0-51話 第一次降魔事変 その17 勇者時代2
はい。前回思いっきり更新失敗しました。申し訳ございません。今回がその掲載分です。なんというか歯切れが悪い感じになっちゃいましたね。本来の前回の掲載分と今回の書いたやつを合わせると1万字とかいくし……。自分の小説はブツ切りにせず、オチがついたらその話の終わりと決めているのでなかなか掲載配分が難しいです。あまり考えすぎずマイペースでいくことにしましょう。
世界を飛び回った暁に出会った勇者アヴストゥ-ラことオルファンと運命を共にする頼もしい導かれし仲間たちがいた。
そのひとり、オルファンと馬が合い、何をやるのも一緒の最強の戦士、剛極無頼・マグナス・グレゴリア。
そのひとり、容姿は可憐だが、見た目に反して性格は凶暴ヒステリック極まりない。桁外れの極大魔術を使いこなす魔術使い。燦爛の魔女・ユリ―シア・メルトアイリス。
そのひとり、癒しの魔術美少女。箱入りお嬢様で世間知らず、だけど魔力は折り紙付きの僧侶、天使の瞬きファスティマ・クインティ
そのひとり、斬れぬものはないと言われる妖刀村正(贋作)を持ち、酒も博打もやりまくり、いきずりの女も泣かす。粋でイナセな天下御免のおっさん侍。悪即斬リュウガ・ヴァングレイ
そのひとり、魅惑のダイナマイトボディをわかりやすいビキニアーマーで包み、男を悩殺する名うての魔術戦士、金に異常にがめついお姉さま。蠍座の女王ブラッドベリー・アレクレヴァンナ。
そのひとり、盗めぬものはなく、取り分を貧しい民にも分け与える義賊。大盗賊・国盗りのスウォード・ダガー・オア・ナイフ(絶対偽名)。
そのひとり、東洋の武術、様々なクンフーをマスターした天才少女。闘気を手足の如く使いこなすじゃじゃ馬娘。格闘家。四獣のリン・シャンティ。
この仲間たちと共にオルファンは世界を駆ける事になるのだ。
そして辿り着いた勇者発祥の地、ディアノート大聖堂の勇者像を目の当たりにして感動して眼を輝かせるオルファン。
「すげえ……!!なんて美しく勇壮な銅像なんだ。まさに勇者アヴストゥ-ラを形にしたようだ。俺は今猛烈に感動している!!!」
竹馬の友でもあり、戦友でもあるマグナスも感嘆の声を上げる。
「眉唾だったけど、来てみてわかったぜ……!!確かにこいつはすげえな……。一体いくらかけてんだ?このどでかい像はよ。そしてなんつーか超イケメンだあ!やっぱ勇者様ってのは一味違うもんだわなあ……」
僧侶の天使のような美貌を持つ美少女ファスティマは推測する。
「なんというか圧倒されますぅ……。当時の人々はアヴストゥ-ラ伝説に一切を投げうつぐらい入れ込んでいたんですね。銅像の出来を見ればそれが痛いほど伝わってきます。はるか1000年前の建造物なのに、今の文明でこの規模の銅像を再現できるかというと難しいと思います」
魔術使いのユリ―シアは訝し気にオルファンと銅像をしきりに見比べて嘲笑する。
「うーーーーん?オルとこの初代アヴストゥ-ラの銅像。同じ勇者なのに顔が違いすぎない??銅像の方が全っ然美形!!オルったら本当に勇者なのかしら?」
顔を近づけて悪戯っぽく笑う若き日のユリ―シア。この頃はもっと性格が陰険である。
オルファンは必至に弁明する。
「ううううう……これは!!絶えまぬ冒険の果てにレベルが上がりまくった状態の勇者アヴストゥ-ラ様なの!!!俺は先の闘いでちょっとばかし覚醒したばっかりだから見劣りするのはとーぜんなのォ!!!俺も経験を積めばこの銅像のようにカッコよくなるんだからあああああああああああ!!!!」
更にどよーーんと意地の悪い顔を近づけるユリ―シア。
「本 当 な の ?」
ふてくされたように顔をそむけるオルファン。
「本当だい!!!!」
更に顔を笑いながら近づけるユリ―シア。
「本 当 に 本 当 な の ? ? あんたはただの自分を勇者と思い込んでるだけの一般人に過ぎないんじゃないの??」
ユリ―シアの巧妙な心理攻撃にだんだんと自信がなくなってくるオルファン。
「うううう……だんだん自信なくなってきた……」
その時、後ろからかばっとオルファンに抱き着く美女がいた。クンフー使いのリン・シャンティである。
「オルはそのままでもかっこかわいいから問題ないアル♪勇者様は勇者様でも色んな勇者様がいるア~ル♪だから元気出すアル~♪」
オルファンを太陽のような笑顔で励ますシャンティ。オルファンは元気になりはしたが、この場合ちょっと違う意味でまた元気になってしまいそうであった。
「シャ……シャンティ?励ましてくれるのは……う…嬉しいんだけど、お……おっぱいが、背中に当たってだな……。違う意味でレベルが上がりそう」
わざとらしく自身の頭をこつんとこづいて笑顔で
「アイヤー!!ごめんアル。シャンティちょっと自重するアル~~!!」
若干17歳にして日々成長しているシャンティの肉体は魔物にとっても凶器であったが、オルファンにとっても違う意味で凶器であった。
面白くなさそうにオルファンとシャンティを交互に睨みつけるユリ―シア。シャンティがユリ―シアに問いかける。
「およ?ユリー?どしたアルか?」
ぷうっと頬を膨らませて声を若干荒げるユリ―シア。
「なんでもないわよ!!」
肩をすくめるシャンテイ。
「変なユリー」
一方立派な勇者像を、寝そべりながら端から見ている現勇者オルファンの仲間であるリュウガ、ブラッドベリー、スウォード。
スウォードが言う。
「いやさ。昔の人間ってのはアホだな。あんなでけえ像作るってこたあ。石とか岩とかをよお。一心不乱で運んできたって事だろ?なんでそんなつまんねー事に人生を費やすんだ?ダルいだろ正直」
リュウガが答える。
「あらやだ。スウォードくん。君、若いのにやたら考え方が退廃的だわね。こう考えたらどうだろうか?こんだけでけえ像が出来上がるって事はその昔の人間さまひとりひとりが頑張ったからなんだよ?報われたんだ。俺たちの頑張りは!!みたいなね。こうなんというかみんなで何かをやるっつー事は素晴らしい事じゃないか!?」
スウォードが魚の死んだような眼で更に言う。
「本気で言ってんのか?リュウガのおっさんよお。これ建てた昔の奴等はこの像が完成した時は泣いたのかな?」
ブラッドベリーが口を挟む。
「そら泣いただろうさ。あたいは昔、自慢じゃないがガキの頃にタンスに親指ぶつけて突き指した兄貴にガンプラ100体無理やり作らされた事がある。100体目でもあるアッガイが完成した時あたいは泣いたさ。え!?涙って自然と湧き出てくるもんだってあの時知ったね。奴等もそうだっただろうさ」
スウォードが答える。
「泣くぐらい大変でやらなくていいことならやるな。こんな銅像がなくたって余裕で人は幸せに生きていける」
身も蓋もない言い方をするスウォードに絶句するリュウガとブラッドベリー。
ブラッドベリーが口を開く。
「お前さあ……。スウォード。初めて会った時は身体預けてもいいなあって思うぐらいイケメンに見えたのに、お前のその、徹底したやる気なし夫ぶりには流石のあたいも反吐が出るわ」
リュウガが口を合わせる。
「同感でさあ。姐さん。スウォードお前本当のところかなりつええだろ?なのに露骨に戦闘で手ぇ抜くなや。初めて見たぞ。味方が全滅しそうな時に鼻提灯つけて豪快に居眠りする奴」
スウォードが嫌々答える。
「リュウガのおっさんも人の事言えねーだろが。あれ?おお。あれさあ。銅像の瞳の部分妙に光ってるよな??」
やる気がなさそうにリュウガとブラッドベリーが銅像の眼に目をやる。
「おお。光ってる。光ってる。洒落てるねえ。綺麗なもんだ。姐さんああいうのグッとくるタイプ?」
「まあまあだね。演出的には悪くない。輝く勇者の瞳に乾杯ってか?渋いじゃないのさ。胸にキュンとこなくもない」
目を凝らすスウォード。盗賊なのでスウォードは遠目が効くのだ。
「あれ。ダイヤだな。あとアレキサンドライト」
リュウガとブラッドベリーがスウォードの報告を聞いて、半信半疑で口を開く。
「ダイヤだあ!?デカすぎんだろ。あんなデカいダイヤなんて見たことがねーっつーの」
「アレキサンドライトってもうイ・ゼルディアでは獲れない幻の宝石でモノによっては確か時価数億クレジットの値段がつくとかつかないとか言われてなかったっけ?」
スウォードが更に眼を凝らす。
「間違いねえ。ありゃモノホンだ。俺の眼は誤魔化せねえ」
同じように目を凝らすリュウガとブラッドベリー。
ガバッと起き上がり、真剣な表情になる3人。
にやりとほくそ笑んで、堂々と銅像によじ登ろうとする3人。
マグナスがオルファンの為にオルファンと銅像を、携帯の写メで撮ってくれている。しかし、色んなポーズで様々なヴァ―ジョンを催促してくるオルファンに少々げんなりしている。
「オルよお~~。感動したのはわかるんだけど、そろそろ~~次の町行かねえかあ?俺腹が減ってきてよお。また今度立ち寄ってもいいじゃん」
オルファンは満面の笑みで答える。
「すまんすまんマグナス。これ1枚で終わりね!!!後で写メ見せて~~!!ん!!??アレは!!!なんだなんだ!!?」
勇者像の瞳にはめ込まれている宝石を、剥がして売り払おうとする勇者の仲間にあるまじきスウォードとリュウガとブラッドベリー。
栄えある勇者像に狼藉を働こうとうとする仲間に怒り心頭のオルファン。
「なんてことをしやがるんだ!!貴様らあああああああああああ!!!今ここで申し開きはあるかああああああああ!?」
スウォードが気だるそうに答える。
「なんか忘れてねえか?腐っても俺は盗賊だ。自慢じゃねえが金目のもんには目がねえ。こいつを売って女でも囲って寝て暮らす。魔王なんてクソ喰らえだ。あばよ。オルファン。いやアヴストゥ-ラだっけか?達者で暮らせや」
一見、すまなさそうに答えるが内心全然反省していないリュウガが答える。
「すまねえ!!オルの旦那!!あんたにゃ恩しかねえが、こんなもん銅像にはめ込む方がどうかしてらあ。大丈夫!!この宝石を剥がして代わりにビックリマンシールのヘッド(キラ)をしこたま貼りまくれば、より一層輝きを増すはずだ!!何も問題なんてありゃしませんぜ!!」
ここぞとばかりに逆切れしてくるブラッドベリー。
「オル坊!!あたいはわかってるんだよ!!前に泊まった宿も、ホテルもメシも、一流どころとは程多いエコノミークラスさ!!あたいらの懐事情はまるでなっちゃいない!!なっちゃいないのさ!!ぶっちゃけて言うよ?最近稼ぎしょぼい!!カニが食べたい!!威勢エビ食べたい!!!あたいはもっともっと豪華な贅沢がたくさんしたいったらしたいのおおおおおおおおおおお!!!」
オルファンは絶望する。
「なんて奴等だ。まるで説得力がない。なにも反省していない!!許せん!!!勇者の力覚醒~!!くたばれ!!不届き者!!エクステンション!!!」
オルファンが勇者の力を使って銅像をよじ登っている3人に鉄槌を食らわす。
「「「しまったあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」
哀れにも銅像から焼け落ちていく3人であった。
つづく
読んで下さってありがとうございました!!




