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ディアボロス  作者: HEN
episode 1 イシュタリアの精霊王
50/71

ディアボロス 外伝エピソード イシュタリアの精霊祭と後夜祭 7 獅子舞の正体

更新でーす。長期休載明けなのでPVが更に少なくなりましたねw よきかなよきかな。一から頑張りましょう。長期休載してもそれでも読んでくださる方には感謝の言葉しかありません。

獅子舞は仰々しくポーズを決めて高らかに勝利宣言をする。



「勝者は俺なのです!!!!!!いいですか!?ここぞとばかりにたっぷりと言わせて頂きます!!!」




更にタメを作り、個人的な美のこだわりを追求しすぎて最早わけがわからなくなっているポーズを更にドヤ顔で決める獅子舞。これはウザい。




「勝者は 俺 で す !!!アサイラム最強の魔導士はやっぱり俺なんですよおおおおおおおおおお!!!!みんなありがとおおおおおおおおおおおおお!!!」





依然奈落の底に落ち続けているユリ―シア。



「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!この天才無敵超絶かわいい魔女っ子ランデブーのわたわたわたわたわたわたわたわたわたわあたわたわたしの最後がこんなえげつない死に様って間違ってるわああああああああああああ!!!真っ赤なトマトになるなんて絶対嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」




獅子舞は勇者アヴストゥ-ラの時代からその導かれし仲間の燦爛の魔女として極悪無双を誇ってきた幼女の最後を憐れむ。





「アサイラム魔導士頂上決戦、最強の夫婦喧嘩これにて終了ってやつだな。つうかユリーちゃん。もうMP尽きて姿、元に戻ってんだけど、キャラ変わってないぞ。おおおおおおおおおおおおおおおい!!!!そのまま谷底に激突したらいくらユリーちゃんでも助からないぞーーーーい!!!意地張ってないでもう降参しなーー!!!俺が今から助けにいくからーーーーーー!!!!!」




泣きじゃくるユリ―シア。喉まで助けてという言葉が出かかるが、それを噛み殺し、悪魔のような形相で落ちながら叫ぶ。




「あんたなんかに助けて貰うぐらいなら死んだ方がマシだわ……!!奥の手はあんたにだけあるものじゃないの!!!生命反転魔力リ・ヴァイヴァル




ドクン、ドクンと生命の鼓動がユリ―シアの身体から脈打つ。獅子舞は仰け反りながら驚く。




「いや!!!あなた!!!まさか!!!生命力を魔力に変えて………!!!」





「そのまさかよ!!魔力大覚醒ポゼッション!!!!!魔女はね。強大な魔力を持って、魔術を使えれば一人前の魔女じゃないの。ミサを経て真の魔女になるの。そのミサとは自分の身体の一部とを生贄にして、魔物の身体の一部を交換することなの。逢魔の翼!!!第 三 の 眼 開 (サード・アイ・ヘルズオープン!!!!」




生命力を魔力に変え、再び全盛期の幼女形態になるも更に異形の変身を遂げる。悪魔のような禍々しい翼が映え、口からは可愛いらしい八重歯が牙へと変貌し、額からはギョロギョロと左右に行き来する紅い眼球が姿を現す。常軌を逸した恐るべきドス黒い魔力のオーラが迸る。




獅子舞は恐怖に顔を引きつらせる。



「ぎゃあああああああああああああ!!!遂にユリーちゃん最終決戦形態が出たあああああああああああ!!!!その姿まさに小悪魔!!お目にかかれて光栄でございます!!ここはやはり逃げるしかあるまい!!!!!!!とんずらーーー!!!」



牙をむき出しにし、恐ろしい表情で顔を真っ赤にしながら真の姿を現したユリ―シアは叫ぶ。




「待ちなさーーーーーい!!!絶対に逃がさないんだからああああああああああああああああああああああ!!!!」




あっかんべーしながらケツをまくって一目散に逃げる獅子舞。



「待てと言われて待つバカがいるかってんだーーーーい!!!!」



紆余曲折あって、元のナブラディア境内に戻ってきた獅子舞とブチキレた小悪魔形態のユリ―シア。




ラピスが声を上げる。




「あ!!獅子舞さんとお母様がなんだかんだでgdgdになりながらも帰ってきましたよ!!!」




プルートゥとヴィクトルがラピスを更に下がらせ、警戒を促しながら、対獅子舞の必殺の奥義の構えをとる。



「姫様!!危険でございます!!!ここは我らにお任せあれ!!」



逃げる獅子舞を追いかけながら小悪魔ユリ―シアは絶叫する。



「プルートゥ!!!ヴィクトルそっち行ったわよおおおおおおおおおお!!!つ~~か~~ま~~え~~てええええええええええ!!!」



急加速したユリ―シアは獅子舞に元気よくタックルをぶちかます。もつれこむように倒れる獅子舞。



「ギャアァアアアアアアアアス!!!!ナイスタックルね!!!!ユリーちゃん!!!」




プルートゥとヴィクトルは、二人合わせて倒れ込んだ獅子舞に強烈な剣戟を打ち込む。



「勝機!!!!」




鈍い金属音が周囲に鳴り響く。すんでのことろで、牙をガチガチと鳴らしながら口で受けとめる獅子舞。




ユリ―シアが世にも恐ろしい形相で笑みをこぼす。



「ふふふふふふふふっふ!!!これで袋の鼠ねえ……!!覚悟しなさいよお……!!!ぎったんぎったんにしてあげるんだからあ!!」



プルートゥがユリ―シアに進言する。



「女王陛下!!!この獅子舞を始末した後、焼いて調理してみてはいかかでしょうか?不肖このプルートゥ!!焼き魚ならぬ焼き獅子舞!!ジ=パングの珍味味わってみとうございます!!」



間髪入れずヴィクトルがプルートゥを遮って進言する。



「いえ!!女王陛下!!ここは焼くよりも煮た方がより獅子舞本来のコクと深みが滲みでる思われます!!獅子舞の姿煮をご検討あれ!!」



獅子舞は絶叫する。



「信じられねえ!!なんて恐ろしい事言いやがるんだ!!貴様ら!!人の心はあるのか!?」



頬を両手で抑え、眼を輝かせて満面の笑顔でユリ―シアはイシュタリアの忠臣たちの提言を聞き入れた。



「まあ!!あなたたち!!なんてグルメなの!!両方とも即採用!!じっくり炙るように焼いた後、原型をとどめなくなるまで煮ましょう!!きっと素敵なお料理が出来上がるわ!!」



世にも残酷な事をのたまう3人。組み伏せられた獅子舞はとうとう泣きだしてしまう。



「うわ~~~~~ん!!食べないでよ~~~!!!つうかだ!!!今こそ明かそう。獅子舞の衝撃の正体は………なんと 俺 で し た♪」



獅子舞の中の人が照れくさそうに、しかし何故か誇らしげにピースサインを掲げながらひょっこりと顔を出す。中の人はなんとイシュタリアの王様オルファンでした!(バレバレ)



ユリ―シアはオルファンの顔を見るなり、更に激昂する。



「キ~~~~~~!!!!やっぱりオルだったのねえええええええええええ!!!今日という今日という今日は絶対許さないんだからあああああああああああ!!!」



プル―トゥとヴィクトルは頭を抱えながら呆れかえる。



「こんな時に……一体……何してるの?」(プルートゥ)



「お前さ?」(ヴィクトル)




得意気に身を乗り出し、踊りながら答える獅子舞と一体化したオルファン。



「おうさ!!!よくぞ聞いてくれました!!実はな………」




ほわんほわんほわんほわんほわん……♪(回想 ON)




英雄戦争の時、元勇者にして、最強の大魔導、精霊王オルファンと反逆の狂戦士プルートゥと、漆黒の騎士王ヴィクトル。この3人はたった1人で10万の軍を打ち破り国そのものを落とすことができうる異常なまでの戦闘力を誇り、最早伝説になっていた。



人々は畏敬の念を込めて彼らをイシュタリア三英傑と呼んだ。オルファンは広大なアサイラム大陸の中でもひときわ大きいイシュタリア全土を統括する王であり、君主である。しかしオルファンが万能とてイシュタリアは広い。多忙なオルファンだけにイシュタリア全土に眼が行き届かない場合もある。その際はイシュタリア三英傑であり、イシュタリアの双璧とも呼ばれたプルートゥとヴィクトルがフォローする形をとっていた。



プルートゥは西イシュタリア地方を収める太守であり、陸軍元帥でもある。ヴィクトルは東イシュタリア地方を収める太守であり、空軍元帥でもある。


そしてその下に一騎当千の大将達が存在し、ひときわ活躍が目覚ましい4人の将はイシュタリア四天王と呼ばれ、イシュタリア三英傑に次ぐ賞賛を浴びていた。(最もイシュタリアの国政を乗っ取り、暴走する元老院の六賢者と極秘に組織された秘密結社アークレギオン、突如として出現した異形かつ巨大な悪魔ディアボロスの台頭によってイシュタリアは2分され、イシュタリア三英傑は正規軍の座を追われ、イシュタリア四天王も王族派と元老院派とで。バラバラになってしまうのだが、それは後の話)そのイシュタリア四天王の轟覇のアラヴィスと摩利支天のシュラ(残り2人は別任務中)が今回ジ=パングと独自の極秘ルートをもって交易し、精霊祭に使う物資を調達してきたのである。アラヴィスとシュラの説明を受けながら色々な物資を難しい顔で検品するオルファン。



「ふむふむ……!!!やはりジ=パングの文明は奥が深い……!!おおおおおお!!!アラヴィス!!!こいつは一体なんだ!!??なんなんだ!!??」



アラヴィスはジ=パングの文明の趣が今一つ理解できず、しどろもどろになりながら解説書を読みながらオルファンに説明する。



「お……恐れながら……!!こ……これは、(シュラ!?これなんて読むんだ?)」



シュラはフォローするようにニコニコしながらアラヴィスに耳元で読み方を教える。



「(ふふふアラヴィス。それはねえ。ししまいって読むんだよお~。ジ=パングのお祝いのお祭りで厄除けの縁起物だったんだねえ)」



シュラは凄腕の魔法剣士であるが、父方の祖父がジ=パングの出身で、ジ=パングの文化に造形が高かった。脅威の戦闘力と鋼のような信念に基づく「武士道」によって死を恐れずに戦う幻の侍という戦闘集団が存在し、シュラの魔法剣技はその侍の剣技を受け継いでいた。



戦場ではその武勇と覇気で敵を一息で飲み込み獅子奮迅の活躍をするアラヴィスも、こういう戦闘以外の任務は存外と後手に回りがちである。



「オルファン様……!!そ……それはジ=パングの神秘!!獅子舞でございます!!」



アラヴィスの説明を聞いて眼を輝かせ興奮するオルファン。



「獅子舞!!!!!獅子舞ってなんだそれ!!!???アラヴィス!!!もっと詳しく説明プリーーーズ!!!」



そしてアラヴィスは英雄戦争で自身の境遇そのものを救って貰ったオルファンに多大な恩があり、オルファンを敬愛しすぎてオルファンの前では緊張しすぎてしまうという悪癖があった。戦場では無敵に近い活躍をするアラヴィスのそのなんとも不器用なところをオルファンはとても愛おしく思い大いに可愛がっていた。



顔を真っ赤にして一生懸命に答えるアラヴィス。



「はっ!!獅子舞とは!!!ジ=パングの神秘であり!!!ジ=パングの象徴とも言っても過言ではなく!!ジ=パングの大神であるとのことです!!し……しかし、人々の信仰が足りずに、その扱いを見誤ると……!!罰が下り人をを喰う事もあるのかもしれませんし!!あるいはないのかもしれませぬ!!!

(何言ってんだ俺はああああああああああああ!!!落ち着けええええええええええええええ!!オルファン王の御前だぞおおおおおおおお!!)」



暴走するアラヴィスに慌てて耳打ちするシュラ。



「(ちょちょ……!!アラヴィス!!話がおっきくなりすぎだよ~~!!あくまで獅子舞はお祭りの催し物だって!!大神とか、人を喰うとか……!!)」



「おお!!獅子舞はジ=パングの大神かああ!!そいつはすげえや!!!!」




アラヴィスの説明を聞いてテンションが上がったオルファンが眼を輝かせながらいそいそと獅子舞を着込み。そして鏡をしげしげと見る。




オルファンは鏡に映る自らと一体化した獅子舞の勇姿を見るや否や、満面の笑顔で喜び勇み、飛び上がる。




「カ ッ コ い い~~!!!!!!!!!!!!」




獅子舞と化したオルファンは踊り狂いながらアラヴィスとシュラに感想を求める。



「どう?似合う?」




アラヴィスとシュラは苦笑いをしながらここは合わせる事にした。王様の家臣も大変ですね。



「「よ……よくお似合いでざいますよ」」



試着後の場末の衣服店の店員の如き当たり障りない感想である。お世辞とは知らずにすっかりその気になったオルファンは更に獅子舞になりきっていた。



「我は獅子舞じゃーーーーー!!!ジ=パングの神なるぞおおおおおおお!!!我を崇めよおおおおおおおおおおおおおお!!!」




アラヴィスは即座にひざまづき、深々と頭を下げた。



「はは~~~~!!!!(何やってる!!シュラ!!お前も頭を下げるの!!オルファン様が気を悪くされたらどうするつもりだ!!)」



「は!!はは~~~!!((ううう……!!王様がなんかおかしくなっちゃったよう!!)」



ひとしきり踊り終えた獅子舞オルファンは鼻息荒くウズウズしながら。



「テンション上がってきた!あいつらに見せびらかしに行ってくる!!」



あらかじめオルファンの為にあつらえた精霊祭用の豪華絢爛かつ、最高級の生地を使っているジ=パングの和服を準備していたシュラは慌てる。



「王様!!王様にはこの精霊祭用にあつらえたジ=パング最高級の和服を着て頂くようになっています!!」



すっかり獅子舞のワイルドなモデリングを気に入ってしまった獅子舞オルファンは首を激しく振る。



「嫌!!!こっちの方が絶対かっこいいもん!!!!これで行くったら行く!!」



こうなったらテコでも動かない。まるで子供の駄々っ子のようだ。困り果てる母親のような表情を浮かべるシュラ。



「んもう……!!王様ったら子供みたいなんですから……!この和服を用意するのに相当な手間と費用がかかったんですのよ!?」



妖しい動きでシュラの豊満な身体に巻き付き顔を近づける獅子舞オルファン。



「んふふふ……!!最早俺はジ=パングの神と一体化してしまったのだよ!!素晴らしいジャナイカ!!どんどん力が溢れてくるようだ!!シュラちゃんにはこの興奮と開放感がわかるカナー?」



その奇怪な動きに恐怖し泣き叫ぶシュラ。



「キャ――――!!!わかりましたから王様!!お顔が近いですう!!くすぐるのはやめてええええええええ!!ちょ!!どどどどどどどこ触ってるんですか!!いやあああああああ!!」



獅子舞オルファンの暴走を目の当たりにし、オロオロするアラヴィス。



「俺は……俺は……とんでもないモンスターを生みだしてしまったかもしれない!!!」



獅子舞オルファンは息を弾ませながら悠々と踊りながら表に出る。



「よし!!それでは行ってくるぞい!!!ふふふふ……!!あいつらこの姿を見たら一体なんていうでしょうね!!!楽しみでならんよ!!!!全く!!ワクワクするとはこのことか!!」





ほわんほわんほわんほわんほわんほわん♪(回想 OFF)




頭を掻きながら獅子舞の中の人オルファンがあっけらかんと言い放つ。



「いやあ!!テンション上がってたんだなあ!!!つうか酷くね!?ちょっとした愛嬌なのにお前ら本気で俺をシバこうとするんだもん!!こんなにラブリーな獅子舞をイジメやがってからに!」



プルートゥもここぞとばかりに言い返す。



「そんな奇怪な化け物に扮して登場してくるなんて全く持って予想外だ!!そこまで面倒は見きれん!」



ヴィクトルもプルートゥに同意する。



「うむ!!ラピス姫様に何かあったら獅子舞ごと中身のお前も斬り捨てていたゾ!」



地面に突っ伏して嘆く獅子舞オルファン。



「ぐぬぬぬぬぬぬ!!なんと野蛮で荒々しいやつらめ!!この戦闘民族どもめ!!」




その突っ伏している獅子舞オルファンのなんとも情けない姿が滑稽だったのか、一気に場の空気が弛緩し、みながみな一様に笑い合う。



何とかこの場は収まったと思いきや……。悪鬼羅刹のような形相で獅子舞オルファンに詰め寄るユリ―シア。悪夢はまだ終わっていない。




「オ~~~ル~~~ファ~~~~~ン!!!覚悟はいいかしらあああああああああああああああああああ!!」



怯え泣き叫ぶ獅子舞オルファン。



「ぎえああああああああああああああああ!!!ユリーちゃん!!!まだ怒ってらしゃるううううううううううううううううう!!!」




すると、獅子舞の前に両手を広げ立ちふさがるラピスの姿があった。




「お母さま!!お怒りをお鎮め下さいませ!!見てもわかるようにこの獅子舞さんは最早戦意を喪失して泣き崩れています!!ええ!!私がこの獅子舞さんを守護まもりますとも!!この獅子舞さんを保護して我が家で飼おうと思っています!!!私が毎日、獅子舞さんに餌をあげます!!!!」



その勇ましいラピスの後ろで感動して涙を流す獅子舞オルファン。



「ラピスちゃん……!!なんてええ子なんや……!!餌はバームクーヘンで頼む」



獅子舞に向けてグっと親指を立てるラピス。怒りが収まらないユリーシア。



「いくらラピスの頼みでも今回ばっかり許せないんだからああああ!!!!そこをどきなさい!!!!オルにお仕置きしたげるったらしたげるの!!!!」



「嫌です!!!獅子舞さんは私が飼います!!!!ていうかですね………。ふふふふ」




真剣な表情から一転、ラピスが突然悪戯っぽく笑い出す。怪訝な顔をして眉をひそめるユリ―シア。



「何よお……!?何か文句でもあるっていうの?」



魔力大覚醒ポゼッションして若返ってラピスより一回り小さくなったユリ―シアにいきなり抱きつくラピス。



「はわーーー!!なにこれーーーー!!お母さま!!!とってもかわいい!!!かわいい!!かわいい!!ほーーら高い高ーーーい!!はーーいこんにちは~!!私がママですよお~~!!」



小さくなったユリ―シアを愛おしそうに抱きかかえ、まるで母親のように振る舞うラピス。真っ赤になって懸命にラピスの腕から抗おうとするユリ―シア。



「ちょ!!!!ち……違……!!逆、逆!!私があなたのマ~~マな~~の!!!!子供扱いはやめて!!!ナリはこんなんだけど世界を滅ぼすほどの恐怖の大魔女なんだからああああああああ!!!」



「獅子舞さん!!私!!将来お母さまみたいなかわいい女の子が欲しいです!!切実に!!」



実の娘が、実の娘より若返った母を抱きかかえ、頬擦りしながらあやしている奇妙な現状を見て、獅子舞オルファンは呆気に取られて、ぺたんと座り込んで、眼をぱちぱちとさせる。



「ぽかーーーん。なんと奇妙な光景か……。どっちがお母さんでどっちがお子さんかわからなくなったぞ。これは?こんなことってあるんだなあ……」




顔を真っ赤にしながら口早に呪文を詠唱するユリ―シア。



「こうなったらここからでも範囲を絞って超魔術をオルにぶちましてやるんだから!!!!ヘイ!!そこのエロ獅子舞!!これにて蒸発しなさああああああああああい!!!」



泣きながら身を翻し防御態勢を取る獅子舞。



「勘弁!!!!!」



ラピスがユリ―シアを抱きかかえながら顔を近づける。意外にも大人びたラピスの表情にユリ―シアは一瞬ドキっとしてしまう。



「おいたはいけませんよぉ~~!!一緒にお歌を歌いましょうね~♪星の海より聞こえるラブソング♪遠い遠い遥か彼方の貴方を想う♪」



ユリ―シアを抱きかかえながら、ラピスはイシュタリアの3大歌姫に数えられるラヴィ二ア・テスタメントの超癒し大ヒットナンバー。星屑のラブソングをふいに歌いだす。まともに歌を聞いたら内なる心に感動が溢れだし、感動の余り、やがて人が死ぬといわれている超絶歌唱力を兼ね揃える本物のラヴィ二アに

遜色ない美麗な歌声で歌うラピス。ユリ―シアもラヴィ二アは大ファンで、この星屑のラブソングは中でも超がつくほどのお気に入りのナンバーであった。



思わず笑顔になってラピスと一緒につられて歌いだすユリ―シア。だって大好きな曲なんですもの。



「いずれ訪れる未来は貴方が思っている以上にきっときっと素敵なもの♪だから安心して眠って♪嫌な事全部忘れられる魔法をかけてあげる♪いつだって……夢に……向かって……傷だらけになる貴方……♪月は……歌い、星は……踊る……よ♪ ふえ……ふえ……答えは……ふぉ……ふぉ……ふぉーりん♪ もう……寝る……わ……。ZZZZZZZZZZZZZZZ」




ラピスと一緒に歌ったと思っていたら、オルファンとの夫婦喧嘩に超魔術を連発し、MPを使い果たし、疲れていたのか、ラピスの腕の中で今度はスヤスヤと寝息をたてて眠ってしまったユリ―シア。その寝顔のかわいらしいことといったら。




「(起こさないように小声でユリ―シアの身体をゆっくりと揺らしながら)寝ちゃった……!!嘘!!お母様の寝顔きゃわたん!!ダメだわ!!信じられないかわいさ!!獅子舞さん!!誘拐して本格的に私の子にしちゃっていいですか!?」



眼を輝かせ興奮気味のラピスの率直な欲求を獅子舞にぶつけるも。獅子舞もつられて涎を垂らしながら寝ていた。



「ZZZZZZZZZZZ」



プルートゥとヴィクトルが揃って獅子舞を小突く。



「「お前は寝るな!!!」」



これにてアサイラム魔導士の頂上決戦は幕を閉じたのである。



つづく

読んでくださってありがとうございました!!

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