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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第31話 奏、後始末をする

それから約30分ほど経過した頃、一番耐性が強いクリスが目を覚ました。


「……うん、いかん。眠ってしまった」


クリスが起き上がると、そこにはまだ眠り続けるデリク、コリー、ドノヴァン、

そして立ったまま微動だにしない奏の姿があった。


「すみません……こんな事になってしまって」


奏の謝罪を聞き、まだ眠気の残る頭をはっきりさせるために、

クリスは激しく首を振った。


「いや……試して見せて欲しいと言ったのは私だ。

 しかし……凄い効果だった。まさか私まで眠ってしまうとは……」


クリスは眠っているデリクを雑に起こした。


「デリク、起きろ」


「うっ……あぁん?」


しばらくデリクは寝ぼけて要領を得ないことを呟いていたが、

やがて意識が覚醒し始める。


「あぁ、クリスの旦那……そうか、俺は寝てたのか。

 煙が出てきたと思ったところまでしか覚えてねぇな……」


奏がデリクに近づき、頭を下げる。


「すみませんでした」


デリクは座ったまま頭を押さえた。


「いや……何ていうか、凄い効果だった。

 まだ眠くて……できればまだ横になりてえ」


そう言いながらも渋々立ち上がる。


それからしばらくして、コリーとドノヴァンも目を覚ました。

意識を取り戻したコリーは目を輝かせ、奏に駆け寄る。


「カナデ様……素晴らしいです!

 錬金術を修めていることはメイスンさんから聞いていましたが、

 これほどの道具をお作りになられるとは……」


「いえいえ、そんな大したものではないですよ」


(ゲームやとボスには効かへんし、

 そもそも眠らせても攻撃したら起きるし、

 通常バトルで思わぬ苦戦して危なくなった時くらいしか

 使い道のないアイテムやったんやけど)


奏がそんなことを考えていると、クリスが咳ばらいをした。


「こほんっ。とにかく、これほどの効果ならお嬢さんが

 スタッグやボア程度に万が一襲われても、身を守ることに

 問題はなさそうだ……しかし、一つだけ疑問があるのだが」


クリスは奏へ視線を向ける。


「この効果を、お嬢さん自身は平気なのかね?

 よく考えてみれば、先程も眠っていなかったようだ」


奏は、LVによるステータスでほとんどの身体異常系バッドステータスを

耐性で無効化できる。

だが、そんなことを知られたくない奏は嘘をつく。


「今はめている指輪は、睡眠無効の効果があるのです。

 これも私が錬金術で作りました」


この指輪の存在と効果自体は嘘ではないが、

奏にとっては“あってもなくても良い物”である。


「なるほど、そんな物が作れるとは……。

 いやはや、本当に凄いお嬢さんだ。

 さて、そうであれば今日はそろそろ引き返すとしよう。

 ドノヴァンも下見はもういいな?」


沈黙を保っていたドノヴァンが返事をする。


「あぁ、場所もわかったし問題ない。

 この辺に広めの山小屋を建てるくらいなら、

 そんなに時間はかからんはずだ」


奏がドノヴァンに確認する。


「どれくらい、かかりますか?」


「そうだな……。

 戻ったら大工ギルドから何人かがサウスコリナに滞在して開始するとして、

 一か月くらいだな」


「一か月ですね。わかりました。ありがとうございます」


(ひと月やったら、ノエル君との待ち合わせ場所を変えんとあかんね。

 そろそろスタッグやボアも一人で倒せるし、

 サウスコリナを北上して、もうちょっと強いモンスターを相手に

 鍛錬するんもええかなぁ)


それから、奏たちは村に戻り一泊した。


◇ 翌朝


「ムコン村長、お世話になりました。

 山小屋が建てば、たまに来て薬草を採取しようと考えていますので、

 その時はよろしくお願いします」


「あぁ、いつでも気軽に来て下され」


「クリスさんもありがとうございました」


「何、私は何もしていないよ。

 デリク、帰りも油断せずにお嬢さん方の護衛をしっかりとな」


「あいよ。こいつらがヘマでもしなけりゃ問題ねぇよ」


そう言ってデリクはゴンズとメンダの頭を軽く叩いた。


「痛っ、何で叩くんですか!」


「もう……ひどいなぁ……」


「油断してるのが悪いんだよ。

 俺とクリスの旦那が居るからって気を抜くんじゃねぇよ」


デリクなりの後輩の鍛え方なのだろう。

それがわかっているからか、二人も反論はしなかった。


やがて奏とコリーが箱馬車に乗り込み、

ムコン村長とクリスに見送られると、

サウスコリナからセントラルコリナへ帰路の旅に出発した。


どうにか旅の目的が無事に果たせたことに、奏は安堵していた。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


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