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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第22話 奏、猫を被る(前)

僕は今日、何匹目かのボアに剣を振り下ろして

止めを刺しながら、お師匠様の言葉に反応した。


「えっ! 明日からしばらく来れなくなるんですか?!」


見上げると、お師匠様は腕を組みながら、うなだれていた。


「そうやねん。ちょっと面倒なことになってしもたんよ」


◇ 昨日


会食をしてから数日後。

奏はメイスンに呼ばれ、薬屋ギルドで話をしていた。


「カナデさん、国の許可が下りました。

 サウスコリナの山に小屋を建てられますよ」


「本当ですか? ありがとうございます!」


「ただ、サウスコリナの村長への挨拶と……

 カナデさんが山小屋を建てたい場所の確認が必要ですね。

 ですので大工職人にご同行願えますか?


 王都からだと馬車で三日かかりますので、

 護衛も付ける必要がありますね」


メイスンがふと首を傾げた。


「そういえば、カナデさんはいつサウスコリナについて知ったのでしょう?

 ご出身ではないのですよね?

 ……いつ薬草を採取しに行ったのですか?」


奏の瞳孔が開き、まばたきの回数が増える。


(まずっ……ポータルで一瞬でワープしてるんはバレたないし。

 何て誤魔化せばええやろ……)


「えっと、王都に来る前に“良い薬草が取れる”と聞いて

 立ち寄りました。その時は親切な人が案内してくれて……」


メイスンの目が光り、奏の顔を覗き込むように視線を合わせてくる。


「見知らぬ人と、三日かかる南方へ

 薬草を採取しに……ですか。

 それで、その方たちのお名前は?

 どちらの方でしょう、冒険者ギルドですかね」


「えっと、すみません……緊張していたので覚えていません」


「カナデさんが三日お世話になって“覚えていらっしゃらない”……ですか」


(ふむ……何か隠していますね。

 まぁ……良いでしょう。ここで詮索することは

 薬屋ギルドにとって何の利益もない)


「まぁ、そんなこともありますか。

 というわけなので、急ですみませんが明後日に

 建築ギルドの前で待ち合わせするように。


 大工と護衛を手配しておきますから、

 ご一緒願えますかな?」


「わかりました。お手数おかけします。

 ありがとうございます」


◇


「というわけで、明日から三日、いや……

 往復も合わせたら一週間程度来れなくなるんよ」


僕は疑問をそのまま口にした。


「お師匠様なら一瞬で行き来できるのに、

 何故そうなさらないのですか?」


お師匠様は腕を組んで空を見上げ、唸る。


「うーん……何ていうか、

 あまり“うちが出来ること”を人に知られとうないねん。

 特に今回は大工に、護衛に……

 確か村長に挨拶するために薬屋ギルドの人も来るっぽいし。

 目立ちたくないんよ」


僕にはよくわからなかったけど、

お師匠様がそう言うのなら正しいのだと思って頷いた。


「わかりました!」


僕の頭に、お師匠様がそっと手を乗せる。


「堪忍な。だからしばらくは村の中で素振りとか、

 友達と遊んでてな。

 ひとりでこの辺来たらあかんからね?

 いくらスタッグやボアを一人で倒せるようになったいうても、

 まだまだ危ないから」


「はい、わかりました。

 そういえばお師匠様。

 先日、シュレンが剣を叩きつけるようなスキルを使っていたのですが、

 ご存知でしょうか?」


「あ〜多分、力タイプの“剣強打(ソードバッシュ)”やね。

 剣と言っても峰で打撃を与えるんやけど、

 頭に当たるとスタン(気絶)させたりできるから、

 後衛を狙った魔物の引き剥がしとかに便利なんよ」


僕はシュレンが使っていたスキルの力強さを思い出して聞いた。


「僕の二連斬とどっちが強いでしょうか?」


「あははっ、気になるところが男の子やねぇ。

 うーん、一長一短やね。

 単発の威力なら剣強打やけど……

 見ててな?」


お師匠様はそう言うと、大木の前に立った。


「二連斬!」


斬り下ろしで大木が斜めに裂け、

続く斬り上げで大木が真上に浮かんだ。


その瞬間――


お師匠様は剣を一瞬で鞘に収め、


「居合切り!」


目に見えない速さで、空中に浮かんだ大木を真っ二つにした。


「凄い……凄いです! お師匠様!」


「あはは、上手くいってよかったわ。

 エアリアル……じゃ伝わらんかな。

 空中連続攻撃言うて、速タイプの技は繋げることができるんよ。

 まだノエル君には難しいけど」


「僕も今のが出来るようになるんですか……?」


「うん。頑張って鍛え続けたらきっと……

 いや、絶対出来るようになるから」


「……頑張ります!」


お師匠様の凄い技と、まだまだ遠いその背中に、僕は興奮を抑えきれなかった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


【過去作・他連載のお知らせ】


▼異世界転移・元おじさんの善行旅(完結済)


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