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ディアボロス  作者: HEN
episode 1 イシュタリアの精霊王
46/71

ディアボロス 外伝エピソード イシュタリアの精霊祭と後夜祭 3 ジ=パングの神秘

やっと風邪が完治しましたー。息抜きに新春のお遊びギャグコメディの外伝ストーリーを軽い気持ちで書いていたら、これすら想定より長くなってしまってなんというかもうね……。獅子舞はいつ出るんだ!!二度と書いてない範囲での予告はやらない事にします。次で一応外伝を終わらせて本編に戻ってバリバリ話を進めるつもりなんですが、1月がもう既に終わりました。ていうか異常に早くないですかね!?去年も時の流れが早かったけど、今年もめちゃくちゃ早く感じます。今年こそは大幅に話を進めてディアボロスって実はこんな話なんだよーってとこをちゃんと読者のみなさんに見せたいので頑張って書きたいです。

母ユリ―シアに抱きかかえられながら、意識が朦朧とし眼も虚ろなラピス。自分が何をしていたのかが理解できていないし、覚えてもいない。



「ふええ?お母さま……?私ったら一体何を……?」



母ユリ―シアは涙ぐみながら虚ろな表情のラピスに答える。



「ラピス!貴方は見事、母の試練に打ち勝ったのですよ!!貴方の魔術。確かに見せて貰いました!!怖かったでしょう!?辛かったでしょう!?でも貴方は見事それを乗り越えたの!!」



力なく笑うラピス。



「ええええ……?私、今……魔術を使ったの?何も覚えてないよお……。それにしてもこんなラノ……ラノベみたいな展開。嘘みたい……」



女神のような美しくも清々しい笑顔で堂々と言い放つ母ユリ―シア。



「よく言うでしょ?真実はラノベより奇なり……と」




そんな母の満面の笑顔を見るなり、すべてが馬鹿らしくなり全身の力が抜けて、母の首筋に抱き着き、笑うラピス。そして突然稲妻に打たれたような驚きの表情を浮かべる。



「全然言わないよお……。ふふふふ……お母さまったら、それにしてもなんて清々しくも眩しい笑顔なの!?ふあ!!?もしかして!!このお話こそがラノベの一説だったりとか思ったりもしたりして!!!なにせあまりにも出来すぎだわ!!!」



突然とんでもない事を言いだすラピスに少し困った顔をしながらラピスのおでこをこつんと高速で何度もこづく母ユリ―シア。



「なんて事言うの!?ラピス!!それ以上はいけないわ!!この娘ったら困ったヒロインちゃんね!!この!この!」




「あうううう!!やめて!!おでこをこづくのはやめて!!お母さま!!そこは弱いの!!」




なんとも危険な話題で盛り上がる母娘。仲がいいのか悪いのか。突然思い出したようにラピスが口を開く。



「そうだわ!!お母さま聞いて!!そして見て!!このおこたはとってもとってもアメイジングかつエキセントリックな文明なんです!!決して無駄遣いなんかじゃないわ!!百聞は一見にしかずと言います!!お母さまもこのビッグウェーブに乗り遅れちゃダメ!!絶対!!さあさあ極上のあったか体験をレッツトライ!!!」




今度はラピスが母を抱きかかえ、自身が購入したこたつに執拗に誘導するラピス。母ユリ―シアは得体のしれない布団つきテーブルに恐れを為していた。この女王、案外とヘタレである。



「ひいいい!!ちょっと待って!!ラピス!!母はこんな得体の知れない物で暖を取りたくはありません!!君子危うきに近寄らずと言います!!待って!!待ってラピス!!やめて!!怖い!!本当にお母さん怖いから!!」



「かつての大魔導、燦爛の魔女ユリ―シアが何を恐れることがありますかー!!さあようこそ!お母さま!ここがジ=パングが生んだ最後の楽園なのですわ!!」



強引に母ユリ―シアをこたつに押し込むラピス。怯え切った羊のような顔で辺りをキョロキョロと見回しながらこたつの効果を徐々に実感しだし頬を赤らめるユリ―シア。




「はわわわわ。ほえええ。ほわーーーーーー!!何ですの!!これは!!今まで味わった事のない暖かさ!!この幸福感!!ジ=パングのおこたとやら……なんて……恐ろしい子……!!!」



こたつの快楽に堕ちていく母ユリ―シアの姿が、楽しくてしょうがなく卑下た眼でほくそ笑むラピス。



「でしょう!!お母さま!!このおこたは侮れないの!!決して侮ってはいけないものなの!!」



母ユリ―シアがいつも以上に厳格な態度に務める理由があった。それは容姿、才能共に抜群であり、完璧超人と称されたユリ―シアの唯一の欠点であるといってもいい。その欠点とは非常に快楽に弱いことである。食物、スイーツ、嗜好品、アクセサリ、娯楽、果てはオルファンとの夜の営みまで、一度その快楽にハマって溺れてしまうと、とことんまで溺れ尽くすその様は言うなれば悪癖。まさにゴブリンに貞操を奪われる姫騎士の如き溺れっぷりである。



下手をするとその節操のなさは娘ラピス以上であるかもしれなかった。オルファンと大恋愛の末、結ばれる前に、憧れの騎士に淡い恋心を抱き、思い切って告白めいた事をしたが、その快楽に弱すぎる点を指摘され敢えなく振られた事があり、この事は大人になった今も母ユリ―シアのトラウマになっていた。



要はこの母にしてこの娘ありなのである。その点を知って、母ユリ―シアはラピスに必要以上に厳しく指導する面があるのだ。



だが……、



額に脂汗を浮かべながらこたつの解説を熱弁するユリ―シア。



「そう!!暖を取るなら暖炉だけで十分なのですわ!!だけれどもこのテーブル!!このテーブルが織りなす多目的な空間と暖かさが溶け合い、さらなる心のゆとりを産みだすの!!そして何よりもこれですわ!!お布団つきだという事!!!これがまさに天才的……!!とぉーーう!!!」



こたつに入ったままそのまま後方に豪快に寝そべる母ユリ―シア。そして真剣な面持ちで叫ぶ。



「このまま眠りにつく事もできるというね!!!!!」



寝そべってる母の横で、娘ラピスも同じようにどしーんと寝そべり、眼を輝かせながらここぞとばかりに母に同調する。




「そう!!そうなの!!そこに気づくなんて流石私のお母さまだわ!!」




テンションうなぎ上りの母娘の痴態を、端から白い眼で端から凝視しているラピスの侍女兼家庭教師のマリー。



「なんてことなの……。女王陛下様ったら思いっきり姫様に篭絡されているわ……」




ラピスはこうなればもう勝ったも同然だと言わんばかりの顔で、



「お母さま!!極めつけはこれですわ!!」



テーブルにみかんと母ユリ―シアが大好きな紅茶を用意し、どんと置き、差し出すラピス。



みかんをむきむき、口に入れるなり少女のような面持で感激し舌鼓を打つユリ―シア。



「んんん~~!!なんて美味なの!!芳醇なみかんがおこたを引き立てる。程よく暖まったおこたがみかんを引き立てる。こんなんじゃ紅茶も進むわけだわ!!」



ラピスは更に妖しい笑顔を浮かべながらTVをつける。



「さらに!!これ!!!」



見計らったようにTVにイシュタリア歌謡曲の特番が放送されており、母娘ともども大ファンである。イシュタリアの3大歌姫に数えられる。天下無敵のアイドル。ラヴィリア・テスタメントが登場し、ベストヒットの名曲を今まさに歌っていた。ラピスは不敵な笑みを浮かべながらどこからともなく持ち出したサイリウムを母に手渡す。感激の余り叫び出す母ユリ―シア。



「まあまあ!!ラヴィリアじゃないの!!恋のC4爆弾!!!私この曲大好き!!今日はミュージックベストフェアの日ね!!」



「そうなのです!!はい!!お母さまにも!!」



「まあ!!ありがとう!!ラピスったら本当に気が利く娘!!」



2人してこたつに入りぬくぬくと暖を取りながら、満面の笑顔でサイリウムを振りながらラヴィリアと共にベストヒットしたナンバーを歌う。



「愛しているって言葉じゃわからないなら~♪(ラピス)」



「態度で示すしかないじゃない~♪(ユリ―シア)」



「そうさせたのは貴方でしょ?DO YOU KNOW?~♪(ラピス)」



「でもわかったの。私の魅力はこんなもんじゃあないって♪(ユリ―シア)」



「貴方の退屈な日常を爆破してあげる。恋という名のC4爆弾で♪(ラピス)」



「「LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU !! LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU !!愛なんて言葉じゃ全然足りない♪未開拓な世界へふたりで飛ぶの!!♪LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU !! LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU!!想像もできないほど自由な世界が待っている♪ LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU !! LOVE ME NOW !! LOVE SHOW YOU!!いえーーーい♪」(ラピス&ユリ―シア)」




母娘が突然デュエットしだし、こたつに包まったまったハイタッチを行う。母娘のテンションはまさに最高潮だ。その絶望的な様子を端から伺っていた侍女マリーは顔面蒼白な面持ちで白目になってこう思った。



「(イシュタリアは終わった……!!)」



ひとしきりこたつの妙味を味わった母ユリ―シアが真剣な面持ちで悩み出す。



「うううむ。うむむ~~」



横で泣きそうになりながら哀願するラピス。



「お母さま!!おこたは!!おこたはいずれ!!イシュタリアの未来に光をもたらします!!どうか!!寛大な処置を!!!おこたはこんなにも暖かいのです!!」



ユリ―シアの横から耳打ちするマリー。



「いけません。女王陛下。ただでさえお勉強をなかなかなさらない姫様にこんな魔物のような物を与えてしまってはより一層お勉強に身が入らなくなってしまいます!!ここは破棄です。破棄」




「ううううむむむ……!!!」




「マリー余計な事は言わないの!!!お母さま!!!!!!さあさあ!!!おこたは良い文明!?悪い文明!?」




ユリ―シアは悪魔のような表情で一瞬両手を交差して×を作りかけたが、すぐにだらしない天使のような満面の笑顔になって両手で〇を作り。




「良い文明!!合格で~~~~す!!!!ユリー感激!!ラピスのおこたの購入を許しましょうとも!!!」




飛び上がって喜ぶ娘ラピス。



「やったああああああああああああああああ!!!!お母さまってば大好きなの!!!!!」



すっかり娘の策に篭絡された女王に対し、頭を抱える侍女マリー。



「あああ!!!もう!!!!女王様ったら!!!!」



そこへ、勢いよくくるくると空中で回転しながら登場し、歌舞伎役者のような見得を切るオルファン。




「おうおう!!おふたかた喧嘩はやめなすって~!!!その勝負この俺に預けてくねえか~~~い!?って、あ……あれ?案外仲いいじゃん?」




こたつに包まり、母娘二人ニコニコにしながら仲良く抱き合っている姿を見て拍子抜けするオルファン。

そしてこたつを一目見るなり、



「ああーー!!それは!!!そのエポックメイキングな布団つきテーブルは!!!こたつだーーーー!!!!懐かしいなあ!!!」



今や渡航も困難な幻の国ジ=パングの知る人ぞ知るこたつを知っていた父オルファンに驚く娘ラピス。




「お父様!!おこたを知ってるの!?」



得意気に応えるオルファン。



「おうさ!かつて勇者アヴストゥ―ラとして7つの海を越えた大冒険をしてる時にジ=パングに行ったことがあってだな。そこで魔物退治のお礼にって民宿に泊めてもらった時にこたつがあったのさ。すっかり気に入っちまって、出ていく時にこたつごとパクろうとして見つかっちまって店主に怒られちまってな。テへ。その時以来なんだなあ。東西中央と世界が分かれちまって、もう二度とお目にかかれないと思っていたが、こんなとこでお目にかかれるとは~~!!ラピスが買ったの!?すっげえ!!手に入れるの大変だったろう?ほいじゃま、失礼して……くう~~!!これこれ!!!あったけえわあ……!!」




ラピスとユリーの間に入ってくる父オルファン。呑気にみかんなんぞを食べてぬくぬくとしている。母ユリ―シアが興奮気味にオルファンに報告する。



「そうよ!!オル!!ラピスが魔術を使ったの!!!聞いて驚いてね!!!ラピスの得意とする魔術はあの失われし幻想魔術ファンタシーフォースよ!!!やっぱり私とオルの娘だわ!!!」



こたつに包まりながらみかんを食べつつ呆けた顔で聞き返すオルファン。



「またまたあ~~。幻想魔術ファンタシーフォースなんてこの世に存在しないよ」



自分が実際に見た物、感じた物しか一切信じないオルファンはユリ―シアの言葉を信じなかった。この無感動な父にしきりに腹を立てるユリ―シア。



「(この男は……もおおおお!!!)実際に見たの!!私が!!!この眼で!!確かに!!!あなた!!自分の娘の才能を実の父でありながら認めないつもりなの!?」



「いやあ。ラピスはいずれ大魔導師になることは俺だって予見してるよ?でも幻想魔術は流石に盛りすぎだあ。あの聡明なユリーちゃんがまさか幻想魔術なんて架空の魔術体系を信じているなんてちょっとショックだぜ……。あのなあ。言いたかないが魔術の正体は結局何かっていうと精霊を触媒とした化学反応に近い。数ある魔術書(グリモアに照らし合わせればその真意を聞くことができる。ちゃんと公式があり、それに伴う呪文と霊気が備えられている。高度に発達した科学は魔術と似て非なるモノなんだ。本質こそ違えど、共通点は多々あり、魔術は演算でき、証明できる。その共通点をつむぎ、魔術と科学をかけ合わせて更なる高次元文明を作り出そうってのがイシュタリアのウリで初めは俺も賛成だったんだけどねえ。どーにも、魔術と科学はある到達点を越えると人の禁忌に触れるらしくかけわせちゃなんねえものらしい。オブライエン達、六賢者は賢者の身でありながら科学の深淵に触れておかしくなっちまいやがった。前置き長くなったけど、幻想魔術は、何の公式、触媒もいらない。言うなれば現実改変能力だろ?そんなもんこの世に存在しないよ。異端者エメドアは禁呪を作り出すために自身の親や兄弟、あんなに愛し合った恋人まで火にくべたんだぜ?幻想魔術なんかが存在したら、禁呪はもとより全ての精霊魔術がお払い箱になっちまわあ。そんな都合のいいもんないない。ありえないって」



魔術を極めたオルファンだからこその説得力のあるこの言葉に言い返せない自分が悔しくて仕方ないユリ―シア。



「うううう……だって!!だって現に!!!」



「じゃあさ。やってみせてよ」



「「へ?」」



オルファンの何気ない言葉に目が点になる母と娘。こほんと咳払いして母ユリ―シアが娘ラピスに言って聞かせる。



「いいわ!!この愚かな父親に見せてやりなさい!!ラピス!!貴方の本当の魔術!!幻想魔術を!!!」



母ユリーシアに耳打ちするラピス。



「あ……あんまり覚えてないし、私これっぽちも自信がありましぇん……。お母さま……。どうしましょ」



「どうしましょって……。大丈夫よ!!貴方の才能は本物だわ!!私が保証します!!自信を持って!!」



「でもお母さま……。私おこたから出たくない……!!寒いもん……!!」



「な……何を弱気な……!!大丈夫!!母がついてます!!貴方の才能を信じようとしない。あの愚かな駄目親父に目にもみせてやるのですよ!!」



「ううう……。私は別に気にしないけど、お母さまがそこまで言うのならあ……」



渋々こたつから這い出て、軽く準備運動をし、キリッとした真剣な表情になるラピス。無駄に心臓が飛び出そうなほどドキドキしている母ユリ―シア。



呆けただらしない顔でみかんを食べながら眺めるオルファン。




「それでは失礼しまして……えいや!!幻想魔術ファンタシーフォース!!!!!」



奇怪なポーズをとり、魔術を発動させようとするが、何も起こらない。



「ほりゃあ!!幻想魔術ファンタシーフォース!!あちょーーー!!幻想魔術ファンタシーフォース!!」



ポーズを変えながら魔術を繰り出そうとするが依然何も変化はない。



オルファンは力のない呆れ気味な笑顔でユリ―シアに言った。



「ほらあ。何かの見間違いなんじゃない?きっとみんな疲れてたんだよ」



ラピスは顔を真っ赤にして頭を掻いて俯き加減に申し訳なさそうに呟く。



「えへへへへ……やっぱり駄目でした……」



その仕草がオルファンにとってとっても可愛かったらしくラピスの頭を撫でる。



「可愛かったからいいんだよお。ラピスよく頑張ったなー!!魔術は一生懸命になることがまず大事なんだ。心配しなくても今に使えるようになるからねー。こういうもんは焦っちゃ駄目なんだなあ。全くお母さまは夢見がちで困ったねー。ラピスにはラピスのペースってのがあらあな」



突然怒りでバンバンと地面を叩く母ユリ―シア。その挙動に怯えるオルファン。



「何!?ユリーちゃん!?突然!!怖い怖い!!!」



ユリ―シアが怒鳴り声が響く。



「マリー!!!!貴方は確かに見てたわよね!!この駄目親父にラピスの幻想魔術をことこまかくに説明なさい!!!一部始終を!!!」



マリーが眼を伏せて申し訳なさそうに謝る。



「女王様……。誠に申し訳ありません。あの時、私は、眼を瞑り神に祈りを捧げておりました故……」




「キィィィィィィィィ!!!!私は見たの!!!ラピスは天才魔術師なの!!!!私の自慢の娘はエゼルディア一のだ・い・て・ん・さ・い魔術師なのおおおおおおおおおおおお!!!!」



自分以外、娘ラピスの幻想魔術を目撃した人間がおらず、怒りの余り突然発狂しだす母ユリ―シア。



オルファンとラピスが恥ずかしさに顔を真っ赤にして慌ててユリ―シアの暴走を制止する。



「いやいやユリーちゃん!!俺も人の事あんま言えねーけど、なんつー親バカっぷりなんだ!!そういう事は基本人から言って貰うものだからね!!」



「天才だなんて聞いててこっちが恥ずかしいですわ!!!やだーーー!!!お母さま!!!そもそも私全然覚えてないからやだーーーー!!!」



ピタッと突然制止して、向き直り、こたつに入りつつ紅茶を飲み干すユリ―シア。



「わかりました。オル。あなたの眼がここまで節穴とは知りませんでした。いいこと?ラピスこうなったら、明日からマンツーマンでこのかつて燦爛の魔女として謳われたユリ―シア・メルトアイリスがあなたを鍛えます!!!本気で!!厳しく!!ビシビシいくのでくれぐれも気を抜かないようにね!!!」



真っ青な顔になって思わず口答えをするラピス。



「あ……明日からって、が……学校は……!?明日の放課後、エリちゃんとミーアちゃんとスイーツ巡りするって約束したのに!!あとあとあと!!来月にはずっと楽しみにしてた修学旅行があって、花の都ブーテンバークに行くのに……!!お母様!?」



「そんなものは当分休学に決まっています!!!遅れが出ないように勉学はマリーが教えます!!!そんな些細な事より!!!ラピスあなたの幻想魔術の力を引き出す事が大事です!!!!あなたが本当の意味で覚醒し、イシュタリアの真の女王の座に就くためには母は手段を選びません!!そしてあなたの才能を信じようとしないこのまるで駄目な親父に目にもを見せてやるのです!!!」



クラッと意識を失いかける娘ラピス。ただでさえ厳しい英才教育を施されているラピスにとって唯一といっていい心の安らぎが学園生活であり、なにより気の合う友達との交遊はラピスにとって欠かす事のできない心の拠り所であった。



「些細な事って……(やっぱりお母さまとはわかりえない……!!この人絶対に頭がおかしいんだわ……!!)」




一度は和解したかに見えた母ユリ―シアと娘ラピスの激しい戦争が再び勃発する。いがみ合い、罵り合い、お互い物を投げ合っててんやわんやになる。が、二人とも身体は決してこたつから出てはいない。こたつから一切出ずにお互いの主張を一切曲げずに壮絶に張り合っている母娘。高等技術であるにはある。



二人の喧嘩をよそにふとオルファンが何か考え出す。



「(のおおおおお!!!やっぱり始まってしまったか!!!ぼちぼち二人の喧嘩を止めねばなるまいが!!こう間近で見ると正直言ってかなり怖ええ!!下手な止め方して二人から嫌われるのは嫌だし。ううう……。それにしてもこたつはいいなあ(現実逃避)とってもあったかいんだぜ!!俺の部屋にもひとつ欲しいなあ。流石東洋の神秘ジ=パングときたもんだあ。んん??あ!!!そうだ!!!

精霊祭の後夜祭!!!イケる!!これだ!!これに決まりだーー!!!)」




オルファンが突然叫び出す。



「閃いたー!!!!」



鬼のような形相でいがみ合ってる母ユリ―シアと娘ラピスがオルファンにくってかかる。



「何がですが!!?」



「突然何なの!?お父さま!!今それどころじゃ……!!」




オルファンが満面の笑顔で答える。



「イシュタリア精霊祭の後夜祭だよ!!!!後夜祭だよ!!ジ=パング方式!!!!ジ=パング方式のお祭りに決まりだーーー!!!!」



読んでくださってありがとうございました~~!!なおディアボロスは不定期更新です。

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