表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ディアボロス  作者: HEN
episode 1 イシュタリアの精霊王
52/71

ディアボロス 外伝エピソード イシュタリアの精霊祭と後夜祭 9 六賢者と或る噂話

このお話でやっと外伝が終了です。長かったwww次回からやっと本編の続きに突入です。 当初は本編のシリアス展開を書くのがやたらきつくて、そうだ!ギャグシナリオ書いたらちょっとは楽になるんじゃないか!?と軽い気持ちで書きだしたらギャグシナリオのほうがきつかったというオチでした。なんじゃそりゃ。実生活の仕事の辛さも相まってすべてが嫌になって見事にエタりました。復帰したからエタってないんですけど。半エタですね。本当に申し訳ありませんでした。もう長期休載はないようにしたいです。

ここは、元老院。六賢者達が集う円卓にて。神経質そうな青年、上院議院エドガー・マクマホンが、六賢者の長、叡智を司る賢者メスター・オブライエンに意見を提示する。



「精霊祭……。賑やかなものですね。まるで愚民どもの慰み者と見紛う如き……。イシュタリアの王族も地に墜ちました。オルファン王は所詮は旧時代の戦争屋に過ぎません。そして今はただの……道化ですか……。王たる器とはとても……。記憶改竄装置ジェクターの使用を提唱致します」



オブライエンは答える。



「ジェクターの機能はエデンと連動している。いまだ試作段階で連続使用に耐えうる物ではなく、記憶の操作の有効範囲も不安定である。まだまだ調整が必要だ。まあそう急くな。いいではないか。奴等にも一時の安息の時を与えてやっても。いずれ我々の計画を実行に移す時が必ず来る。その時はイシュタリアは名実ともに我々の物になる。そしてイシュタリアは我々の世界と上位世界を繋ぐ、高次元文明都市となるのだ。第二首都計画を急がせろ。エドガー」



「はっ!!エデンはなんと?」



「計画の初動の成功率は94,7%。アークレギオンはこの世界の暗雲を晴らし、時代を照らす明星となるであろうという啓示を頂いた」



「エデンは完璧です」



「知っている。皆まで言うな。我々六賢者は皆、あの方に触れ、知恵の実を食し、真実を受け入れた」



六賢者の一人、真実を司る賢者アラキュア・エイムズはオブライエンに続いて告げる。



「我らの為す事は全てエデンの御心のままに」



六賢者の一人、光明を司る賢者セオドア・アライアンスも声を上げる。イシュタリアいやアサイラムを裏で牛耳る影の最高権力者にあたる六賢者にしてはいやに若く美しい美少年だ。



「僕らは人類は皆、運命を同一のものとしている。審判の日は近い。急がなければね」



六賢者の一人、懺悔を司る賢者ドリストル・ハインリッヒも興奮を隠し切れず身体を上下に揺さぶりながら魔力の妖しいオーラを身体から迸らせながら叫び出す。



「さあさあ!約束の日はいつ!いつ!来るのか?それは果たして吉兆か凶兆か?いやさ我らの為すべき事は人類にとっては凶にして吉……か?クカカカカカ!!」



六賢者の一人、繁栄を司る賢者アルケー・シウテクトラハが呟く。アルケーも、可憐なゴスファッションの少女の姿にしか見えない。



「ドリストル。そのくらいにしときなさいな。これから起こる事は全て偶発的に起こる必然と言える。人類はここから始まるの」



六賢者の一人、豊穣を司る賢者フリーダ・ヨゥトンも声を上げる。全身義体サイボーグ化された若い女性の姿だ。



「その前に、やらなければいけない事がある。計画の前に障害と成り得るものは全て排除しなければ」



その六賢者達の異様な生出たち、物言いに、エドガーは表情を曇らせる。




「(ちっ!相も変わらず不気味な奴等め……。こんな連中が長くアサイラムを裏で牛耳っていたとは悪い冗談にも程がある……。しかし、六賢者どものこの異常な魔力と闘気……。私の勘が告げている……。どうやらこいつらを人間と思わん方が良さそうだな……。オルファンともども得体が知れんわ!私に推し量れるか……?ふん!エデンを発見し開発したのは私だ。エデンを制御するのにどれ程の犠牲を払っていると思っている!?エデンをこいつらの玩具にしてたまるものか!!)」






六賢者とエドガーに使者が割って入る。



「お取込み中失礼致します!!!例のモノを遂に……遂に……検知致しました!!!!賢者様にご一報をと」



「おおお…おお!!!」



オブライエンを始め六賢者達が興奮を隠し切れずにざわつく。エドガーは怪訝に思う。



「(何だ?この喧噪は?六賢者どもが高揚している?例のモノとは一体?)」



オブライエンは厳粛にエドガーに告げる。



「エドガーご苦労だった。今度の昇進の件、考慮しよう。もういい下がれ」



「いえ……。今しばらくお傍に……。わたくし個人としましても少々気になることがありまして……(調べさせて貰うぞ。貴様らが何にご執心なのかをな)」



六賢者の長オブライエンは口早に呪文を唱える。



「衝動滅波(レザノア=ヴァン)」



エドガーの身体がオブライエンの強烈な衝撃魔術によって弾き飛ばされる。



「がはあ!!」



血を吹き出し、地に伏すエドガー。



「下がれと言っている」



「ぐううう……!!は……!!失礼致しました……。それでは……」



渋々退室するエドガー。壁を力強く叩き、悔しそうな顔を滲ませる。



「クソッ!!肋骨にヒビが……!!まだ力が完全に戻っておらんというのに……!!加減を知らんのか!?あの老いぼれどもは!?六賢者め!!言い気になりおって!!暴いてやる!!貴様らの秘密を全て暴いていやる!!エデンに選ばれたのは私だ!!お前らでは決してない!!」




オブライエンは使者に申し付ける。



「正面のモニターに出せ」



「はっ!」



正面のモニターには、異形としか言えない巨大な悪魔ディアボロスの姿が映し出されている。使者は告げる。



「質量、熱量、魔力、霊基反応全て想定値を遥かに超えています。遥か北のノース・ウォーエルで観測されました」



「エデンの予言より半年ほどズレがある……か。だが、ふふふふふふ、ははははははははははははははははは!!!ふはははははははは!!!間違いない!!奴だ!!!!上位世界からの使者だ!!!」



オブライエンの他の六賢者も一様に狂ったように狂喜乱舞している。



「長い眠りからついに目覚めたか!!待ち侘びたぞ!!!!悪魔ディアボロス!!!!!」








とある極寒の地。アサイラム大陸の北方に位置するディルギスタン。メタルスレイヴに乗り込み、出撃を今か今かと待っている傭兵たち。



大柄のメタルスレイヴに乗り込んでいる傭兵が、比較的小柄なメタルスレイヴに乗り込んでいる傭兵に無線で話しかける。



「なあ、ユアン。こんな話を知ってるか?」



「悪い。ビネガー集中させてくれ。出撃前だ。今は無駄口を叩く時じゃないだろ?」



「まあそう邪険にしなさんなって。俺ら傭兵の中では割とメジャーな話なんだぜ?」



「緊張感の無い奴だ。生きるか死ぬかって時にどうかしてるよ。お前さん」



「生きるか死ぬかって時にくだらねえ話をするのがまたいいんじゃねえか?緊張がほぐれるだろ?」



「ちっしょうがねえ奴だな。話せよ。聞いてやらねえこともねえ」



「アサイラムの死神って知ってるか?」



「ハン?知らないねえ」



「昔な、国連政府に不満を持つ、傭兵団を束ねる伝説の英雄がいてな。グリフォン・イーグレーっつー」



「あ、そいつは知ってるぜ!!傭兵国家グラウンドゼロの史上最強の特殊部隊アンチェイン・ビースツの頭目、鷹の目グリフォンだろ?俺ら傭兵たちの始祖とも言ってもいい存在だな。教本にも載ってる」



「知ってるなら話ははええな。その世界をひっくり返そうとするグリフォン率いる傭兵団と、国連軍が大規模な戦争をおっぱじめたんだよ。当時の国連軍は今みてーな腑抜け揃いじゃなく生え抜きの猛者揃いでな。世界中の英雄達を集めたいわば各国の英雄が勢揃いしたオールスターともいえる顔ぶりでな。SEALs99つってそらあ半端なかった。グリフォン本人もクソ強かったし、グリフォン率いる傭兵たちも尋常じゃねえくらい強かった」



「へえ……。なんか面白くなってきたな」



「戦争は長く続き、10年以上続いたっつー話だ。両軍とも一歩も退かず、戦争は膠着状態になった」



「ふーん。それでどうした?」



「だが、この戦争は意外な形で決着する。さあここで問題だ!この戦争どうやって終わったと思う?」



「どうやってって……。ジリ貧になったグリフォンが特攻でもしたんじゃねえのか?わかんねえよ」



「ふふふっふふふふ!!あはははははははは!!、それがな突如として両軍に単機で割って入ったバカがいたんだよ!!」



「は!?単機で!?」



「そいつは紅いアッゼン改に乗っていて、けったいな音楽をオープンチャンネルごしに爆音で鳴らしながら、グリフォン軍と国連軍双方をほぼほぼ皆殺しにしたんだとよ!!」



「アッゼン改だあ!?時代が時代だからってのもあるけど、アッゼン改ってアールゼノン改のことか?粗悪品と呼ばれた初期のメタルスレイヴもどきじゃねえか!!基礎性能は当時にしては高かったらしいが、ピーキーすぎて誰ひとり乗りこなせず、廃棄処分になってアレだろ?あんなものんで、みな……皆殺しってお前……」



「すげえんだ!!前世紀のオールドミュージックを爆音で鳴らしながら戦うんだぜ!?ロックにポップスにジャズにパンク!!で、当時、現存する世界の戦力では到底片付けられなかった戦争がそいつが出てきただけで瞬く間に終わっちまった!!そう!!そいつこそが」



「アサイラムの死神ってか?」



「そう!まさにそうだろ!?で面白いのはこっからなんだよ!!グリフォンの首は相当に値がつり上がっていて、なんでもグリフォンは国連政府が喉から手が出るほど欲しい極秘も極秘、政治的な駆け引きの材料になる情報や、未知の技術の情報、グリフォン自身が隠した莫大なお宝の在処とか、値千金の情報をしこたま持ってたんだ!!長年血眼で追ってたグリフォンはわけのわかんねー奴に殺され、国連軍もそいつにコテンパにやられたもんだから、面目丸潰れな国連のお偉方は遂にブチキレたんだよ!で、アサイラム中の憲兵と国連兵を集めて回った!一個師団なんてもんじゃねえ!なんとその数100万に届いたかもしれねえって話だ。死神を上手く誘い出して完全に包囲するようにガッチガチの包囲網を作って、蟻一匹通さないようにしたんだと!嬲り殺しだな。で、どうなったと思う?」



「どうなったと思うって……。多勢に無勢にも程がある。流石に死神の敗けだろ。殺されるか、囚われて縛り首だ」



「だっはっはっはっはっは!!!正面突破だよ馬鹿野郎!!!信じられるか?正面から包囲網ぶち抜いて何食わぬ顔で悠々と帰っていったんだと!!」



「嘘つけよ!!!アッゼンで、んな芸当できるわけが……!!そうだ!!弾薬や燃料はどうしたんだよ!!補給がなきゃ長期戦なんかできやしねーぞ!!」



「それがな!弾薬は敵の武器をその都度奪い、燃料は基地を襲撃し、補給して回ったんだと…!場合によっちゃ敵のメタルスレイヴのパイロットだけぶっ殺して燃料管に穴開けて、LEケーブルを直接繋いで補給する時もあったとか」



「一対多数の激戦中だぞ……!?どんだけ余裕があるんだ……。信じられねえ……。LEケーブルってまたアナログな……。旧時代の補給管線じゃねえか……。アッゼンといいそいつは原始時代からやってきたのか!?



「で、でだ。総力を結集した国連軍の包囲網をブチ抜いて脱した死神はその後、どうしたと思う?」



「どうしたって?そんなもん生き残ったんだから、そのまま自分のねぐらだか所属の基地にでも帰ったんだろ?命があって万々歳じゃねえか」



「ふふふふあははははははははは!!それがな!誘い出されてハメられた事によっぽどムカついたんだろうな。包囲網を突破した後に、踵を返して、また包囲網の最前線に帰っていき、国連政府の主だった基地を徹底的に叩き潰して、残る残党どもを殺して回ったんだと!!!あり得ねえだろ!!」



「ぶっ飛びすぎてまるでリアリティがねえよ……。それマジ話……?」



「ふふふふ。運よく生き残った数少ない国連政府の高官どもはすっかり死神の恐怖にビビってトチ狂って廃人になってしまった挙句、国連はアサイラムの死神に一切手を出さない。関わらない条約を作り、死神自体を天災災害認定しちまったらしい」



「天災災害認定って……」



「そう。竜巻や大地震と同じ、ど う し よ う も な いって奴だ。出会ったら最後死ぬしかない。まさに死神だな」



「…………」




「でな、その死神……。どうも今も傭兵やってるらしいぜ?もしかすると俺達の今日の相手は……」



「ゴクリ……」



「あっはっはっはっはっは!!!ビビった!!ビビったなーお前!!都市伝説だよ!!バカヤロウ!!!そんなふざけた化け物がこの世にいてたまるかってんだ!!!商売上がったりだぜ!!」



「お前なあああああああああ!!ビックリしたぜ!!こんな時に冗談はやめてくれよ!!ただでさえ出撃前で神経質になってるんだぜ?」



「お前、腕はいいが、ちょっと繊細すぎるからさあ。緊張をほぐしてやろうと思ってよお」



「余計身体が強張ったわ!!まあいい!!時間だ!!いくぞ!!ビネガ―!!」



「あいよ、ユアン。後ろは任せろ。撃墜スコアは俺が根こそぎ貰うぜ?」



「ほざいてろよ!!俺のスピードに追い付けたらの話だろ?さあ北方の餓狼共に一泡吹かせるぜ!!ユアン。強襲型ディファイン・T2出る!!」



「ビネガー。アンガーヴァイタル・C3こっちも出る!!」



基地のカタパルトから出撃する2機のメタルスレイヴは一気に加速して瞬く間に見えなくなった。







ディアボロス外伝エピソード イシュタリアの精霊祭と後夜祭  おわり



0-44話  第一次降魔事変  その10 ヴァルハラの勇者達 につづく








読んでくださってありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ