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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第33話 奏、襲撃に怒る

奏は震えるコリーを抱きしめ、そっと頭を撫でた。


「ありがとう、コリー。

 大丈夫やから、心配せんでええんよ」


コリーは驚き、まばたきを繰り返す。


「カナデ様……?」


「うちが今から何とかするから。

 コリーはここで待っててな。

 出てきたらあかんよ?」


そう言って奏はローブを深く被り直し、箱馬車から降りた。


馬車内に残されたコリーは、気付けば身体の震えが止まっていた。

早くなる心臓の鼓動を確かめるように、両手を胸に当てる。

奏に抱きしめられた安心感と、優しく発せられた声に、胸の高鳴りが抑えられなかった。


(さて、どうしたもんかな……。

 優しくしてあげる必要はないんやけど)


奏はローブの下で拳を固く握った。

イワルとダキテが騙していたこと。

助けようとしたゴンズの良心を逆手に取り、不意打ちで刺したこと。

箱馬車に矢を放ち、コリーを怯えさせたこと。

そして――目立たないように猫を被っていた奏の努力を台無しにしたこと。


そう、奏は怒っていたのだ。


箱馬車から降りた奏が歩み寄ると、

イワルや破落戸どもの視線が一斉に奏へ向けられた。


(不快な視線やわ……)


その視線に気付いたデリクが声を荒げる。


「おい、お嬢ちゃん! 何で出てきた。

 大人しく馬車の中に入っていやがれ!

 まさか、あれを使うつもりか……?」


デリクの脳裏には、奏が見せた睡眠玉のことがよぎった。

確かにあれを使えば何人かは眠るかもしれないが、

八の字に散開している破落戸どもでは取りこぼす可能性があり

もしデリク自身が眠ってしまえば、状況は最悪になる。


「お嬢ちゃん、それなら止めとけ。

 ここは俺に任せて引っ込んでな」


奏はデリクの少し後ろに位置取り、静かに話しかける。


「それはゴンズさんを見捨てるということですよね。」


デリクが吐き捨てるように言う。


「護衛任務中に護衛以外を守ろうとして勝手に動いたゴンズの落ち度だ。

 自業自得だ。お嬢ちゃんが気にすることじゃない」


その言葉を聞き、ゴンズが反応する。

脇腹からは大量の血が流れ、血だまりを作っていた。

顔色は青く、身体は地に伏している。


「その通りです、デリクさん……。

 俺のことは気にせず……やっちゃってください。

 最期までヘマしてすみませんでした……」


破落戸の一人が下卑た声を上げる。


「お嬢ちゃんとこいつを人質として交換してもいいんだぜ!

 今交換してポーションでも使ってやれば、まだ助かるかもなぁ……!」


奏はその言葉に耳を貸さず、右手を前にかざした。

その様子を見た破落戸どもから野次が飛ぶ。


「何だ、何かの真似事か?」


(多分、範囲系の魔法とか道具は、

 ちゃんとターゲットを指定せんかったら、

 敵味方関係なく効果の対象になりそうやねんな……)


視界に収まる敵だけを照準に合わせるようにイメージする。


(何を使うか迷ったけど、“あれ”でええやろ)


奏はそう心の中で決めると、ある魔術を行使した。


――その瞬間


「な、何だ、これは?!」


「やめろ……やめてくれ……止めてくれ!」


イワルやダキテから悲鳴が上がった。

続いて破落戸どもも涙を流し始める。


◇


イワルは最初、手足が急に重たくなったと感じた。

だが重くなったのではない。

指先と足先から、とてつもない勢いで石化が進んでいた。


動かなくなった指から剣が落ち、数秒で首まで石に呑まれた。

首から上だけが動かせる状態で涙や鼻水を流しながら必死で懇願した。


「助けてくれ、止めてくれ!

 死にたくない! 私が悪かった!」


だが石化の進行は止まらない。


「お願いしま──」


やがて声も出せなくなり、全身が石化すると、

イワルやダキテ、破落戸どもの声は完全に途絶えた。


その場に響いたのは、

デリクが唾を飲み込む音だけだった。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


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