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ディアボロス  作者: HEN
episode 1 イシュタリアの精霊王
24/71

0-24話  バウンティディヴィジョン  ヴァナティック邸の攻防  その23

ぼちぼち書き溜め期間を設けしばらく休載しようかなあと思っています。なんか1万字以上がデフォになってきましたねw週間連載なのでいいかなあとw読むのが大変と思いますが許してください。それでは24話の始まり始まり~。

一方グレイヴ機を大技で叩き落としたドイル機は空中で体勢をふらつかせる。ドイルがうめき声を上げる。


「ぐううう……!!いってええええええ!!ちっアバラが数本持って行かれてやがる……!!あの野郎……!!常識外れの無茶苦茶な動きでしこたま殴っていきやがって……!!あの動き模擬戦では見た事すらなかったぜ……!!三味線弾いてやがったんだ……!!心底嫌な奴だぜ……!!」


苦虫を噛み潰したような顔で苦悶するドイルの顔をラッキーが心配そうにのぞき込む。


「アニキィ!?大丈夫かい?痛むのかい?すぐ鎮静剤投与と痛み止めと止血をするから!!パイロットスーツを一旦脱いで!」


薬を口に咥え、器用にドイルに投薬と止血を施すラッキー。その献身ぶりに頭が下がる想いのドイル。


「ラッキーよ。本当にお前は使える奴だぜ。パイロットの身体の看病までしてくれるサポートAIなんて俺はお前しか知らねえ!があああ!!おおおお!痛みが消えたぜ!!!動く動く!!サンキュー!!ラッキー!!」


ラッキーの頭を優しく撫で頬擦りするドイル。照れるラッキー。


「よ……よしてくれよお!アニキだからこそオイラはここまでやるんだ。他のパイロットだったらここまでやらねえよ!」


ドイルは、はにかんで豪快に笑う。


「わはははははははは!!嬉しい事言ってくれちゃって!!!俺の相棒はお前だけだぜ!!ラッキー!!」


上空にはサンサンと輝く太陽が2つ昇っていた。ここ惑星エゼルディアは銀河系でも少々特殊な星域に位置し、太陽が2つ存在するのだ。なので昼が長く夜が短い。


ドイル機は腕組をして空中で仁王立ちをしながら、うんうんと頷いて空に輝く太陽を見上げる。


「見ろよ!!ラッキー!!あのでっかいお天道さまを!!素晴らしい眺めじゃねえか!!ついにこの世で一番ムカつく奴をぶっ殺したこの爽快感!!なんともいえねえほど気持ちのいいもんだ!!俺のバラ色の人生はやっとここから始まるんだなあ……」


すっかり当初の任務を忘れて謎の充足感に満ち足りているドイルにラッキーが苦言を呈す。


「味方殺しはあんま褒められたもんじゃあねえが、仕掛けてきたのはあっちからだもんなあ。すげえ殺意があったし、あれは避けられねえよ。オイラ達は降りかかる火の子を払ったまでだ。それはそうとまだブラッディファントムがいるぜアニキ!!そして本当の任務はヴァナティックの捕獲だよ!!!」


「おっと!!そうだったな!!俺とした事がすっかり熱くなって忘れていたぜ……!!だがよおヴァナティックらしき反応が全然見当たらなかったぜ?もう逃げてんのか?」


「大分時間が経過してるから、もうとっくに遠方に逃げていてもおかしくはないんだけどマルチセンサーでヴァナティックを補足しようとオイラもずいぶん前から網を張ってるんだが全然引っかからねえ。まさかまだ……」


デスペラードのフロントモニターに警告音のアラートがなる。ラッキーがすかさずドイルに迫りくる脅威を伝える。


「9時の方向!!敵の反応がある!!!凄まじい勢いでこっちに近づいてくるぞ!!」


ドイルが鼻息荒く息を巻く。


「残るはブラッディファントムのバカどもってか!!よーーーし!!軽く片付けてヴァナティックの豚野郎を探し出すぞ!!」


「違う!!違うぞ!!この反応は!!!メガネ兄ちゃんのデスペラードだ!!!!」


「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!殺ってねえだとお!!手ごたえは十分にあった!!一転して……さ……最悪の気分だぜ……!!あのメガネバカは不死身なのか!?」


「アニキ!!恐らくラグナ二ウムだよ!デスペラードとの同調(シンクロ)パーセンテージが過剰に上昇するとフォースエーテルリアクターを通してラグナ二ウムが損傷を修復する力も上がっていく。メガネ兄ちゃん、或いはあのクソ執事がそれをコントロールする術を覚えつつあるってことかもしれねえ!!速い!!来るぞおおおおおおおおおおおおおお!!」


もう目と鼻の先まで猛烈な勢いで近づいきているグレイヴ機。グレイヴが吠える。


「ドイルウウウウウウウウウウウウ!!!今のは効いた!!今のは効いたぞおおおおおおおおお!!!」


慌てて戦闘態勢に入るドイル機。


「そのままくばってりゃあいいいものをよ!!!」


グレイヴはドイル機の機体が戦闘態勢に入り切る前に生じる僅かな隙を見逃さなかった。グレイヴが叫ぶ。


「遅い!!隙だらけだぞ!!ドイルウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」


ブースターの出力を上げ、一気に駆け抜け、ハルバートランチャーでドイル機の横腹を切り抜けるグレイヴ機。以前より更に動きが鋭くなっている。その余りの鋭い一撃にドイルが絶叫する。


「ぐわあああああああああああ!!!ちくしょおおおお!!!!!なんでこいつはこんなにも元気ハツラツなんだよ!!この一撃!!片腕のパワーじゃねえええぞ!!ボケが!!」


更にグレイヴ機のハルバートランチャーの華麗な連撃は続く、ドイル機も大剣を振るい応戦するがグレイヴの完璧な間合い管理もあって虚しく空を切る。グレイヴが眼鏡を位置を直しながら言い放つ。


「感謝するぜドイル!!俺は確かに地獄を見た!!更に俺は強くなる!!そして貴様の動きはもう見切った……!!大したものだよ。パワーやそれに付随するスピードもな!!だが貴様の動きは直線的で単純だ!!お前にも地獄を見せてやるぜ!!!ドイルウウウウウウウゥゥウウウウゥゥウゥゥ!!!」


散々ドイル機を斬りつけた後、トドメと言わんばかりにハルバートランチャーの砲撃を撃ち放とうとするグレイヴ機。ドイル機がその瞬間すかさずスナイパーライフルを構える。


「させるかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


ハルバートランチャーとスナイパーライフルが同時に撃ち放たれる。僅かに身を翻すグレイヴ機。スナイパーライフルの弾丸はグレイヴ機の肩を掠めていき、ハルバートランチャーの砲撃はドイル機に直撃し遥か後方に吹き飛ばされ轟音とともに岩石郡にめりこんでいく。


「ぐわああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


更に構え警戒するグレイヴ機。


「さあ立てドイル!!お前はこんなものではないはずだ!!!さっきの力を俺にみせて見ろ!!!!」


岩石郡にめりこんでいるデスペラードのコクピットの中で不敵に笑うドイルそして大いに咆哮する。


「俺様のおおおおおおおおおおおおおおお!!!怒り爆発!!!!!!!」


岩石郡を吹き飛ばしひときわ強い光のオーラを爆発させるドイル機。ラッキーが途端に笑顔になって叫ぶ。


「キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!同調(シンクロ)パーセンテンージ355突破!!!アニキ!!!!いっけえええええええええええええ!!!!!」


「おうよ!!なんだかコツがわかってきたぜ!!コイツの力を引き出すコツがよおおおおおおおお!!」


ドイル機はとりわけ大きな岩石を持ち上げ始める。大きい。とても大きな岩石だ。ラッキーはドイルの奇抜な行動に驚きを隠せない。


「あ……アニキ……!!一体に何をするつもり……?」


ドイルは笑いながら言い放つ。


「知れた事よ!!!おい!!そこのメガネ!!!お前!!俺の攻撃を見切ったつったなあ!?見切れるもんならああああああああああああああああああああああ!!」


「ま……まさか……ア……アニキ……そのバ……バカでかい岩を……持ち上げて………!直径200m以上はあるぞ……!!いくらなんでもデスぺラードでもそれは無茶……!!」


ドイルが全身に力を込める。デスペラードの機体に強い光のオーラが収束する。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


ラッキーが汗を流しながら呟く。


同調(シンクロ)パーセンテージ!!450を突破!!ま……まだ上がっていく!!」


ドイル機が大岩を持ち上げてグレイヴ機に勢いよく投げつける。


「見切ってみやがれええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」


そのドイルの奇抜な戦術、何よりあり得ないほど大きな岩石を持ち上げ投げるつける怪力にオルブライトは驚愕する。


「なんという無茶な事を!!グレイヴ様!!!回避を!!!!この一撃を貰ったらさしものデスペラードも跡形もなく完全に大破します。ラグナ二ウムでももう修復できません!!グレイヴ様!?」


歯を噛みしめ、ドイル機の動向とその迫りくる巨大岩石を睨みつけ一歩も動かないグレイヴ機。


「ふん!!相変わらずふざけたバカ力だ!!だがそうこなくてはな!!!オルブライト!!!俺はもう一歩も退かん!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


グレイヴが吼える。グレイヴ機の機体から強い光のオーラが爆発する。オルブライトが震えながら呟く。


同調(シンクロ)パーセンテージ!!440を計測!!全くこのお人は……底が知れませんね!!」


「斬って捨てる!!!!!!!!!」


巨大な岩石をハルバートランチャーの凄まじい斬撃で真っ二つに勢いよく叩き斬るグレイヴ機。その大胆な立ち振る舞いに唖然とするラッキーとオルブライト。ドイルはグレイヴのこの行動をある程度予測していたのか不敵な笑みを浮かべている。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


更に岩石を細かく斬り刻むグレイヴ機。オルブライトがグレイヴの大胆極まりない回避方法に呆れたように脱帽する。


「まさか……あの巨大な岩石を叩き斬るとは……!!持ち上げる方も持ち上げる方ですが叩き斬る方も叩き斬る方です!!全く!!(これは少々わたくしの予想のおよばない戦いになってきましたねえ……)」


ラッキーもグレイヴの豪胆さに驚きすくみあがる。


「アニキィィィィィ!!信じられねええええええ!!メガネ兄ちゃん!!あのバカでかい岩石をぶった斬りやがったあああああああああああ!!!」


ドイルは威勢よくラッキーの心配を吹きとばすように答える。


「あれは撒き餌ってやつだぜ!!!あのバカひっかかりやがって!!負けん気の強いエリートなんざチョロイもんよ!!!ラッキーいくぜえええええええええええ!!!振り落とされんなよおおおおお!!!」


ドイル機はブースターの出力を臨界まで上げ突撃する。グレイヴ機の叩き斬ってまだ浮遊している岩石の破片の数々を足場にしながら死角へ死角へ回りこみ、グレイヴ機に向かって超高速かつ鮮やかな連続攻撃を仕掛ける。ザンバーの斬撃や拳や蹴りによる怒涛の連続攻撃が岩石の破片を足場にしながら稲妻のような勢いで立体的に繰り出され一方的に連続攻撃を浴び続ける羽目になるグレイヴ機。血反吐を吐き悶絶するグレイヴ。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!あの野郎!!!岩石は布石か!!!!小賢しい真似をおおおおおおおおおおおおお!!!」


浮遊している岩石の破片をつたい、上から下から左から右から縦横無尽に超高速な攻撃を繰り返すドイル機。


「オラオラオラオラオラオラオラ!!!どうしたあああああああああ!?俺の攻撃を見切ったんじゃあなかったのかあああああああ!!クソエリートさんよおおおおおおお!?まだまだどんどん速くなっていくぜえええええええええええ!!!!」


グレイヴ機はドイル機の猛攻を喰らいながらも、なんとか反撃しようと要所要所でハルバートランチャーの斬撃を振るうも岩石の破片に当たるばかりで要領を得ない。


「ぐわあああああああああああああああああ!!ぐううううううううう!!ちっ!!!!!岩石が邪魔でドイルの動きを完全に捉える事が困難だ!!!あの単細胞がこんな奇策で仕掛けてくるとは!!」


オルブライトがグレイヴに耳打ちする。


「ドイル王子の癖を発見しました。恐らく次の行動はまず左にフェイント、そして得意の右斜め45度から斬りかかってきます」


グレイヴがオルブライトに応える。


「恩に着るぞ!オルブライト!そのチャンス!モノにしてみせる。奇策には奇策だ!!」


ドイル機の猛攻を喰らい続け、ついには体勢が大きくふらつくグレイヴ機。ドイルは好機とばかりに叫ぶ。


「貰ったぜ!!!くたばりやがれ!!!!」


ドイル機が左にフェイントを加え、本命の渾身の斬撃を右斜め45度から斬り放つ。


凄まじい風斬り音が響き、ドイル機は剛剣に足をとられよろめく。ドイルは素っ頓狂な声を上げる。


「あらららら!?確かに斬ったよなあ?ま……まさか……!!」


ラッキーが慌ててドイルに状況を伝える。


「アニキ!!そいつは残像だ!!!上から来るぞ!!!気をつけろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


グレイヴが上空にある岩石の破片を足場にしてニヤリと不敵な笑いを浮かべ言い放つ。


「攻守交替だ!!ドイル!!!喰らえ!!デッドエンドストォォォォォォォォォォォォム!!!!」


今度はグレイヴ機が次々と岩石の破片を足場に多数の残像を持つ超高速な必殺の連撃をドイル機に繰り出す。ドイルは歯をくいしばりグレイヴ機の猛攻に耐えながら気合いを入れ直す。


「ちくしょおおおおおおおお!!いちいちやることがみみっちいんだ!お前は!!くそがああああ!!!負けてたまるかってんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


両雄舞い散る岩石の破片の数々を足場に超高速の戦いを繰り広げ、激しくぶつかり合う。


ドイルがとある事に気づき始める。


「ちっ!!ラッキー!?俺がさっき散々殴ってベコベコにへこませた傷がもう直ってやがるぞ!!舐めてんのか!?折角あんなに殴ったのにいいいいい!!!ああああああ!!もおおおおおおお!!!デスペラードっつーのは敵に回すと本当に厄介だぜ!!!!」


「そ……そんなこと……!お……オイラに言われたって!!デスペラードは対悪魔(ディアボロス)用に作られた機体だから自己修復能力はピカイチなんだよ!!まさか……まさかデスペラード同士がガチで戦うなんて思いもよらなかったから対応策なんて……!あ!!」


「あるぜ……!!とーーーーーってもシンプルでわかりやすい倒し方がなああああああああああああああああああ!!!」


グレイヴもドイルと同様の事を思っていた。


「ふん!ドイルのデスペラードのダメージがほとんど修復されている。俺の撃ったハルバートランチャーの砲撃の傷もデッドエンドストームの傷もだ!!とんだ化け物だな!!デスペラードデュエル!!ならばやる事はひとつだ!!!!」


ラッキーとオルブライトは寒気を覚える。


「アニキ!!まさか!!」


「グレイヴ様!!まさか!!」


ドイルとグレイヴは同時に叫び、両雄渾身の一撃を繰り出す。




「「コックピットを狙う!!!!!」」



両者のコクピットを狙った渾身の一撃がお互いの急所を掠めていく。あと僅かに数cmずれていたらコクピットに直撃してお互いに即死だったところだった。


悔しそうにドイルが唸る。


「ちいいいい!!考える事は!!!!!」


呼応するようにグレイヴも叫ぶ。


「同じという事かあああああああ!!!」


両雄激しくぶつかりあい、粉々になった岩石の破片も全て地上に落ち、ドイル機とグレイヴ機はそのままぶつかりあいながら地上戦に突入していた。


その瞬間。両機めがけて凄まじいまでの弾幕の嵐が降り注ぐ。ドイルが思わず声を上げる。


「いだだだだだだだだだだだだ!!!!!」


グレイヴもしかめっ面を浮かべ苦悶する。


「ぐううううう!!!誰だ!!!男の真剣勝負に水を差すような真似をするのはああああ!!!」


サンダースが威勢よく声をあげる。


「貴様らあああああああああ!!!誰か忘れちゃいませんかあああああああああああああってね!!!貴様らだけで盛りやがってからに!!!貴様らの本当の敵は小生たちブラッディファントムじゃあああああーりませんかあああああああああああああああ!!?」


ドイルやグレイヴがブラッディファントムそっちのけで戦っている間に、ブラッディファントムは増援部隊と合流しその数なんと150機にも膨れ上がっていた。


サンダースは数にまかせて号令をかける。


「そこのエリート面!!!さっきはよくも恥をかかせてくれたなあああああああああ!!!いくら強かろうと所詮は2機!!この大軍勢に勝てるわけはなかろうなのだああああああああああ!!全軍そのまままああああああああああああああ撃て撃て撃て撃て撃てえええええええい!!!」


総勢150機の一斉射撃をまともに喰らってしまってはさしものの強化されたデスペラードデュエルも多大なダメージを受け、満足に身動きがとれない状況に陥る。


ドイルが苦悶の声を上げる。


「ちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!いてええええええええええええええ!!いつのまにあんなに増えてんだああああ!?このままじゃあジリ貧だぜ!!そうだ!!いい事考えついた!!」


「アニキ?いい事って!?」


「しーーーーー!黙ってろってすぐにわからい!!」


何やらにやけるドイル。グレイヴも予想以上にブラッディファントム隊の一斉射撃が激しく満足に身動きがとれずにいる。


「ぐうううううううううう!!流石にこの数の砲撃は応えるか!!!だが所詮は烏合の衆!!!すぐに突破口を見つけてみせる!!………ぷわ!!!!」


突然グレイヴ機の身体を後ろからがっしりと羽交い絞めにし、そのまま盾にして弾幕を防ぎつつ猛烈な勢いで敵陣に向かって走り出すドイル機。


150機の一斉砲撃を一身に受けながら激昂するグレイヴ。


「貴様ああああああああああああああああああああああああ!!ドイルウウウゥゥウウウウウゥゥ!!何てことをしやがるんだ恥をしりやがれええええええええ!!!!」


オルブライトは静かに首を振り呆れ果てたように呟く。


「ド……ドイル王子……!!0点です。まさにチンピラの所業。貴方がエゼルディアでもっとも高貴な王族のひとつヴェイグランド家の第一王子と思うとわたくしは悲しくて涙が出ますよ……」


ドイルは得意気になってラッキーに言い放つ。


「マジすげえだろ!!!その名もメガネシールド!!!敵の一斉攻撃を防げてメガネももう死ぬ。まさに一石二鳥!!俺って天才だよな!!このまま突っ込むぜ!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


サンダースがドイルの異常な行動に恐れ慄く。


「ひっでええええええええ!!元味方だぞ!?あんなことする!?普通!?あいつは最早人間じゃねええええええええええええ!!!」


更に銃撃を受け続けるグレイヴ機。ドイルがグレイヴに呼びかける。


「いい盾っぷりじゃあねえか大将!!!このままいい仕事するのであれば俺様の盾として生かしてやってもいいぜえ!?」


「野郎!!!!!!調子に乗りやがってええええええええ!!誰が盾だああああああああ!?ドイルめええええええええええええええええええええええ!!絶対に殺してやる!!!うおおおおおおおおおおおおお!!」


グレイヴは全身に力を込め、羽交い絞めにしてるドイルの戒めを強引に解き放ち、足払いをしてドイル機の体勢を崩しそのままドイル機の後頭部を掴み地べたに叩きつける。思わぬグレイヴの抵抗にドイルはうめき声を上げる。


「うわ!!!!ば……バカ!!!たかが盾が反抗すんじゃねえええええ!!!!!」


「だから誰が盾だあああああああああああああああああああああああああああ!!」


今度は逆にグレイヴ機がドイル機を羽交い絞めにしドイル機を盾にして敵の本陣に向かって猛烈な勢いで突撃する。ドイル機に弾幕が集中する。絶叫するドイル。


「いてえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」


勝ち誇ったように笑うグレイヴ。


「どうだ!!!どうだ!!ドイル!!!俺の苦しみがわかったかあああああああああああああああああああああ!!」


「いてええええんんだよおおおおおおおおおおお!!とっとと離しやがれクソメガネえええええええええええええええええ!!」



一方、ここはヴァナティック邸。ヴァンパイアの整備の終了を今か今かと待っているエリシィアとバウンティディヴィジョンヴラヴォ―チームとブラッティファントムの戦況を厳かな表情で見守る総司令のプルートゥやジャンヌ、そしてアルファチームの隊長ライザーと隊員達がいる。


退屈を持て余したエリシィアがヴァナティック邸の豪華な絨毯に身を包ませながら寝っ転がり、プルートゥにふとした事を尋ねる。


「ねーねーおじさまー。ばうんてぃでぃびぃじょんの隊員さんたち同士で楽しく喧嘩してるよー?変なのー?」


アルファチームのデュラン、シュミット、アマンダ、ライナスもうんざりした顔でライザー隊長に聞こえないようにヒソヒソと談笑している。


デュラン隊員が声を殺して呟く。


「……マジでやりがったよ……!いつかやるだろうなって思ってたけどよお……!お互いここまでやるか普通??しかも任務中に!プルートゥ司令だって見てるんだぜ!?正気じゃねえよ全くよお!」


アマンダ隊員が苦笑いしながら静かに答える。


「あいつらの仲の悪さは最早あたしらの隊の名物みたいなもんだったからね……。あいつらってさ……当初の任務覚えてるのかな?特にドイル坊ちゃんの方。あーあーあいつらアーヴァン隊長にこの事がバレたら多分5~6回殺されるわよ?始末書どころの騒ぎじゃないって」


シュミットが談笑に加わる。


「正直あいつらはバウンティディヴィジョンの恥かもしれない。だが……我々が乗るデスペラードとはこれほどまでの桁外れの戦闘力を有していた事実に正直驚きを隠せない。従来の機動兵器の常識を大きく覆す力だ。それを使いこなしているのがよりによって問題児のあいつらだとは……!」


デュランもシュミットに同調する。


「それ思った!マジですごすぎるぜ……!アレは一体なんなんだ!?化け物以上の力じゃあねえか!俺たちが乗った時にはそんな大それた変化は起きなかった。それでもすげえスペックのマシンだと思ったけどよお!俺たちにも使えるのかな?ああいう力って?」


アマンダが答える。


「わからない……!!でもやってやろうじゃないのさ!!あたしらが戦うのは人間相手じゃあない悪魔(ディアボロス)さね!あたしはどんな化け物だって乗りこなしてみるよ!」


ライナスがアルファチームの皆を戒める。


「しっ話はそこまでだライザー隊長に聞こえる」


そうライナスに注意されるとアルファチームは私語をやめ姿勢を正す。ライザー隊長は腕組みをしつつ、ドイルとグレイヴの任務そっちのけの私闘を凝視しながら静かに怒りを募らせていた。


「(あのバカどもがああああああああああああああああああああああああ~!!アーヴァンは一体どんな教育をしていたんだ!!!プルートゥ総司令の前で恥をかかせやがってええええええ~!!)」


アルファチームの隊員達はライザー隊長の鬼のような形相を見るなりすくみ上り更に姿勢を正し目をそらす。


ライザーは恐る恐るプルートゥ総司令の背中に目をやる。プルートゥの背中がワナワナと震えているのが見える。ライザーは真っ青な顔になって滝のような汗が流れる。


「(い………生きた心地がしない………!!!)」


プルートゥとライザーの過去について少し語ろう。プル―トゥはイシュタリア建国の立役者でもあり、以後幾多の戦乱で常に最前線で戦い続けた伝説の英雄である。


数ある通り名で最も有名なものは反逆の狂戦士(ベルセルク)、若い頃のプルートゥはまさにの猛者の中の猛者であり、グレイヴの父親でもあるヴィクトル・ストームと双璧をなすほどのイシュタリア最強の戦士だったのだ。ライザーが幼い頃にはもう既に伝説の存在であったプルートゥ。ライザーはプルートゥに憧れて戦士を志したと同時にプルートゥをいつの日かこの手で打ち倒したいという夢を持っていた。


傭兵として生きる道を選び、幾多の戦争で目覚ましい功を上げ、閃光の(ライトニングフォックス)と呼ばれるまでの異名をとったライザーは満を持して幾度となくプル―トゥに戦いを挑んだのだ。


結果は全敗。そしてプルートゥのカリスマとその人柄に惹かれ悪魔(ディアボロス)の存在と脅威を知り、バウンティディヴィジョンの隊長となった経緯がある。


ライザーは伝説と謳われているプルートゥと直接戦ったことがある数少ない人物でもあり、当然プルートゥの真の恐ろしさを知っている人間でもあるのだ。故にプルートゥの怒りが恐ろしくて仕方ない。


更に大きくワナワナと震えるプルートゥの背中を見ていっそう青ざめるライザー。


「(俺もただでは済まない……!!最悪の場合……!!)サマリー!!俺のデスペラード・ユニオン・フォックスを出せ!!!バカどものくだらん茶番を終わらせ修正して、ブラッディファントムを打倒しヴァナティックを確保してくる!」


サマリーは慌ててライザー隊長の突然の申し出に驚きながら答える。


「は……ハッ!?ライザー隊長が出られるのですか!!?今現在ヴァンパイアの整備改修が終盤を迎えまして……!!終り次第ライザー隊長のフォックスの調整を……!!」


突然背中をワナワナと震わせていたプルートゥが豪快に笑い出す。


「うわっはっはっはっはっはっはっは!!」


肩透かしを食らったように緊張が解けるライザー。おどけた顔の笑顔でプルートゥがライザーを見る。


「ライザー。お前の怒りも解る。全くアーヴァン子飼いのヤンチャな奴らに違いないな。だがこの数値を見ろ。デスぺラードのツインフラッグに成功し、同調(シンクロ)パーセンテージ450%を突破している!!初めての現象だ!!ふふふふふふ!!正規軍から抜擢したどんなに優秀なパイロットでもここまでの数値は出せなかった!!流石はディリアスとヴィクトルの息子といったところか!!ライザー。デスペラードの覚醒した力お前はどう見る」


「ハッ……!悪魔(ディアボロス)を倒せる可能性を秘めた力だと思われます……!」


「その通りだ。ならば、なぜこの力が他のパイロットに引き出せなかったのだ?」


「………それは………自分には……上手く言葉に……表現する事は………」


「ふふふ。それでいい。我々が立ち向かうのは全てを無に帰す混沌の象徴でもある悪魔(ディアボロス)だ!!正規軍のエリートと呼ばれる精鋭をまとめあげて戦いに挑んだ事もあったが手も足も出なかったよ……。本能という名のリミッターを解除することによって人間には神にも悪魔にもなれる可能性がある。いうなれば獣性!!悪魔を倒すのであれば六賢者のように神を気取っているいとまなどない!我々の本能も開放しなけば……、我々も悪魔に近い精神にならなければ勝てない!!!」


「(く……狂ってる……!!だが……だが……それでも俺はこの人についていきたい!!)しかし……軍人が任務を忘れてしまったらそれはもう軍人というべきものではありません!」


「然り……!!然りだライザー!!ならばお前とアーヴァンのやるべき事はもうわかるな……!!隊員の可能性、獣性を引き出す事と任務を達成させる事。それを同時にやってみせろ!」


「ハイルディヴィジョン!!」


「(ドイルとグレイヴか‥…。かつての私とヴィクトルを思い出すな……。このまま成長していけば悪魔(ディアボロス)を倒す頼もしい戦士に育つだろう!いいだろう思う存分自由に戦え!ともすればデスペラードのブラックボックスを開けて見せるのだ!!)」











読んでくださってありがとうございます!!評価はなんかもう諦めつつありますw完結までのんびり頑張ります。

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