14.資料室で色々調べてみましょう
本日二話目です
「利用者が少ないから持ち回りの当番で司書しているのよね」
資料室のカウンターに座り、事務書類を処理し始めながらステラさんはそう言った。
「もっと皆にも資料室を利用して欲しいわぁ……」
寂しい目をしてステラさんが呟く、もっと知識を得て冒険者に生き残って欲しいギルド側の親心みたいな?
「仕事と称して堂々とサボれるから司書当番は人気なのよ! 」
……色々酷い、感動しかけて損した。
さて、改めて書架を見渡します。ジャンル別に書架が分けられているらしく、ダンジョン関係の本が一番多いですね。
背表紙を流し読みしていくと……
『ダンジョンに住まう魔物達』『ダンジョン罠アラカルト』『ダンジョンに入ったらコレを食え。~魔物調理は男の料理~』『試験に出るダンジョン知識~出るダン~』
……どうしろと? 真面目な本かと思いましたがイロモノが混ざってますね。
魔法関係は本と言うよりレポート用紙を紐で留めた様な物ばかりですね。
背表紙が無いので一束一束取り出しタイトルを確認しないといけないので面倒です。
『火炎魔法は男のロマン』『土魔法万能説』『光魔法と闇魔法が合わさり最強に見える魔法理論』『ふふふ、奴は四属性の中でも最弱。水属性の下剋上』
……読ませる気あるのですかね? 微妙に読む気が削がれるのですが……
何となく資料室を利用する冒険者が少ない理由が判る気がします。
せめてもう少し探し易く……閃きました。【サーチ】に【鑑定術】を混ぜた条件検索で探せませんかね?
゛検索対象・この部屋にある錬金術関係本゛【サーチ】!
魔力の波が部屋の中に満ち目的の本を探し始める。
思ったよりも、少し時間が掛かりますね。本の中を検索するのは無茶振りでしたかね?
書架全部を収納してリスト検索するのとどちらが早かったでしょうか、悩みどころです。
゛検索結果13件『幸せな気分になれるポーション作成』『俺の嫁、メイドゴーレム奮闘記』『初めての魔法道具作り』……゛
うん、タイトルからして危ない本が混じってます!
しかしゴーレムですか、錬金術で造れるんですね?
手持ちの錬金術スキルでは、ゴーレム作製みたいなものは無かったのですが……調べてみましょう。
゛検索対象・この部屋にあるゴーレム関係本゛【サーチ】!
"検索結果7件『ダンジョンに住まう魔物達』『ダンジョンに入ったらコレを食え。~魔物調理は男の料理~』『土魔法万能論』『古代魔法文明の衰退』『俺の嫁、メイドゴーレム奮闘記』『魔石の話』『鉱石アレコレ』……"
食べるの!? ねぇゴーレムを食べるの? ちょっと気になるんですが!
とりあえず検索にヒットした七冊を持ってきて読みます。
魔物達の本は普通に魔物として出てくるゴーレムの種類と対処法でした。
体を構成する材料で名前が変わり、強靭な力で殴りかかってくるようです。
弱点は体の何処かで剥き出しになっている魔石、コレを見つけて壊せばゴーレムも停止するみたいです。
しかし、魔石の買い取り額が高額なので何処で妥協するかが悩みどころみたいです。
土魔法の本はゴーレム型の壁を作ってそれを操る、らしいですが著者の魔力や集中力では壁から腕一本を生やし振り回すだけで力尽きたようです。コスパが悪いですね。
魔石の本には魔石の上位に魔法石があり、更に上位には魔導石という高魔力を持つ石が存在しゴーレムには最低でも魔法石、ものによっては魔導石が付いている、と書かれてました。
鉱石の本には稼動している石のゴーレムは普通の石より硬く壊れ難くなっている、魔力が伝達し続けると組成が変わり新種の鉱石に成るのでは?と締めてました。
古代魔法文明の本、数千年前は今では考えられないほど魔法に威力や応用性があり、ゴーレムを使役したりと民は重労働から解放されていた、だがある日を境に魔法の威力が落ちていき大魔法が使えなくなり……。著者は世界中の魔力が薄くなったと……
……もしかしてゴメン? 多分これ私のせいですよね?
この世界の魔法のバリエーションが乏しいのは私が吸ったからだったのですね?
時間の流れが違うとは聞いていましたが、あの時から今までで数千年経っていたのですか。
それにしてもそれほど混乱はないと言ってましたがかなりの影響があったのではないですかね?
俺の嫁……えー、読むの?コレ…
……運良く比較的無傷のゴーレムコアを手に入れた錬金術師の男性が、自分好みの女性型メイドゴーレムを作るお話しでした。ゴーレムコアに付与をして色々と学習させたが魔法石クラスのコアでは覚えられる事が少なく、人型メイドの制御が出来ず代わりに筒状の何かを造り上げたが、命令に不備があり何か大切なモノを潰され錬金術師は新しい世界に旅立って終わってます。
あまり錬金術スキルには関係無いかも知れません。
さて、少し期待している男の料理本……ふむふむ……ほほう……なるほど! ……え? 本当に?! ……いやいや、まさか……でも、ひょっとして……
ふう……ためになる本でした。……え? ゴーレムの食べ方?
この本は棚に戻しておくのでご自分でご確認下さい。
本から判った事を纏めると、人型じゃなくても良いが人の魔力では維持できないので、魔石より上位の魔法石を用意する、ゴーレム化すれば壊れ難い、ゴーレムのコアに付与で覚えさせるが魔法石では覚えられる事が少ない。ですかね?
そうなると魔法石や魔導石の入手やその石をゴーレムコアにする方法……辺りが問題に成りそうですが。
私は収納からゴブリンから取った☆2の魔石を2つ取り出し【合成】!
今まで感じた事が無かった何かが流れ出て行く感覚が身体を駆け巡り、両手に持った魔石が光り一つになっていきます。
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火魔石(☆4)
火属性の魔石、中型日用雑貨にも使われる。
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やはり合成で☆が上がりましたね。
あの流れ出て行く感覚はきっと魔力なのですね、☆1で人一人分ならこれだけで何十人分の魔力を使ったのでしょう?
もう一つ☆4を作り、その2つを持って今度は【融合】!
先ほどより更に激しい勢いで魔力が流れ出て行きました。
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火魔法石(☆4)
火属性の魔法石、高密度な魔力が貯まっている。
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何となくの予想が正解です、魔法石が誕生しました。
後は書き込みですが……ちょっとステラさんに聞いてみましょう。
「ステラさん、このギルドカードですが私の情報とかどうやって記録したのですか? 」
「んー、あぁそれは何百年も前からギルドで使われている、アーティファクトとも呼ばれる魔法の道具で書き込んでるのよ」
「この部屋のドアの鍵もアーティファクトですか? 」
「そっちは錬金術の付与と魔法道具の作製スキルね、それなりの手間はかかるけど今でも細々と造っているわ」
錬金術の付与と魔法道具スキル、ナルスお婆さんに教わったアレですね! それなら私も持ってますね。
「ん? アーティファクトと魔法道具は違うの? 」
「同じ意味ではあるけど、アーティファクトは今では造れない道具に使われる言葉ね、魔法道具は今でも作られている物にと使い分けているのよ」
ゴーレムの作製は魔法道具を作る感覚でどうにかなりそうですね。
後は実際に創ってみるだけで……そう言えば創っても使い道が思いつきません。
どんなのを創りましょうかねぇ……
此処まで読んで頂き、ありがとうございます。




