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38、閑話的な雑貨屋商品小ネタ集

どこかで入れようと思って入れなかった小ネタ三連です。

 ある日、雑貨屋『かんざき』にニコラハムさんとグライスさんがお見えになりました。

この組み合わせで来店も珍しいですね、要件は先日の農機具に追加するパーツのアイデアが欲しいとかで……


「これは中々……此処をこうですかな? 」

「何でこうなる? 此処がコレだからコッチをこう……」

私ばかり悩むのも何ですので、お二人にも悩んで頂く事にしました。


「どうだニコラハム。一面揃ったぞ」

「ほほほ、グライスさん甘いですな、私は既に二面揃っているです」

例の六面体の色を合わせる玩具を頑張って貰ってます。


「ミウ、これは本当に揃うのかよ! 」

「揃いますよ、ちゃんと揃っている物を目の前で見せたでしょ? 」

私が回転させた手順を覚えていて、それを脳内で逆再生が出来るのなら最小の手順で六面の色が揃います。

……今回は無理そうですね。


 結局、私がアイデアを纏めるまでに二人の六面体が揃う事はありませんでした。

気に入ったのかムキになったのか、お二人共ご購入ありがとうございます。


 後日、領主邸の使用人や商業ギルドの職員達が六面体を買いに来ました。

中々売れなかった六面体の在庫を一掃する事が出来て良かったです。

今度、賞金を出して大会でも開きますかね? 端から見ると物凄い地味で盛り上がりに欠けますけどね。



 ココちゃんに新しい玩具を求められたので、木材を変形加工して十五パズルを創っていた午後のひととき。

雑貨屋『かんざき』に若い男のお客さんが来店しました。

「あの、すみません。此処の店主に頼めばどんな夢も叶うと聞いて来たのですが、店主さんは居ますでしょうか? 」

いえ、私は青い狸でも遥かな愛の国でもありません。


「私が店主のミウですが、随分と誇張された噂ですね……そもそも此処は雑貨屋ですよ? 」

「実は彼女にプレゼントを贈りたくて……」

聞いちゃいねえ! 雑貨屋に何を期待しているのですか?

彼女にタワシでも贈って『僕の為に料理を作って欲しい、コレは鍋の後片付けに! 』と言うつもりですか? 宝飾店にでもどうぞ?


「や、そう言うのではなく。僕は音楽を生業としてまして、あのオルゴールを僕の歌にして欲しいのです」

あぁ女神様が回る『蛍の光』オルゴールの改造ですか。

でも、あの音楽は直接焼き付けたから録音出来ないんですよね。

オルゴール風のMP3プレイヤーとでも言うべきか……


 なら、レコードやCDをイメージして、プレートを交換可能なオルゴールでも創りますか。

巨大なユリの花みたいなのが付いた、レトロ風な蓄音機を創りそれで録音させましょうかね?


 早速、録音開始です。

私が合図をすると若い男は楽器を鳴らしながら歌い出しました。

良く判らないリズムと良く判らない歌声……歌詞が何故か翻訳されません。

会話で無いと翻訳の対象外なのでしょうか?

まぁ、これはこれで異国情緒溢れる光景ですね……

この世界の言語は翻訳されないとこんな感じに聞こえるのですか?

しかし、歌の意味が判らな過ぎて私的にはイマイチです。


 録音が終わり、確認の再生をして若い男は気に入りながら店を出て行きました……代金を貰ってないのに気が付いたのは少し経った後です。


 翌日、若い女の人が昨日の若い男を連れて。何故あんな物を渡した! と怒鳴り込みに来ました。

夜中にオルゴールをずっと鳴らされ、軽いノイローゼを起こし不眠のご様子です。

彼は極端な音痴だったようです。それも女神様の翻訳が作動しないレベルの……とても代金を請求出来る空気ではありません。


「だからって俺の所に持ってくるなよ! 自分の店で売れば良いじゃないか? 」

グライスさんに蓄音機の応用を説明したら買い取ってくれました。

今のメイリンではBGMが流れたり、売り込みの声がエンドレスで流れる賑やかな商店ばかりになりました。

ちなみに、回る女神様の代わりに創った。音楽がかかると揺れて踊る花シリーズは、不気味だ怖いと不評でした。



「店主いるかあ? 」

シルエットパズルをココちゃんの為に創っていたら来客です……

あの三角や四角を組み合わせ色々な形を作り遊ぶプレート型のパズルです。

本当は指定された図柄を作り出すのですが、自分なりに自由に組み合わせて遊ぶのも良いですね。


「目を合わせといて無視すんなよ! 」

「変態の知り合いが居ると近所に知られたく無いので……」

店に来たのは、女装変態ローラースケーターのギジーさんです。


「誰が着せたんだ! 誰が! 」

「きっかけは私でも、つけ毛や化粧をしろとまでは言ってませんよ? 」

見知らぬお嬢さんに『私のお父さんを返して! 』とか叫ばれ、泣かれ、走り去られる私の身にもなって下さい。

あなたのお父さんは自分でその扉を開けてしまったのです。


「それはともかく、コレを見てくれ。直せるか? 」

カウンターに置かれたローラースケートはローラーが外れ壊れてます。

「最近ステラの奴がギルドの外にまでお使いさせるから、壊れてしまってな」

あー、小さいローラーでは街中の石畳に耐えられませんよね。

「直すのは簡単ですが、根本を変えないとまた修理ですね」


 ギジーさんを連れて冒険者ギルドに向かい、ステラさんと面会します。

「そんな訳で今の街中で使える道具ではないので、外へのお使いはコレにしましょう! 」

取り出したのは一輪車、ココちゃん向けに創ったのですが、まだあの子には早かったみたいです。

タイヤが大きいので石畳の段差も何のその、目的地まで迅速に向かえます。


「根本って、免除じゃなく別の道具かよ! せっかく壊せたの……あっ……」

ほほう……そうですか、そうですか。

「壊したのはワザとでしたか……」

「懲罰期限を延長しましょうか」

その後、無駄にハイスペックな身体能力で一輪車を乗りこなしたギジーさんはメイリンの街中を走る一陣の風となりました。

また娘さんが泣きに来そうですが、君の父上がいけないのだよ。



 長閑な午後の店内、私はココちゃん向けの玩具を……

「だから作るなって言ったよな? 」

おや? ヴィヴィアさん、お久しぶりです。

「本当にもう玩具が増えすぎて困ってるんだよ! 」

「私の家の方は部屋が余ってますので是非ココちゃんを……」

「やらねえよ! 」

残念ですねぇ……それなら今回はお片付けの練習が出来る知育玩具を……


「俺はこれ以上増やすな! と言っているよな? 」

つまり、幾つかの玩具を一つに組み合わせて新しい玩具として再生を!

「それって、大きく邪魔になるだけじゃねぇか! 何だってそんなに玩具ばかり作りたがる? 」


「新しい玩具をあげると、ココちゃんが『みいー、おねえちゃん、だいすき』と言ってくれるからです! 」

あの辿々しさが愛おしく……

「そんな事の為に……」

なんですと? あのココちゃんに萌えないとは?!


「まぁ、そんな台詞すら言われた事が無い人に言われましても……」

「はううう!! 」

痛恨の一撃、ヴィヴィアは死んでしまった。


「ほーら、ココ。新しい玩具だよ! 」

後日、玩具を手にココちゃんのご機嫌を取るヴィヴィアさんでしたが……

「ア・ナ・タ・何をしているのかな? 」

「い、いや……その、ココ……おもちゃ、だいすきって……その……」

「ちょっと、いらっしゃい……ね!? 」

……セイランさんに駆逐されてしまいました……南無南無。

「ミウちゃんも! 」


……イエス、マム!! 私も駆逐されました。


此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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