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36、そして平穏無事な日々へ

本日三話目です。

 新ドジョ・ドジョを含んだ建物全体をゴーレムとし魔力の補充や制御を任せました。

構文を書く容量にはまだ余裕があるので何か思いついたら書き込んでいきましょう。


 そう言えば、まだ私の店で売る物も領主様に頼まれた農機具も創ってませんでしたね。

ガラス玉が余っているので、まずコップから。

普通のシンプルなガラスのコップにワイングラス、切り子模様のカットグラスも創りましょうか。


 木材からは木のお皿やお椀も創っておきましょう。箸……は流石に駄目かな?


 後は……そう言えば皮が残ってましたね。

私が初めてこの世界に来た時に草原で狩ったウサギの皮です。

ポーチにして棚の飾りにしましょう……


 他にも百均ショップで見かけそうな、便利そうに思えて購入するもあまり出番が無い、ニッチな製品を創り続き夜が更けていきます。



 ポン・ポポン! 青い空に打ち上がる音花火。

そう、今日はドジョ・ドジョ新装オープンの日です!

「そこに誰か居るか!? 街中での攻撃魔法は禁止だぞ! 」

誰も居ません、気のせいです。


 店の前には大勢の人が集まり、壇上でヴィヴィアさんがしどろもどろに感謝のスピーチを始めました。

「えーあー、皆のおかげで新しい店を持つ事が出来た、感謝する、ありがとう! ほ、他に何言えばいいんだ? 」

かなり狼狽していますね……虎なのに……。


 私は乾杯用に創った軽い木製コップに氷とお酒を入れ集まって来た人達に配り歩いて……

「ほらほら、ミウちゃんも主役でしょ。始まりの挨拶をしてきなさい」

ステラさんに捕まっちゃいました、私も挨拶ですか? んー、では壇上に上がりながら、ちょっと口元に拡声魔法を創り展開して。


「皆様、本日お忙しい中に集まって頂き、ありがとうございます。皆様のありがたい御支援の下、この快晴に恵まれた良き日に新たに店を構える事が出来ました。新生『ドジョ・ドジョ』そして雑貨屋『かんざき』をどうかよろしくお願いします。では、乾杯!! 」

「「おー! 」」

杯を掲げ深々と一礼し、壇上から降ります。

私の雑貨屋の店名は平仮名で『かんざき』前世での名字です、この世界の人には読めないだろうけど、何となく残しておきたくてこの名前にしました。


「ヴィヴィア! だらしねぇな、子供の方がシッカリしているぞ? 」

「俺はああ言うの苦手何だよ……」

近所のおじさんに絡まれたヴィヴィアさんはふて腐れて調理場に戻ってしまいました。


 では私はドジョ・ドジョの入り口の横で屋台でも……

「はいはい、此処は私達に任せて、ミウ店長も自分の店に戻って! 」

今度は臨時のパートとして雇った近所のおばさんに追い払われてしまいました。

その綿菓子機は気合いを入れて創ったんですよ、もっとグルグルしたいじゃないですか。


 店に入ると、思ったより混んでますね。

「この変な板はお皿ですか? 」

軽量硬質化させた石のランチプレートを手に取ってお客様が質問してきました。

「ええ、仕切りが有るので複数の料理を一枚のお皿で済ませられる、運んだり食器洗いが楽になるプレートです」

「なるほどねえ……」

でも、プレートの大きさが微妙に邪魔だったり、スープ系は入れられ無いし、皿に並べる物がワンパターンになりがちなのですよね。


「店長さん、これは女神様ですか? 」

「はい、台座に仕込んだ魔石の灯りで像全体が淡く光るガラス製シャロン様です。今回の開店をシャロン様に感謝と真心の気持ちを込めて、銅貨十枚となっております」

これは良いな! と買って帰るも、ぞんざいに扱うと神罰がありそうで、数日後には扱いに困るグッズです。


 他にも、焦げ付いた鍋を磨く、海洋ダンジョンにあった椰子の実の繊維で創ったタワシ。

色水と油をガラスで密封したオイルクロック(時間適当)など実用的なのかそうでないのか判らない物が乱雑に並び売られています。


「邪魔するぞ」

領主のジョエルさんがお忍び姿で来店です、だからそれは逆に目立ちますって……。

「いらっしゃいませ、ご依頼の農機具なら数点出来てますよ? 」

自前の魔力や魔石で稼働する、試作型の手押し式耕運機とチェーンソーです。


「そうか、後で引き取りに来させる。店内を見させて貰うぞ? 」

「はい、ごゆっくりどうぞ」

店内を色々と手に取りながら見て回り……あぁ、その光る女神像が気になりますか?

どうせなら、隣にある軽く魔力を流すと女神像が回りながら鉄琴の単音で『蛍の光』を鳴らすオルゴールもどうぞ。


「女神像か……コレはお前の居た所の音楽か? 落ち着いた良い曲だな」

「はい、そうです。店の看板の文字もです」

絶対音感とか無いので微妙に音程がズレてるかも知れません。


「先日、神殿で女神様が権現なされたそうだが……そう言う事で良いのか? 」

「ニコラハムさんにも言いましたが、私は面白可笑しく平穏無事に暮らしていたいだけです」


「平穏無事か……残念だが、近い内に帝国と戦になるかも知れん」

おや、この前の三男の関係ですか?

「先日、草原の中ほどに巨大な城壁と深い溝のある、要塞らしき物が発見された」

……それは物騒で……え?


「その近くでは広い範囲に草が刈られていた、帝国め何を準備しているのやら」

……何も準備してません。

「以前、私の乗る馬車が襲われたのもその草原の近くだしな。何か関係があるかも知れん」

……関係もありません。


「そこでベラトに少しキツく問い合わせても、知らぬ存ぜぬでな。今内部に潜入しようと試みているが、どの様な監視体制かも判らず潜入する方法を模索中だ」

……三男さんゴメンよぉ!


「そこで偵察にあの空飛ぶ板を借りたいのだ、戦う為ではなくこの街を守る為に! 」

……あの小屋を放置していたらこんな問題に!!


 耐えきれずに自白しました、お巡りさん私が犯人です。

「……つまり、お主があの地に住んでいて。俺の乗る馬車が襲われていたから助ける為に草原を出て街まで着いて来た。住んでいた所は壊し忘れていた……と? 」

その通りでございます。


「要らぬ誤解を与えていたので、ちょっと潰して来ますね……」

「待て、俺も行くぞ。その要塞とやらをこの目で見ておきたい」

要塞じゃないんですけど……


 一同外に出てドジョ・ドジョのエレベーターを借り五階へ、そこから階段で屋上に。

ドジョ・ドジョの屋上は宿の物干場となっております。

「おい、あのエレベーターと言うのは売らんのか? 」

「原価販売をしても良いですが、何気に魔力コスト高いですよ? 」


 屋上に浮子さんを置き、私とジョエルさんと執事さんが乗り込み発進!

一気に高度を上げ、草原へと向かいます。

ほどなく私の創った小屋まで来ました、周囲を調べると草むらの中に何人かの人が居ます、壁の中には誰も居ません。

「あれが報告にあった城壁か、何でまたこんな頑強な物を? 」

「寝ている間に狼に襲われたくありませんから」

「あれは、狼どころか軍隊に襲われても持ち堪えるだろ? 」

あの頃は手加減が難しくて……


 壁の内側に降り立つと小屋を検分し始めました。

「随分と狭い所に住んでいたんだな、中に誰か居るのか? 」

「煮炊き出来る所と、寝る所が在れば暮らせるもんですよ」

私は調味料が無くて一晩で挫折しましたけど……


「中には誰も居ません、周りの草の中に何人か居るだけですね」

ジョエルさんの検分も終わったので、そろそろ潰しましょう。

小屋や壁や掘りを対象に【スワンプ】一気に沈み平らになった所で固めて終わりです。


 私が壁を消すと草むらの中から武器を構えた兵隊さん達が走り寄って来ました。

「お前達、そこを動く…………領主様?」

「うむ、この地の脅威は去った。各自帰投せよ」

何だか納得がいかない顔をしつつも、監視対象が消滅したので兵隊さん達は報告しに町に戻って行きました。


「これでやっと平穏無事な生活に戻れます」

「揉め事の原因は全部お主が関わっているがな」

そんなフラグは回収しませんからね?


 此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

1日3回の投稿で流石に書き貯めが追いつかれました。 

 区切りも良い所なので土日の投稿を休ませて貰い、月曜日から投稿頻度を少し落として再開させて頂きます。


 もう少しの間のお付き合いよろしくお願いします。

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