15.ゴーレムの使い道
本日三話目です。
ゴーレムの作り方はだいたい判ったけど、ゴーレムの使い道が判らない……が。
……とりあえず作ってから考えよう! 完成したゴーレムを眺めていれば用途も思いつくだろう! その結論に至りました。
とりあえず資金の調達からですね、材料を買うにはまずお金です。
魔石(☆3)を2つ出し【融合】して……
「ステラさん! コレ幾らになりますか? 」
先ほど融合して作った魔法石(☆3)を資料室の受付に居たステラさんに渡します。
「魔石ね? どれどれ? ……ヒッ! 」
片眼鏡を取り出したステラさんが魔法石を見てフリーズ。
「マホマホマホ……」
マホマホしてしまいました。
「もしもし~おーい~」
目の前で手を振っても反応ありませんね……
「し……失礼しました。まさかこんな物まで持っているとは思いませんで……」
数分後にやっとフリーズが解除されたステラさんがやたらと慌てて答えた。
「この品ですと、当ギルドでは金貨五十枚で買い取ります。オークションに出せば傷一つ無いこれだけの美品、もっと上がると思いますが……? 」
金貨五十! そこまで高値になるとは思いませんでした。
魔石(☆3)が銀貨一枚相当でそれを二つ融合させただけなのに…正にこれが錬金術ですね!
「五十枚で構いません、当座の資金に必要なので…」
「そうですか…この街は治安は良い方だけど、これだけの大金だと目が眩む人も出てくるから十分注意してね? 」
「はい、ありがとうございます」
そうか、防犯と言う手もあったかぁ……武器屋に行ってみるかな?
買い取りカウンターに積まれた五十枚の金貨を収納しながらちょっと気になった事を……
「ステラさん、あの片眼鏡は魔法道具の方ですか? 」
「そうよ、☆5までの物なら鑑定出来る魔法道具ね」
この手の道具を創るのも面白そうですね。
基本的なゴーレムは硬くて怪力、でもこんなにゴツい剣を持たせたゴーレムを連れ歩くのもなあ。
陳列している武器を見ながらブツブツ言う危ない美少女が此処に、お巡りさん私です。
それはともかく、別に人型じゃなくても良いのよね?
そう……ならコレとか……コレでも良いかな?
「おじさん、コレちょうだい! それとコッチを百本ね」
「あいよー、まいどありー」
お試しゴーレムの材料が揃いました、宿に戻って仕上げましょう!
モフモフとしたランチを堪能して自室にてゴーレム制作です。
魔石にゴーレムの情報を書き込むには多分付与なのでしょう……が!
本を読むに付与する情報に融通が効かず使い勝手が悪いそうなので、自分が理解りやすく細かく設定できる魔法を創ってしまいましょう。
前世では乙女の嗜みでパソコンはそれなりに使えましたのでそれを活かした魔法。
私は魔法石を両手で包みながらパソコンでの入力をイメージ……魔石の情報を編集し書き換えする、ゴーレム作成魔法【プログラミング】!
魔法石の情報が小窓になって浮かび見えます、成功しました。
一番上には名前、その下には属性、そして四行程のメモ帳みたいな行動記入欄。
☆4の魔法石だから四行なのでしょうか?
光の線で出来たキーボードが浮かびキーを叩くと四行の中にコードが書き込まれていきます
さっそく行動内容をアレしてコレしていきましょう
「シンタックスエラーなんて怖くない、セマンティクスエラーも何のその」
怪しげな鼻歌を歌いながら買ってきた武器に【魔法道具作製】のスキルで……完成です。
「ステラさん! 新しい武器を試したいので練習場を貸して下さい! 」
「ほう、お嬢ちゃん。武器買ったのか、俺にも見せてくれ! 」
酔っ払いまでやってきました、仕方ないので連れて行きます。
裏手の運動場で的を前に私達三人が立ち並ぶ。
「ミウちゃん、どんな武器を買ったの? 」
「ふふふ、コレです! 出でよ!弓子さん一号! 」
掲げた左手の中に私の身長程もある長弓が現れる。
弓本体もかなり分厚く、私の片手では掴みきれない程である。
中心にはゴーレムコアとなった魔法石が赤く光っています。
収納から取り出す時に格好良くやっただけで召喚機能なんて付いてませんけどね。
「さんざん期待させて弓かよ! しかもこんな剛弓はお嬢ちゃんには引けないだろ? 」
「大丈夫です、弓子さん一号は心優しいから引けます! 」
「心優しい剛弓って意味わかんね……」
私は矢を一本取り出し弓にあてがい弦を一気に引く!
「ミウちゃん凄い! 見かけによらず力持ち? 」
「ほう? 」
狙いを定めて…発射!
ドゴン! とかバゴン! とかそんな音がした瞬間、私の身体は後方に吹き飛ばされた。
「凄い……粉々ね……」
「あんな威力で撃ち出されたらなぁ……」
私の撃ち出した木の矢は目標を大きく其れ、的の後ろにある石の外壁に当たり爆散しました。
「おーい、お嬢ちゃん生きてっか? 」
作用と反作用、弦が引かれているのか? 弓が押し出されているのか?
使用者が弦を引く時に軽く引けるよう弓本体を歪めてサポートし、矢を離した瞬間、力一杯に弓本体と弦を元の位置に戻し、矢を真っ直ぐ撃ち出す。
ただソレだけの命令しか入力してない『弓型ゴーレム、弓子さん一号』はそのゴーレムパワーを最大限に発揮し、持ち手の私の両脚にその反動を全て預けた。
結果、反動に耐えきれなかった私は矢を撃ち出した反動で吹き飛ばされる事となった。
「と言う感じですかね、弓の本体が重いなら大丈夫と発想は良かったのですが、思った以上のパワーに身体がついていけませんでした」
「ミウちゃんの身体じゃあのサイズは無理よお? もっと小さいのから始めましょう? 」
「それにしても、お嬢ちゃん良くこんなの引けたな……え? 弦が凄く軽い!? 」
ギジーさんが弦を引くとフニャフニャと弦が弛んでいきます。
「あら? 本当? 何で……え? まさかこれアーティファクトなの? 」
「いえ、弓型ゴーレムの弓子さん一号です」
「「え!? 」」
「そんな訳で資料室の本を読んでいたら、作り方がなんとなく判ったので作りました」
「いや、ミウちゃん。普通はそんなの作れないからね? 」
作った経緯を説明したら、何故かステラさんが私以上にグッタリしています。
「ワハハ、これ面白れー、あの太い丸太を貫通するぞ! ワハハ」
酔っ払いが何処からか鉄で作られた矢を持ってきて弓子さん一号でバシュバシュ射て遊んでます。
反動を上手く逃がして、的に全弾命中させているのが酔っ払いらしくなく凄いです。
「弓としての使い勝手はいかがですか? 」
「おう、これな。ちっと癖があるけど威力は最上級だな、コレなら岩亀の甲羅すら貫きそうだ」
岩亀と言うのが何かは判りませんが弓としての失敗作ではなさそうです。
「なぁ、お嬢ちゃん。この弓つかわないなら売ってくれよ! 」
「差し上げる事に吝かではありませんが、売るとなると金額をどうしましょ? 」
「んー、普通なら材料費と手間賃と? 」
そうなんですよね、でもコレ……
「魔法石☆4クラスのゴーレムコアを使ってますが良いですか? 」
場が一瞬で静寂になった……
「……マホ4……マホ4……マホ……」
「魔法石! ぐっ……そうだよな……これゴーレムとか言っていたんだよな……」
ステラさんがまたマホマホと壊れ、酔っ払いが物凄く悩んでます。
「転売や譲渡をしないなら弓の代金と手間賃として金貨一枚ほどで構いませんよ? 」
「魔法石☆4ですら金貨百枚は下らないのに、そのクラスのゴーレムコアで材料費金貨一枚とかねえだろ! 」
「……いや、まだ何個も持ってますから。原価的には弓と矢しか掛かってませんし……」
「お嬢ちゃん、何処の貴族どころか、何処の王族だよ…」
「あら? お姫様に見えますか? 」
シナを作りながらニッコリと微笑み……
「いや、全然! 」
速攻で否定されました、少し悲しいです。
此処まで読んで頂き、ありがとうございます。




