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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第32話 奏、襲撃に遭遇する

帰りの馬車の中で、奏はコリーから質問責めにあっていた。


「カナデ様は、どちらで錬金術をお修めになったのでしょう?」


ゲームで育成したからとは言えない奏は、言い淀む。


「えっと……調合と同じで、故郷で学びました」


誰からどうやって、までは説明できない。

とはいえ、奏が答えを濁すと、コリーはそれ以上追及せず、すぐに話題を変えた。


「山小屋が建った後、カナデ様はどのようにサウスコリナへ訪れる予定でしょうか?

 必要であれば、薬屋ギルドで護衛を手配いたしますが……」


「あぁっ……そうですね。どうしましょうか……」


空間術師のワープポータルで一瞬で移動できる。

それも説明できない奏は、酷く疲れ始めていた。


(自分の出来る事を隠して何かをするって、凄く大変なんやなぁ……

 いっそのこと、洗いざらい言いたくなってきたわ……)


「わかりました。山小屋が出来てから追々相談いたしましょう。

 このコリーにお任せください」


(コリーさんは、うちが濁すとすぐに引いてくれて、

 何か隠している事に気付いてるやろうけど、

 その事に一切、不満や怪しむ素振りを見せずに、

 親切に優しく接してくれるんがありがたい)


コリー自身は生来好奇心旺盛な性格だが、

メイドとして培った経験と薬屋ギルド職員としての立場から、

最重要人物となる奏を不快にさせない距離感を保つのは当然のことだった。

奏はまだその辺りの機微が分からなかった。


いつしか話題は当たり障りのないものへと変わっていった。


「カナデ様、サウスコリナでのご滞在はどうでしたか?」


「そうですね……自然に囲まれたサウスコリナの土の匂いや、

 川のせせらぎなど、のどかな雰囲気は好きですね」


「確かに落ち着きますね。王都で暮らしていた人たちの中には、

 引退後に地方へ引っ越す方もいるようですし、

 そういった理由もあるかもしれませんね」


他愛のない会話をしていると、突然馬車が止まった。

またイワル隊だろうかと、コリーが小窓を開けると、外の様子が聞こえてきた。


デリク、ゴンズ、メンダが馬車から降りると、

人相の悪い破落戸どもが八の字になって道を塞いでいた。

人数は10名ほどだろう。

それに相対するように、イワルとテキダが剣を構えて対峙している。


「イワルの旦那、この状況は何だ?」


「おお、デリク殿! 良い所に来てくれた。

 すまんが助勢を頼めぬだろうか?

 街道を見回っていたら、旅人を襲っているこやつらと遭遇したのだよ」


「……旅人はどうした?」


「無論、逃がしたとも。

 だが敵方に加勢があってな。

 情けないが、動くに動けずこの状況だ」


「なるほどな……さて、どうするかな」


デリクが状況を判断しようとしていると、ゴンズがイワルの元へ駆け付ける。


「わかりました、加勢します!」


「おおっ、助かるぞ若いの!」


そう言ってゴンズが破落戸の方へ向き、剣を構えた時だった。


「あぐっ……!」


突然の激痛にゴンズが剣を離し、脇腹を抑えた。

見ると、脇腹に短剣が深々と刺さっていた。


「一体、何が……」


ゴンズが言い終わる前に、イワルの剣がゴンズの首筋に当てられる。


「本当はデリクを人質に取りたかったのだがな。

 さて、デリクよ。剣を置いて投降してもらおうか?

 でなければ、こやつの命はないぞ」


「この卑怯者……グルだったのかよ!」


メンダが激昂して飛び出しそうになるのを、デリクが制止した。


「動くんじゃねぇよ!

 ちっ……ゴンズの阿呆が判断する前に近づきやがって」


デリクは剣を構え、イワルを嘲る。


「護衛任務中の冒険者が、護衛対象ならともかく、

 冒険者を人質に取られて投降するとでも思ってんのか?

 おめでたい頭してやがるな。

 お前らくらい、俺一人で十分なんだぜ?」


イワルはその言葉を聞き、ゴンズの首筋に赤い線を引いた。


「脅しだと思っているのか?」


さらにイワルの目配せで破落戸どもが、

奏とコリーが乗る箱馬車へ矢を放つと

その衝撃が箱馬車の中に伝わった。


(多分、うちが自分のことだけを考えるんやったら、

 このまま静観するんが正しいんやろな……。

 デリクさん一人で破落戸は倒せるやろうし、

 その代わり、ゴンズさんが命を失う事になるけど……)


奏がそんな事を考えていると、

コリーが震える肩を必死に抑えながら奏の方を向き、微笑んだ。


「カナデ様。大丈夫です。

 カナデ様のことは、このコリーが命を懸けてお守りいたします。

 ですから、何も心配する事はございません」


そのコリーの言葉で、奏の覚悟が少しだけ決まった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


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