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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第38話 奏、手本を見せる

茂みの奥から、全長三メートルを超える大蛇が現れた。

紫と緑のまだら模様をした、見るからに毒々しい蛇だった。


奏はその姿を確認して呟く。


「デッドリーサーペント……。

 忘れてた、エリアボスやん」


ROLでは、プレイヤーのレベルが上がると

弱いモンスターはプレイヤーを避けるようになり、

エンカウント率が下がっていく仕組みになっている。


ただし、例外がいる。それが“エリアボス”と呼ばれる存在だ。


彼らは自分たちこそがこの一帯で最強だと本気で思っていて、

それより強い存在がいるなんて想像もしない。

だからプレイヤーがどれだけ強くても、平気で近づいてくる。


ただし、遭遇する確率は低い。


「そういえば、サウスコリナの南にも“エリアボス”で

 ビッグボアがおったはずやけど、

 全然出てこーへんから忘れてたわ」


デッドリーサーペントが奏とノエルの前でとぐろを巻き、

捕食者の余裕を浮かべた目で、餌となる二人を見比べた。


ノエルは初めて、自分より圧倒的に強い存在に

“獲物として捕捉されている”事実を突きつけられ、足が震えていた。

それでも、何とか声を絞り出す。


「お、お師匠様……」


奏はそんなノエルを自分の背後に隠した。


「まだデッドリーサーペントはノエル君には早いからね。

 後ろに下がって、見といてな。

 とは言っても……気持ち悪いなぁ……」


奏の方が強いとはいえ、

ヌメヌメした表面、まだら模様の皮膚、毒の牙――

デッドリーサーペントは生理的な嫌悪感を拭えない相手だった。


(さて、どうしよかな……うん、決めた)


奏はデッドリーサーペントの前に立ちはだかり、

左手に剣、右手に逆手で小太刀を握った。

そしてノエルに話しかける。


「ノエル君、さっきジャイアント・ビーを倒そうとした時、

 飛燕を閃いたやん?」


奏の質問の意図はわからなかったが、ノエルは返事をした。


「は、はい。

 どうにかしたいと思ったら、身体が勝手に動きました」


「うん、そうやんな。

 それで何で閃いたかっていうと――

 それはノエル君の身体や技量に、

 既に“飛燕を編み出せる下地”が出来てたってことやねん」


「下地……ですか?」


「うん、土台って言ってもええねんけど。

 要するに、仮に凄い技を知ってたり想像できても、

 身体や技量が伴ってなければ自分で再現することはできひんってこと」


奏の言いたいことが、ノエルにも何となく理解できた。


「わかりました。

 つまり、お師匠様の凄い技を見ても、

 今の僕だと真似できないってことですね」


奏はデッドリーサーペントに相対したまま頷く。


「そういうこと。

 そんで、これからノエル君には、

 将来の目標になりそうな技を見せとくわ。

 前の二連斬からの居合斬りより難しいから、

 当分先になると思うんやけど」


そう言うと奏はデッドリーサーペントに向かって、

速タイプの剣士と忍者のジョブLvが一定以上で習得可能な

高難易度のスキルを放った。


「不知火・八閃」


奏が呟いた瞬間、剣と小太刀が真紅の焔を纏う。


まず左手の剣を斜めに斬り下ろし、

続けて逆手の小太刀が水平にデッドリーサーペントの身体を斬り裂く。

そのまま左手の剣で斬り上げ、小太刀を突き刺す。

半歩下がりながら左手の剣を水平に振り抜き、

次に両手で交差させて斬り開く。


最後に、小太刀を空高く真上へ放り投げ、

両手で剣を持ち力強く唐竹割りでデッドリーサーペントを

縦に真っ二つにした。


そして素早く剣を鞘に納め、

落ちてきた小太刀の柄を右手で掴む。


後に残ったのは、何もできず無残に両断された

デッドリーサーペントの亡骸だけだった。


ノエルの目が輝いていた。

奏の八連続攻撃に、興奮が抑えきれない。


「お師匠様……!

 今の……凄かったです。

 速くて、格好良くて……!

 あんなに恐ろしいモンスターを一瞬で倒しちゃうなんて!」


「あはは、ノエル君もいつか出来るようになるから。

 がんばって、目指してな」


「はい、お師匠様!」


デッドリーサーペントを倒すだけなら、

普通に二〜三回斬り付けるだけで充分だ。

上級者スキルまで使ったのは完全にオーバーキルである。


だから――

「少しノエルに格好良いところを見せてみようかな」

という気持ちで実演したのもあって、

奏は少し気恥ずかしかった。


「それじゃ、今度こそ帰ろっか」


「はい、お師匠様。」


こうして、西の森で初めての鍛錬が終わった

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


【過去作・他連載のお知らせ】


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