↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/41

第28話 それぞれの役割

コリーは、メイスンから奏について

あまり詮索しないようにと注意されていた。

そのため、自然と会話の中心は

コリー自身の話へと移っていった。


「わたくしは小さい頃から好奇心が強くて、

 よく両親を困らせていました。

 親によく“何で!どうして?!”と聞いていたそうです」


「あはは、そうなのですね。

 私はどうだったかな……自分では大人しい子だったと思います。

 昔からゲー……室内で遊ぶ、遊戯ばかりしていました」


(まただ。カナデ様は時折、会話の中で何かを言い直している。

 まるで、大人が幼い子供に通じない言葉を

 わかりやすく言い換えるみたいに。

 そしてその時はいつも、言い淀んで

 気まずそうなお顔をされるのですよね)


「そうなのですか!

 カナデ様はポーションSを調合できるほど鬼才に溢れた方ですので、

 てっきり幼少のころから常人には真似できないほど

 調合に明け暮れた日々を送っておられたのかと思っておりました。


 ですが、わたくしと同じように過ごしていたのですね。

 安心しましたが……であれば、やはり才能の差なのでしょうね」

「才能の差、なんてないですよ。

 それに努力も……」


奏はROLのゲームをカンストまでプレイした。

確かに、あの膨大な時間は“努力”と言えるのかもしれない。


だが――所詮ゲームとして遊んだだけなのだ。


この世界の住人たちが、血を流し、汗を流し、

人生をかけてようやく辿り着ける境地。


その場所に、自分は“遊んだだけ”で立っている。


奏はその事実に、どうしようもないバツの悪さを感じていた。

「コリー、私は……」


奏が何か言いかけたその時、馬車が止まった。


コリーは外から中が見えないよう細心の注意を払いながら、

様子が聞こえるように小窓をほんの少しだけ開けた。


奏が小声で尋ねる。


「何かあったのでしょうか」


「わかりませんが、デリクが対応するでしょうから

 わたくしたちはここで待っていましょう。

 今は二日目ですし、丁度この辺りは

 セントラルコリナとサウスコリナの間くらいでございますね」


コリーの予想通り、外からデリクと知らない男二人の声が聞こえてきた。


「あいや、待たれよ!

 我らは王都セントラルコリナ所属の街道見回り兵、

 イワルとダキテと申すものだ。


 最近ここらに賊が現れたり、森の動物が暴れたりしていると聞いて

 巡回しておった。

 お主たちの身分について説明を求む!」


デリクがあくびを噛み殺しながら幌馬車から姿を見せ、

面倒くさそうに頭をかきながら答える。


「俺達は冒険者ギルドの護衛だ。

 薬屋ギルドの依頼で送り届けているところだ。

 これが依頼書だ」


そう言って、雑にイワルへ依頼書を渡した。


「ふむ……なるほど、偽物ではなさそうだ」


デリクが眉間に深い皺を寄せ、イワルを軽く睨む。


「俺はセントラルコリナで結構長く冒険者をやっていてな……

 王都の兵や所属にも詳しいつもりなんだが、

 街道見回りでイワル隊なんて聞いた覚えがないんだが……?」


場に緊迫感が走る。

若い男ダキテが勢いよく前に出た。


「何だと、貴様!」


だがイワルが片手で制した。


「まあ、待て。

 ふふっ、儂のような田舎の地方を見回る、

 名前の通りが悪い部隊など知らんだろうさ。


 だが、儂はお主を知っておるよ。

 泣く子も逃げ出すの異名を持ったデリクよ」


デリクの口元が緩む。


「謙遜すんなよ。

 こういう滅多に人が通らないところの治安や秩序が守られてるのは

 あんたらみたいなのが居てこそだ。

 疑って悪かったな」


「ふっ、気にしておらんよ。

 それで、馬車の中を改めさせてもらってもよいかな?」


デリクは懐からリルの詰まった小袋を取り出し、

イワルの手に握らせた。


「こっちの幌馬車は構わんが……

 あちらの箱馬車は勘弁してくれ。

 俺と違って大人しい若いご婦人が、

 今も何事かと怯えて震えているんだ」


「そうか。護衛対象を気疲れさせては、

 お主の評価に響くか。

 よかろう、そちらの幌馬車だけ検分させてもらう」


「感謝するぜ、兄弟」


イワルとダキテが荷を確認し終えると、

再び馬車は動き出した。


コリーは小窓を閉め、ほっと息をついて話し始めた。


「王都に所属する部隊の見回りだったみたいですね」


「そう……ですね……そんな事もあるんですね」


「まあ、たまに“荷を見せろ”はございますね。

 大抵は、速やかに通してほしかったら……という意味ですが」


「なるほど、それで渡さなかったら

 時間をかけて検分されるんですね」


「はい。とはいえ、実際に賊が隠れていたりすることもあるため、

 検分が真っ当なお役目でもあるのも事実。


 なので、命がけの彼らにとっては

 公務のうちの“役得”くらいの認識でございます。」


「なるほど、よくわかりました」


その後は特に問題も起こらず、

馬車は順調にサウスコリナへ到着した。


王都からの珍しい馬車に、村人たちが次々と集まり始める。

ざわめきが広がり、子どもたちが興味津々で覗き込む。


その中に――ノエルの姿もあった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


【過去作・他連載のお知らせ】


▼異世界転移・元おじさんの善行旅(完結済)


『お人好し主任の異世界善行旅 〜神様から授かったチート能力で、 魔界・人界・天界のあらゆる種族と目の前で困っている者すべてを救い尽くします』

https://ncode.syosetu.com/n5811mi/


▼異世界転生・内政群像劇(完結済)


『中華風異世界で目覚めたら、自作一族の少年だった』

https://ncode.syosetu.com/n9512ma/


▼TS・勘違い・無双コメディ(完結済)


『[TS]人類が中世レベルまで衰退した未来。伝説の殺戮ロボに転生した俺は、最強のハッキング能力とエルフメイドの体で、理想の美少年を合法的に(?)育成します。』

https://ncode.syosetu.com/n2867mf/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。