20、おもてなしの用意と新型ゴーレム
本日二話目です。
ヴィヴィアさんとグライスさんとを交え領主様おもてなしの打合せを進めてます。
「では当日は朝から休業と言う形で、朝イチで掃除婦さんを派遣して貰い食堂の清掃、椅子とテーブルも商業ギルドから借り出して……」
「そうじゃな、食器やカトラリーも貸し出せるぞ? 」
「ドジョ・ドジョには貴族様に使って貰える立派な皿が無いから借りる方向で良いかなぁ」
「事実とは言え、なんか酷い言われようだな」
あと残っている心配事は……
「ドレスコードはどうします? 」
「先方も判っておる筈じゃし、フォーマルな服装なら良いじゃろ」
「じゃあセイランさんとココちゃんの分も纏めて私が用意しときますね」
以前買った布地で創ってしまいましょう。
「何で俺抜きで話が進んで行くのだろう? 」
気のせいです、お義父さん。
「では必要な食材については、三日後の朝に商業ギルドに発注、受け取りは四日後の朝ドジョ・ドジョで」
「掃除と配膳の者に食材と一緒に各種小物も運び込ませる手配をしておこう」
「じゃあ、お義父さん。今日は遅いから此処までにして、明日の夜から料理の打ち合わせを致しましょう」
「おう、色々任せちまって悪いな。よろしく頼……だからお義父さんじゃねぇ! 」
流されて上手くいくかと思いましたが惜しいです。
そして明けた翌朝、市場で目に付いた物を買い集め収納していきます。
豚肉の様なオーク肉はありますが、牛も欲しいですね。
「おじさん、牛のこの部位を丸ごと、後は骨とか腱あります? 」
「骨だ腱だ? そりゃ捨てるほどあるけどよ。どうすんだい? 」
「ちょっとした思いつき、錬金術で使うの」
お肉屋のおじさんから訝しげな目をされましたが、ただ同然で譲って貰えました。
後は……コンロは沢山在りましたが、ドジョ・ドジョにはオーブンが無いですね?
ゴブリンの火魔石……残りが心許なく……買い足しますか。
そう言えば二回目のダンジョンも行ってないですし……何かと忙しそうです。
いつもの魔石屋さんで魔石を買い、鍛冶屋さんで鉄のインゴットも買って、また森の中に行きます。
この森の中を何かと利用しているので、その内に小屋でも建てちゃいましょうかね?
オーブン用の石箱を創って冷蔵庫とは逆の加熱魔法を創造して付与しましょう。
加熱には何種類かの方法があります。
内壁を加熱して、その遠赤外線で焼くグリルオーブン。
オーブンの中に熱い風を作り出す対流式オーブン。
加熱させた水蒸気で焼き蒸し上げるスチームオーブン。
そして、電磁波を浴びせて食材の内部から加熱させるレンジ。
どうせですから、一台に全部詰め込んだスチームオーブンレンジを創りましょう。
ゴーレムコアが食材の様子を監視しながら、上下左右から満遍なく焼き上げる、日本のハイテクオーブンを遥かに超える人工知能搭載ですね。
そのままでは外装が熱くなりすぎるので外側には耐熱の付与を創造して……
「オーブンの……おーちゃん。何か違うな、熱い箱で……あっちゃん! 」
新しいオーブンはあっちゃんに決定です。
オーブンが完成しました、しかし時間はまだ昼頃です、今からドジョ・ドジョに行ってもお義父さんも忙しいから相手出来ませんね。
時間潰しにダンジョン用の新型ゴーレムも創っておきましょう。
前回の問題点は矢の補給が面倒くさい事でしたから、大量にあるコボルト達の土魔石で矢を自動生成させますか。
いや、それなら直接ストーンアローを撃ち込めば……
ついでに連射や速射を……、そうなると魔石の容量が……
戦いは数だよ兄貴! よし、全部付けましょう! 沢山創りましょう!
「そんな訳で二回目のダンジョン行けますか? 」
帰りがてら冒険者ギルドに寄って、お酒を呑んで出来上がりかけているギシーさんに声をかけます。
「ついに来たかぁ……この生活もこれで終わりかぁ……」
何やら頭を抱えて真剣な表情をしておりますが、私が一体何をしたと言うのでしょうか?
「ミウちゃん久しぶりね? 最近のドジョ・ドジョの繁盛にミウちゃんが関わってたんだって? 」
おや、ステラさん。お久しぶりです。
「ええ、おかげでココちゃんと沢山遊べて大満足です。今度また新作料理を作るのでよろしくお願いします」
「あはは、楽しみに待ってるわ」
ギシーさんと明日の朝にダンジョン前で待ち合わせる事にしてドジョ・ドジョに戻ります。
相変わらずの大盛況な食堂を抜け二階へ。
セイランさんとココちゃんが空き部屋を掃除してますね、ちょっと声をかけておきましょう。
「セイランさん、領主様の件は聞いてますよね? 」
「聞いてるわよ、大変な事になっちゃったわね」
何を着ようかしら、お化粧は……と悩んでますが、セイランさんの豹顔には毛が生えてますよね? その上からお化粧するのですか?
「それで、会食時に着る物を用意したのでサイズを計らせて貰えますか? 」
「え? 普通はサイズを計ってから用意するんじゃないの? 」
まあまあ、細かい事には拘らず。ちょっと失礼して身体中をペタペタと……うん、大体判りました。
セイランさんってスラリとしなやかでボディラインが綺麗何なのですよね。
是非それを生かす様なドレスを……よし、決めました。
布地とボタンになる材料を手に【錬金創造】×2! 更に【合成】!
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黒いフォーマルドレス・豹獣人仕様(☆4)
マーメイドラインのシックなドレス。
オトナの魅力を引き立たせます。
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試しにやってみましたが、服も【合成】出来る物なのですね?
素材が同じでも生地としてのグレードが上がったようです。
でも、二着を一着にしたのに元の生地より薄くしなやかになるのが不思議です。
半分以上の質量は何処に消えたのでしょうか? まぁ、魔法の原理を考えても仕方ない事ですが……
「出来ましたので、着てみて下さい。サイズにズレがあったらリサイズしますから」
完成したドレスをセイランさんに渡して着てもらいます。
「え? え? 今、何をしたの? 」
錬金術です! と言っても信じませんよね。私も信じません。
「一子相伝の魔法です、サイズはどうですか? 緩い所やキツイ所とか無いですか? 」
「おかあしゃん、きれー! 」
マーメイドラインはセイランさんに似合いますね、この手のドレスはボディラインが大事です。
ココちゃんもお義母さんのドレスが気に入ったようです。
「ええ、大丈夫よ。ピッタリだわ、でも少し恥ずかしい格好ね」
豹顔なので照れているのか判りませんが、尻尾は正直ですね、凄く暴れてますよ?
「お気に召して貰えて嬉しいです、次はココちゃんね! 」
「あいー」
「セイランさん、ココちゃんにはこんな感じのドレスとかどうですかね? 」
セイランさんに一着のフラワードレスを作り出して見せます。
もう、毎日のようにココちゃんを撫で回しているので既に採寸不要なほどココちゃんの体型を熟知している変態さんが此処に居ます!
「んー、お料理で汚しそうだし、もう少し抑えた方が……」
「じゃあ、多少ならリカバリー出来るように……」
黒いエプロンドレス!
「それメイド服よね」「メイドさんですね」
青いとアリスですが、黒いとメイドになりますね。
「めいどぉ? なに? 」
聞き慣れない単語なのかココちゃんが首を傾げています。
「お家のお手伝いをする人の事よ」
「ココ、おてつだい、する。めいどぉ、その、ふくに、する」
お家のお手伝いが好きなココちゃんに気に入られてしまいました。
仕方ありません、もう一着創って【合……、この服って【融合】したらどうなるのでしょうか?
などと軽い気持ちで【融合】を発動させました。
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上質なメイド服・ココちゃん仕様(☆4)
ココちゃん用にカスタマイズされたメイド服
どんなに汚れても、軽く叩けば綺麗に落ちます。
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……ココちゃん専用装備が出来てしまいましたね。
服の汚れが落ち易い特殊能力が付いてますよ?
融合させるとこうなるんですかね……
「ミウちゃん、いま凄い事しなかった? 」
気のせいです、お義母さん。
此処まで読んで頂き、ありがとうございます。




