0-37話 第一次降魔事変 その3
遂にというか、やっとというか、ディアボロスも10000PV到達しました!!そして連載開始してほぼ1周年ですかね。わーい!わーい!おめでとうございます!!飽き性で根性がない自分がこれほど連載を続けられるとは、ひとえに読んでくだっている読者様のおかげでございます。非テンプレロボットものというマイナージャンルを続けるのはとても大変ですがこれからものんびり頑張っていこうと思っています。どうかこれからもよろしくお願いします。
悪魔は更に速度を増しながら虚空の円を描き、猛撃の連打をプルートゥのドラウグ二ィ―ルに次々と叩き込んでいく。ドラウグ二ィ―ルのガードを強引にはじき飛ばし、装甲をぶち抜いていく恐るべき威力を秘めた猛攻の乱舞にプルートゥの額に汗が浮かぶ。
防戦一方では明らかに不利である事を悟り、意を決して被弾覚悟で前へ出るドラウグ二ィ―ル
「がああああああああ!!全弾急所を狙ってきているだと!?この威力!!この技のキレ!!まさか本当に虚空無円を見ただけで……、いいや!!断じて違う!!修練に修練を重ねて会得したレギア・クォンタムは!!虚空無円は一朝一夕でできるほど安っぽくはないぞ!!舐めるなよ!!悪魔め!!本物と贋作の違いを今見せてやるぞ!!、覇道・虚空無円!!!うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
再びドラウグ二ィ―ルの外部装甲が展開し、禍々しい狂戦士形態に変形し、先ほどの虚空無円より更に勢いを増した文字通り全身全霊の奥義を繰り出す。ドラウグ二ィ―ルの描き出す奥義の円の軌跡と、悪魔が描き出す暴虐の円の軌跡が激しくぶつかり合う。限界を超えた圧倒的な猛撃の乱舞を叩き込み、悪魔のスピードを上回るドラウグ二ィ―ル。人体の急所と言われる箇所に絶妙といっていい角度で、ドラウグ二ィ―ルの猛撃が悪魔に炸裂しその痛烈な痛みに絶叫する悪魔
ギャァアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアス!!!
プルートゥは更に乱舞を叩き込みながら声高に叫ぶ。
「どうだ!!どうだ!!どうだあああああああああああ!!!これこそがレギアの極意の真骨頂!!知性があるのは驚いたが、所詮はそれまでよ!!貴様如きに扱えるシロモノではない!!今度は二度と再生できないように八つ裂きに斬滅し、我がドラウグ二ィ―ルの究極兵器ギャラルホルンで塵一つ残さず吹きとばしてくれる!!吼えろ!!ヴァルムンク!!狂戦士形態全開!!!!!極聖獄竜………がはあっ!!!!」
限界を超えた反動なのか、突如プルートゥの顔色が悪くなり吐血する。ドラウグ二ィ―ルが大剣ヴァルムンクを振りかざそうとした瞬間急にベルセルク形態が解除されパワーダウンし膝をつく。
「し……心臓が爆発しそうだ……!!限界を超えた反動か……狂化が……過ぎたか……!!」
悪魔はニヤリとほくそ笑み舌なめずりをする。その気配を察知したオルファンが絶叫する。
「プルートゥ!!!!!逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
悪魔の虚空無円をコピーした悪夢の猛撃が再開される。死に体になっているプルートゥのドラウグ二ィ―ルはその猛撃の乱舞をまともに喰らう羽目になってしまった。その猛撃はだんだんと速度や威力を増していき、一撃一撃の度に捻りを加えだし、更には虚空無円とは別の凶悪な攻撃方法へと徐々に進化していく。その尋常ではない攻撃方法に大いに苦しむプルートゥ。
「ぐおおおおおおおおああああああああああああああ!!!!!……違う!!この技は……も……もう……こ……虚空無円ではない!!虚空無円より遥かに……強力な!!別の……!!なにかだあああああああああ!!!ま……まさか……!!こんなことが……!!があああああああああ!!!」
悪魔がプルートゥのドラウグ二ィ―ルを嬲る度に心底楽しそうに嘲笑する。
ゲババッ!!ゲババババババババババハハハハハハハッ!!ゲバハハハハハハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
ヴィクトルが下唇を噛んで呟く。
「野郎……!!楽しんでやがるってのか……?」
血だらけになって猛撃に耐えているプルートゥにある種の疑念が湧いた。
「下衆がああああああ!!!!だんだんと、意図的に、きゅ……急所を外しはじめてきている!!!!まるでいたぶる事を楽しむように!!私を……!!私を嬲り者にして玩具にする気かああああああああああああ!!!このような屈辱!!断じて甘んじる事はできんぞ!!!!ディアアアアボロォォォオスゥゥゥゥゥゥ!!」
永遠に続くと思われる悪魔の猛撃にその身を挺して、被弾しながらも悪魔の両腕をとったプルートゥのドラグ二ィ―ル。手四っつの形にお互いに両腕と両腕が組合う状態になる。
「ドラウグ二ィ―ル!!パワー全開だ!!ガウディ!!!ギャラルホルンを最高出力で撃つ!!!出力調整を頼むぞ!!!!」
ガウディから無線が入る。
「危険じゃゃああああああああああああああ!!!その密着状態からギャラルホルンを撃てばプルートゥ!!!お前さんとドラウグ二ィ―ルも跡形もなく吹き飛ぶぞ!!!」
「構わない!!元よりそのつもりだった!!奴に一矢報いる事ができるのであれば私の命などくれてやる!!!頼む!!ガウディ!!!」
「……プルートゥ……!!撤退するんじゃ!!悪魔を分析、解析してみた!!質量、熱量、生態系、全てが未知数じゃ!!!エネルギー係数に至っては66666666RGを越え、今もなお膨張しておる!!あのでたらめな再生の瞬間をお前も見たであろう!?あれは、細胞レベル……下手したら分子レベルの復元能力を有しておるんじゃあ!!」
「この期に及んで臆したのか!!ガウディ!!一体何が言いたい!?」
「……あり得ないんじゃ!!ワシは今でこそ兵器開発者なんぞヤクザな仕事をやっておるが、元は生物学者じゃ!!このエゼルディアに生息する古今東西の生物の生態系はほぼ把握しておる!!そしてイレギュラーである度重なる戦乱による大気汚染が原因で狂った異生態系獰猛なモンスターと言えるレプリカントクリーチャー。そのレプリカントクリーチャーを遺伝子レベルで組み替えた、合成獣、果ては遥か東の世界にあるファブリーファイズの森の幻獣種たち!!そのいずれでもない。いずれも該当しない未知の生物!!!それが悪魔じゃ!!ワシは未知の生態系に出会うとまず心が踊る!!だが一切それがない!!あるのは異常なまでの心身が凍り付く震え!!即ち圧倒的な恐怖だけじゃ!!いいか!?プルートゥ!!あの悪魔はこの世に存在してはいかんものじゃ……!!仮にこの世界が神が構築した巨大なプログラムとすれば、あの悪魔はそのプログラムの歪から生まれた手に負えないバグのようなものじゃ!!プログラムそのものをクラッシュしかねない!!重大なバグなのじゃ!!撤退じゃ!!!今は撤退するんじゃ!!例えお前とヴィクトルが死力を尽し、オルファンが精霊王の力に覚醒しても悪魔には勝てん!!!断言してもいい!!」
「いいたい事はそれだけか……?」
「……なっ!?プルートゥ!!」
「この世界は神が構成したプログラムではなく、血の通った人間が生きる世界だ!!悪魔はバグではなく生物であれば命があり、その命は断つ事ができる!!私の命でな!!!狂戦士形態!!!! ガウディィィィィィィィ!!!ギャラルホルンの出力を臨界まで上げろおおおおおおおおおおお!!!」
再びプルートゥの身体の周囲をドス黒いオーラが充満し、ドラウグ二ィ―ル・ベルセルクとなり、がっしりと悪魔の両腕を掴み押し返すように力と体重をかける。
アギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
「プルートゥ……!!ワシは……!!ワシは……!!お前さんを死なせたくないんじゃ……!!」
「ガウディィィィィィィ!!!頼む!!!後生だ!!!!」
溢れる涙を止められず、ガウディは意を決する。
「ええい!!ままよ!!プルートゥ!!どうなっても知らんからな!!ギャラルホルン出力チャージ!!!70……80……90……100……!!120%!!!」
オルファンとヴィクトルは玉砕覚悟のプルートゥのドラウグ二ィ―ルを見て焦りだす。
「オイオイオイオイオイオイ!?あの距離でギャラルホルンを撃つのか!!?プルートゥ!!あいつ死ぬ気なんじゃねえだろうなあ!?」
「早まった事しやがって!!オルファン!!!!お前のソルレリアスと俺のダークナイトメアで止めるぞ!!俺とお前で同時に叩けば悪魔の動きを止められるはずだ!!」
「わかったぜ!!!今行くぞ!!プルートゥ!!(これからのイシュタリアは誰が欠けてもいけねえんだ!!特にプルートゥ!!お前が死んだらラピスに何て言やいいんだよ!!)」
オルファンのソルレリアスとヴィクトルのダークナイトメアが組み合っているドラウグ二ィ―ルと悪魔にブースターを吹かし急速接近する。
ドラウグ二ィ―ル・ベルセルクの肩に積まれていた二門の超巨大砲門に尋常ではないエネルギーが収束されていき、至近距離の悪魔に照準を合わせる。プルートゥは狂気に満ちた表情で叫ぶ。
「ふふふ……ははははははは!!悪魔!!貴様に渡すのは地獄への片道切符のみよ!!薙ぎ払え!!!恒星の瞬きにも匹敵する!!ギャラル………!!!何!!!????」
突如組み合っている悪魔の両腕の筋肉が異常なまでに発達し、目に見える程膨張していく、瞬く間に通常の2倍強は膨れ上がり、プルートゥのドラウグ二ィ―ルの両手、両腕を握りつぶす。その鈍い痛みに絶叫するプルートゥ。
「ぐううあああああああああああああああああああああああ!!!」
ガウディが悪魔の突如とした異常な生態の変化に畏怖する。
「な……なんと……再生能力だけではなく……!!こやつ……瞬時に細胞を組み替え、肉体の特性を変化させる特徴を持つのか!!!」
膝をつき、両手、両腕を握りつぶされ、照準を合わせていたギャラルホルンの砲身が悪魔の急所から大きくズレ、折角チャ―ジしたギャラルホルンのエネルギーも40%以下に散ってしまった。プルートゥは滝のような汗を流し、苦悶の表情を浮かべながら絶叫する。
「身体のどこかに当たればいい!!!!!悪魔よ!!我が魂の咆哮を聞けええええええええ!!ギャラルホルンンンンンンンンンンンンンンン!!!!発射アアァアアアアアアアア!!」
ドラウグニィ―ルの肩に実装されている超巨大砲門からおびただしいエネルギーの奔流が遂に放たれ、悪魔の腹部にぶち当たる。
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!!!
例え40%の出力でも、至近距離によるギャラルホルンの余波によって自身の身体、機体ともどもバラバラになりそうな衝撃を必死で耐えるプルートゥとドラウグ二ィ―ル。
「ぐぐぐぐぐう………!!!ぐうぐぐうううううううううううううう!!あああああああああ!!」
悪魔は大いに悶え苦しみ、プルートゥとドラウグ二ィ―ルの切り札であるギャラルホルンは悪魔に痛烈なダメージを与えている事が確実に見て取れた。
喜び勇むガウディ。興奮してプルートゥに無線を送る。
「なんと!!!なんと!!!思いのほか効いとる!!!効いとるぞおおおおおおおおおお!!ヒャハハハハハハ!!!流石ワシが開発したギャラルホルンじゃ!!!プルートゥ!!お前さんの策は成ったぞい!!!!」
プルートゥは悔しそうに呟く。
「ぐううううううう!!ちっ!!120%の出力でぶち当てられなかったのが心底残念だ……!!まあいい!!このまま押し切ってやる!!!!」
「120%のフル出力で叩き込んでいたら今頃お前さんとドラウグ二ィ―ルは耐える間もなく跡形もなく消し飛んでいたわ!!逆に僥倖じゃわい!!40%以下でもこの至近距離よ!!悪魔にはたまらんはずじゃ!!!倒せる!!た……倒せるぞい!!!全くプルートゥ!!お前さんはやはり大した奴じゃわい!!」
グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!ギゴアアァアアアアアアアアアアアアアアア!!!アガアアァアアアアアアアア!!
苦しみのたうち回る悪魔。プルートゥはギャラルホルンの砲身の照準を悪魔の急所と思われる額に合わせ直し、徐々に腹から額にギャラルホルンのエネルギーの奔流を移行させていく。更に苦しみのたうち回る悪魔。勝利を確信したプルートゥとガウディ。ガウディは涙を流しプルートゥに語り掛ける。
「プルートゥ!!お……お前さんにドラウグニィ―ルとギャラルホルンを託して良かった!!お前さんはいつもそうじゃ!!いつも正しい事の為に悪辣なワシの発明を導いてくれる!!悪魔よ!!!いやはや、お前さんを見た時は生物学者として鳥肌が立ったよ……。お前さんのような生物がいるとはなあ……。だがここはお前さんがいるべき居場所ではないのだ!!凡百なワシには想像もつかん!!あるのであろう?お前さんの故郷!!混沌の世界が!!その世界に還るがいい!!!!!そしてもう二度と姿を現すでない!!」」
プルートゥも合わせて絶叫する。
「悪魔!!!!我が生涯の怨敵!!悪しき邪悪よ!!光の彼方に消え去れええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
ギャラルホルンのエネルギーの奔流がまさに悪魔の額に命中しようとしたその瞬間。
カ パ
「へ?」
「何!?」
ガウディとプルートゥが一瞬何が起こったかわからない様子で悪魔の動向を見る。
大口を開けた悪魔がなんとギャラルホルンのエネルギーの奔流を飲み込みだしたのだ。
ガフン!!! ガフン!!!ガフン!!ガフン!!ゴフゴフゴフ!!!!ゴフゴフゴフゴフ!!!
顔面蒼白になるプルートゥとガウディ。目の前に起こる現実が自身の理解の範疇を越えていて理解できない。信じられない。
ゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフゴフ!!!ガフン!!!
とうとうギャラルホルンの膨大なエネルギーの奔流を悪魔は全て飲みこんでしまった。
呆然とするガウディとプルートゥ。
「ギャ……ギャラルホルンを飲み込みおった……!!」
「そんな……バカな事が……!!!」
アガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!
悪魔は突如食あたりをしたかのような胃袋を抑え、苦しみだし、しばらく一次、痙攣したかのような仕草を見せたかと思うと、どうやら復調したようで堂々と雄叫びを上げる。
ウゴォグオアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ググググググ……。ググググ……。
心なしか身体が、いや、これは明らかに悪魔の巨体がさきほどよりも、更に大きくなっていっている。そして角と牙が明らかに鋭利に太く伸びている。顔も以前より凶悪な面構えになっている。
ガウディは心の底から怯えつつこう言った。
「こ……こやつ……!!もしや……いや……そうとしか……そうとしか……考えられない……!!ギャラルホルンを……喰って……!!し……進化しおったのか……!?」
指の爪を噛みガクガクと震え出すガウディ。
「世界は……終わりじゃ……」
大剣ヴァルムンクを地に突き刺しガックリと膝をつくプルートゥのドラウグ二ィ―ル。プルートゥの瞳に最早光はなかった。
「万事は……休した……」
プルートゥは静かに戦意を喪失した。
つづく
読んでくださってありがとうございます!!なおディアボロスは不定期更新です!!




