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7歳で死ぬはずだった俺は、ゲーム知識を持つ師匠に救われて最強になる〜なお、師匠は俺が幼馴染を好きだと勘違いしている  作者: 水話
7歳

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第15話 師匠と錬金術

昨日、寂しそうな顔をしていたから心配だったけど、

お師匠様は今日も来てくれた。

僕はそのことにとても安心した。


「お師匠様、おはようございます!」


「おはよう、ノエル君」


今日はお師匠様に言われた通り、アイテムバッグを持ってきました。

お母さんが「本当は成人する15歳からなんだけど、特別よ」って。


「うん、偉い偉い。

 それで、持ち物が増えても大丈夫やね」


この世界のアイテムバッグは、空間術師のスキルによって作成されている。

詳しい理屈はわからないが、種類だけならほぼ無制限に収納できて、

倒したモンスターに近づくと解体と換金までしてくれる。

ゲームシステムがそのまま仕組み化されたような道具だ。


「今日はノエル君に、錬金術師のスキル――錬金術を教えようと思って。

 錬金術を始めると準備とかでアイテムが増えてかさばるからね」


「はい、お師匠様!

 ところで……聞いてもよいでしょうか?」


「うん? どうかしたん?」


「薬屋の調合と、錬金術師の錬金術の違いって何でしょうか?」


「えっ……!?」


ノエルからの真っ当な質問に、奏は固まった。

正直言って、そんなことは奏自身がROLの開発陣に聞きたいくらいだ。


奏の思考が、何とか正解を導き出そうと回転を始める。


「そうやね……薬屋の調合は、素材の効果を引き出したり、調整したりするもの。

 錬金術は、素材そのものを別の物に変えるもの……なんちゃうかなぁ」


何となくスキルの内容から説明してみたが、

あながち間違っていない気はする……自信はないが。


「なるほど……何となくわかりました!

 さすが、お師匠様です!」


「ううん……ちゃんと説明できなくて、ごめんね。

 あ……そんで錬金術を始める前に言っておかんと」


奏はノエルと目線が合うようにしゃがむ。


「説明が難しいねんけど……

 もしかしたら――

 うちがある日、突然来なくなったとしても、

 それはノエル君が嫌になったとかやなくて……

 事情があって来られなくなったんやって……

 それだけ、先に言っておくな。」


原因がわからずにこの世界にやってきた。

ならば――ある日突然、原因がわからずにこの世界から居なくなってもおかしくない。


だから、自分を慕うこの少年が傷つくことがないように。

奏は、どうしても先に伝えておかねばならないと思った。


「はい……わかりました。

 でも、できればずっとお師匠様と一緒に居たいです」


「そっか……うん、ありがとうな」


「そんで錬金術やけど、調合と違って

 組み合わせによっては危険な物ができることがある。

 だから、しばらくはうちと一緒の時か、

 ノエル君が15歳になるまで錬金術は禁止」


そう言うと、お師匠様が小指を立てて顔の前に持ってくる。


「これは何でしょう?」


「うちの産まれ育った所の文化で、こうやって約束するねん」


お師匠様が僕の手を優しく導いてくれる。


「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った!」


「はい、これで嘘ついたら針を飲まなあかんからね?

 約束やで?」


そう言って笑ったお師匠様の笑顔に、

僕は胸が痛くなった。


「はい……絶対守ります……!」


お師匠様が立ち上がり、アイテムバッグを触り始めると、

錬金釜というアイテムを取り出し、僕に贈ってくれた。


「あの……お師匠様、これは高い物なんじゃ……?」


お師匠様が顎に指を当てて、何か考えていた。


「そうやねぇ……ノエル君の年齢やったらちょっと高いかも。

 でも、これがないと錬金術ができひんし……

 だから、お父さんとお母さんには内緒やで」


「はい……ところで、いくらくらいするんですか?」


「それは30,000リルやね。王都でも売ってるんよ」


「30,000リル……薬草だと何個分でしょうか?」


「えっと、薬草が50リルだから……600個……?」


「600個……お師匠様、僕、大切にします」


「うん? そうやね。

 それで、初級の錬金術……かぁ。何がええかなぁ……」


そう言って、今度はアイテムバッグから笛と鉄を取り出した。


「それを今渡した錬金釜で錬金してみて」


僕は言われた通り、錬金釜に素材を入れて蓋を閉める。

蓋のつまみに触れると、身体から少し力が抜けた感じがした。

これがお師匠様の言っていた“魔力を吸われる”という感覚だろうか。


「お師匠様、錬金釜が淡く光りました!」


「うん、それじゃ蓋を開けて取り出してみて」


恐る恐る蓋を開けて中身を取り出すと、

それは何だかよくわからない塊だった。


「うん……失敗やねぇ。

 まぁ最初はそんなもんやから、気にせんでええよ。

 それじゃ、もう一回やね」


そう言われてまた笛と鉄を貰ったけど、

五回連続で同じ塊が出てきた。


「お師匠様……ごめんなさい」


「いいから、いいから。

 今の失敗も経験にはなってるはずやし……

 そろそろ確率的に成功するんちゃうかなぁ」


六回目――僕は心の底から成功を祈った。

お師匠様から貰った素材を台無しにしていることが、

これ以上耐えられそうになかった。


「……お師匠様、塊じゃないです……!

 ですが……これは何でしょうか……?」


「うん、成功やね。

 えっと……これは吹き矢って言うて、使い捨ての武器みたいなもんです」


「どうしたら笛と鉄で吹き矢ができるのでしょう……?」


「不思議やんなぁ……こればっかりは、そういうもんやと

 思ってもらうしかないかなぁ……」


「わかりました。お師匠様でもわからないことがあるんですね」


何とか初めての錬金術が成功した僕は、

この後、錬金術で作った吹き矢を使い、スタッグに止めを刺したのだった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「続きが読みたい」と思っていただけましたら、

【評価(★)やブックマーク】していただけると嬉しいです。

次の話を執筆する活力になります。


【過去作・他連載のお知らせ】


▼異世界転移・元おじさんの善行旅(完結済)


『お人好し主任の異世界善行旅 〜神様から授かったチート能力で、 魔界・人界・天界のあらゆる種族と目の前で困っている者すべてを救い尽くします』

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