギルドの鑑定士が鑑定を間違えるとは思えんな、お主も魔導石だと知ってワシに献上しただろう? お主だけで払える額では無かろう? ワシはその冒険者に幾ら払えば良いのだ? 」

あまりまくし立てるからオークモドキが黙っちゃいましたよ?


「ファーレ王よ、ここで私の献上品をお確かめ下さい。小分けにしていて運良く山賊の手から逃れた品、ミウの作りし魔導石でございます」

ジョエルさんの合図で付き人の人が箱を開けるとそこには不思議な結晶体が三つ……


「何と! まだ在ったのか、しかも三つも! 」

王宮鑑定士の方が早速二つの魔導石を鑑定し始めました。

「三つとも、先ほどと同じ魔導石(☆9)です。そして『製作者・ミウ、メイリン家ジョエルにより王へと献上される』と出ています」


「ここ数百年の間、伝説にしか聞かぬ魔導石がダンジョンで見つかり、少女が作り出し、同日に献上されるなど……どれほどの奇跡だろうのお? 」

「それは王がそれだけ女神様に好かれているからかと……」


「その様な世辞はいらん。先にメイリンが献上の申し出をし、後にロロリが献上の申し出。ミウが四つ作り一つ盗まれ、フェデッが一つ持って来た。全部の魔導石にミウが作ったと書かれ、魔導石を鑑定すると盗まれた経緯が書いてあった。どう言う事だろうのお フェデッ? 」

「いえ、決して私はそんな事は……そう、そこの鑑定士とメイリンが組んでこの様な芝居を……ええ、私は潔白です、女神様に誓って! 」

まぁ、状況証拠しか無いのでそう逃げますよね……


「王様、其方のフェデッ様も女神様に誓いたいそうですのでシャロン様の神殿へ場所を移せませんでしょうか? 魔導石の更に先、今の世に伝えられてはいない魔導石の使い方をお教えする事が出来ます」

嘘ですけどね。

「魔導石の使い方だと? 魔石や魔法石と同じでは無いのか? しかし魔導石にまだ先があるのか……興味深い」

同じですよ? でも王様が興味を持ったので王城の敷地内の神殿に皆で移動しました。


 神の像の前で儀礼的に祈り(【チャネリング】)を捧げてから話を続けます。

"ども、ミウです"

「神に四つの魔導石を願いながら捧げると、三つの祝福が得られます、ただし個人的な欲にまみれた願いや、理を歪める願いでは祝福は得られません」

「民の為に使えと言う事か? 」

「失礼を承知で申しますと、神は人間を区別しません。王族も貴族も平民も獣人も等しく人間です」


「不敬な! ファーレ王このような不敬な田舎娘は処刑すべきです! 我々は神に祝福されし血を持つ者、王族や貴族が平民や獣人と等しいなど不敬極まりない! 」

「願いは決まりましたか? ファーレ王」

私の声と共に神の像が光り輝いてシャロン様が姿を見せました。


"ミウちゃんが何か面白そうな事してたから乗って見ました"

"それはそれで女神としてどうなのでしょうか……"

「シャロン様が権現して下さいました。フェデッ様、先ほど仰ってました潔白の誓いをしますか? 」

「い……いや、俺は……俺は……」


"悪い事してるのに物証が無くて、女神に誓って潔白だとか言ってたの"

"いゃあねぇ、その手の祈りや誓いをいちいち相手してたら女神だって身体持たないわよ"

「しないのですか……では祝福の儀式を始めましょうか」

ファーレ王の両手それぞれに魔導石を持たせ私の手を添えて掲げさせる。


"見て見て! かなり大量に使ったでしょ? "

"おー、頑張ったねぇ"

「一つ目の願いは……民の幸せ」

ファーレ王が願いを言ったので、二つの魔導石を【融合】させ一つにする。


"凄い勢いで流れ出てるもん、これで私もお役ごめんだよね? "

"んー、このペースでいくと……"

残りの魔導石を再び持たせ……

「二つ目の願いは……豊穣な国」

また魔導石を【融合】させる。


"前回の魔法石で風呂桶一杯分でしょう? これ一回でどれくらい使ってるの? "

"五万トンのタンカー位かな? "

そして融合された二つを持たせ……

"……え? 五万トンタンカー……それだけなの……"

「三つ目の願いは……平和な国」

最後の【融合】が終わり見た事もない宝玉が現れる。

せめて東京湾位は行けやああ!


"……ちなみに、コレを何回すれば全部無くなるの? "

"えーと、二千七百……億回? 地球の年数換算で一日百個の宝玉を創ったとして七十四万年ね……"

待てやこら! 七十四万と十三歳とかベタなネタを身を持って体験しろと?


"ほらほら、願いが終わってるわよ? どうすんの? "

"その場しのぎにでっち上げたネタなのでノープランでフィニッシュです! "

そもそも宝玉が出来るとか思ってませんでした!


"仕方ないわねぇ、今回は私が付けとくから、次は自分で祝福魔法でも創造して付けなさいね"

女神様が手を振ると宝玉が一際輝いて祝福される。

「祝福は受け入れられました、この宝玉を神殿に捧げている間は祝福を受けれるでしょう」


"コレを後九十九回、それを七十四万……死ぬわ"

"死なない、死なない、頑張ってね"

シャロンさんは私の頭を撫で撫でして消えていきました。


「この少女が噂で聞いた、メイリンの街に現れた女神様の使徒……」

「女神様に頭を撫でられ祝福された少女……」

皆が口々に讃える中、私はもしかしたら自分は無間地獄に落ちたのでは? と思っていました。



此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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