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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第30話 奏、盛大にやらかす

山小屋建設予定地――つまりノエルを鍛錬する時の

待ち合わせ場所に着いた奏たちだったが、ここで一つ問題が発生した。

そのことに気付いたクリスが口を開く。


「スタッグやボアたちの姿を見かけませんな」


クリスほどの強さでも、スタッグやボアは近づきにくくなる。

まして今は奏がいるのだから、寄ってくるはずもない。

村を出てからここまでの間、一度も姿を見せなかった。


(そら、そうやんな。ノエル君の鍛錬の時かて、スキル《呼び笛》で

 無理やり近くのモンスターを呼び寄せてるんやし)


奏の錬金術でモンスターから身を守れるかを検証しに来たが、この状況では何も起こらない。

業を煮やしたデリクが口に手を当て、気怠そうに話す。


「クリスの旦那よ、もういいんじゃねえかね。

 旦那の言葉を疑うわけじゃねーが、この様子だと問題なさそうだ。

 旦那が見たのは、もしかしたら繁殖期か、気性の荒い特殊個体だったってこともありえるだろ?」


コリーとドノヴァンは黙っていた。

職業柄、戦闘を生業にしていないため、その道のプロの意見に口を挟むつもりはなかった。


クリスは腕を組み、片手で顎を撫でる。


「ふむ……いや、最近暴れているのは事実なんだが。

 とはいえ、このままでは拉致があかぬな」


クリスは奏の方へ向き直る。


「お嬢さん。モンスターに襲われた時のために備えていた手段を見せていただけるかな?

 それを見て判断するとしよう」


「あっ……はい、わかりました」


奏はアイテムバッグから睡眠玉を取り出した。


「お嬢さん、これは……?」


「睡眠玉といって、煙が届く範囲の敵を一定時間眠らせることができます」


睡眠効果のある薬草と煙玉を錬金術スキルで組み合わせて作る道具で、グレードによって成功率と睡眠の持続時間が変わる。


「ほう……そんなものが。

 ふむ……よし。デリクに使ってみてもらっていいかな?」


クリスの言葉に、デリクが即座に反論する。


「はぁ? 勘弁してくれよ。

 クリスの旦那、そんな得体の知れない物を身に受けるとかたまったもんじゃねーぞ!」


「だからこそだ。もう一人のお嬢さんと大工職人に何かあってはいかんだろう?

 それに、お前が耐えられないようなら、スタッグやボアには間違いなく効果があるだろうしな」


「いや、俺はお嬢さんたちの護衛任務中なんだぜ?」


「もし眠ったら、起きるまでの護衛は私が代わりに務めてやる」


クリスの言葉に、デリクは観念した。


「はぁ……しょうがねぇなぁ。

 お嬢さん、それは本当に眠るだけなんだろうな?」


奏はローブを被ったまま首肯する。


「はい……しかし、良いのですか?」


「良くはないんだが、俺もその石コロくらいの大きさの道具がどの程度のもんか気にならないと言えば嘘になるしな……。

 よし、やってくれ。クリスの旦那とドノヴァンの旦那、それとお嬢ちゃんは離れていてくれよ」


「わかりました……では使います」


奏は睡眠煙玉の導火線にマッチで火を点け、デリクの足元へ転がした。


「何だ……何も起きねえぞ……?」


デリクがそう呟いた瞬間、煙玉から猛烈な勢いで煙が上がり始めた。

それを見た奏の感想は落ち着いていた。


(うわぁ、花火で使った煙玉そのものって感じやな。あれより勢いも量も凄いけど)


そう思った瞬間、デリクが力なく倒れる音がした。


「ぐがーー……ぐごー」


クリスがそれを見て呟く。


「信じられん……何という効果だ」


その時、突風が吹き、風向きが変わった。

クリスが鼻から煙を吸い込む。


デリクよりLVが高いクリスは耐えていたが、それも束の間だった。


「これは……耐えられん……」


そう言うと、剣を立て片膝をついたまま眠ってしまった。


(あれ、クリスさんはシュレンの父親でイベントバトルがあるから、

 ボス属性でステータス異常は耐性あると思ってたけど……そうでもないんや。って、やば!)


奏が気付いてドノヴァンとコリーの方を見ると、ドノヴァンは既に眠っており、一番離れていたコリーも今まさに意識を失うところだった。

奏は一瞬でコリーの背後に回り、頭を打たないようそっと寝かせた。


奏は慌てて睡眠煙玉を足で踏み潰し、これ以上煙が拡散しないようにしたが、時すでに遅し。

気付けば奏以外の全員が眠りにつくという事態になっていた。


(どないしよ……まさかこんな事になるなんて)


奏は今すぐ逃げ出したい気持ちを抑え、その場に立ちすくむしかできなかった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


【過去作・他連載のお知らせ】


▼異世界転移・元おじさんの善行旅(完結済)


『お人好し主任の異世界善行旅 〜神様から授かったチート能力で、 魔界・人界・天界のあらゆる種族と目の前で困っている者すべてを救い尽くします』

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