0-21話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その20
ネットの調子が悪くルーターを新調予定です。この21話は投稿できてますかね?
依然繰り広げられる一進一退の壮絶な殴り合い。ドイル機の強烈な一撃を喰らいつつもグレイヴがニヤリと笑い挑発する。
「ぐううう!!……ふん!軽い!軟弱な一撃だ!!信念も覚悟もないお前が繰り出す一撃などとるに足りんぞ!!!ろくすっぽ訓練に出ないうちに身体が訛っていってるんじゃあないのか!?うおおおお!!」
少しもひるまずに更に強烈な拳の連撃をドイル機にお見舞いするグレイヴ機。ドイルがその連撃を喰らいながら負けじと言い返す。
「ぐはああッ!!……ケッ!そっちこそ蠅が止まるほど弱々しい情けねえパンチじゃねえか。カビ臭い時代遅れの訓練ばっかやって身体が訛ってんのはテメエの方じゃあねえのかあああああああああ!!!」
更に強烈なパンチの猛攻をグレイヴ機に浴びせるドイル機。
「ぬうううううう!! は……はははは……!!その程度の力で悪魔を倒すのなどと片腹痛いぞ!!!ドイルウウウウ!!!!」
何度殴られても間をおかずにすぐさま倍返しの勢いで殴り返してくるグレイヴ機。
「がはあああああああああ!!ぺっ……!」
血を吐き出した後、ドイル機は首を左右にコキコキと鳴らしながら言い放つ。
「なっちゃいねえのはてめえの方だっつってんだろ!!いいか?本当のパンチってのはなあ…………こうやるんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ドイル機の強烈なボディーブロ―を喰らい機体の身体が九の字に曲がるグレイヴ機。
「ぐおおおおお!!こ……こいつ………!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおらああああああああああああ!!」
その九の字に曲がった体勢のグレイヴ機めがけて渾身のアッパーを放つドイル機。ドイルの右腕にひときわ強い光のオーラが収束する。ラッキーが思わず叫ぶ。
「同調パーセンテージ!!350を突破だって!?すげええええええ!!まだ上がっていくぞおおおおおお!!」
オルブライトはグレイヴに対して警鐘を鳴らす。
「いけません!!この一撃は危険です!!回避を!!グレイヴ様!!」
「躱せ!!デスペラード!!!な……さっきのボディの一撃で下半身の自由が効かな……!」
「吹っ飛びやがれえええええええええええええええええええええええ!!!」
ドイル機の渾身のアッパーがグレイヴ機の顎部に炸裂した瞬間、とてつもない爆風が舞い上がり一気に空高く吹き飛ばされるグレイヴ機。
「ぐわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
空高く舞い上がり瞬く間に星になっていくグレイヴ機を見送りドイルは勝利を確信する。
「よっしゃ!!ラッキーーーー!!!どうよ?決まったぜ……!!我ながら惚れ惚れする最高のフィニッシュブロウだったぜ!クソメガネを殺した記念に名付けたいと思う。その名も超天才!天上天下喧嘩上等!空前絶後!殺戮眼鏡殺しアッパー!これで確実にクソメガネはお陀仏だぜ!!イエーーーーー!!」
「うひゃあ……!もう見えなくなっちまったよ……。アニキの最悪なネーミングセンスは置いといて、数百メートルは吹き飛んでんじゃあないのか?やっぱ強まったアニキはバケモンだわ……!!」
オルブライトが冷静に状況を分析する。
「なんという剛腕……!!たった一撃で32トンのデスペラードデュエルをこれほどまでに天高く吹き飛ばすとは……!!一体ここは上空何百メートルでしょうか?非常識にもほどがある異常なバカ力です。損傷率……今の一撃で65%を越えました……。グレイヴ様。真っ向勝負のパワー重視の戦い方では不利は明白かと。ここはハルバートランチャーを駆使しスピードでかく乱するのがよろしいかと存じ上げますが……」
奥歯を噛みしめながらグレイヴはオルブライトの提言を否定する。
「オルブライト……!!俺が……俺が……ドイルに……パワーで劣っているとでも言いたいのか!?」
頭を抱えながらオルブライトはグレイヴに言って聴かせる。
「いいえ……。個々の優劣の話ではなく戦術のお話をしているのです。グレイヴ様。ドイル王子に勝つためには……」
「オルブライト!!俺は………!!一歩も退かんぞ!!!奴には絶対に負けるわけにはいかないんだ!!」
「(はあ……そうでしたね……。正規軍に所属していた時からグレイヴ様はドイル王子をライバル視する余り、頭に血が昇って冷静な判断ができなくなる悪癖がありましたね……。それも仕方ないかもしれません。
向かうところ敵なしだったグレイヴ様が初めて完膚なきほどに叩きのされ敗北した相手がドイル王子だったのですから。自身に天賦の才があると信じて疑わなかったグレイヴ様を越える才を持つ者に初めて出会いプライドが粉々に打ち砕かれたことでしょう。自身には天賦の才がなく、ドイル王子にこそ自身が求めている才の持ち主なのではないかと。わたくしに言わせれば、天賦の才とはひとつだけのものではなく複数存在し、ドイル王子、グレイヴ様、お二人ともタイプの違う天賦の才の持ち主で間違いのですが……。若い二人はそれを認められないようですね。まさにかつての若かりし頃のプルートゥ様とヴィクトル様そのもの!大いに結構!お二人とも最後まで意地を張り合いなさい。そして際限なく強くおなりなさい。全ては悪魔を倒すため)……グレイヴ様がそうおっしゃるのであればわたくしの覚悟も決まっております!」
いつもそうである。父ヴィクトルや家族一同から軍人になる事を反対された時も、オルブライトだけがグレイヴの味方をしてくれた事が思い出される。
実に合理的な物の考え方をするオルブライトが、グレイヴの事になるとグレイヴがどんなに非合理な事を言っても最後にはグレイヴの味方をしてくれる。グレイヴは幼少の頃からそれがとても嬉しかった。
昔の事を少し思い出し不覚にも涙が出そうになるが、すぐに決意を強めた表情に戻り叫ぶグレイヴ。
「突っ込むぞ!!ドイルの鼻をあかしてやる!!」
上空高く吹き飛ばされ状態から体勢を整えて、すぐさま反転しブースターを吹かし急降下して真っ逆さまに突撃してくるグレイヴ機。驚いたのは渾身の一撃が決まって完全に勝利した気になっていたドイルである。ラッキーが慌ててドイルに警鐘を鳴らす。
「アニキ!!殺ってねえぞ!!メガネ兄ちゃんがすげえスピードで突っ込んできやがる!!!」
「なんだとおおおお!?あれを喰らって死んでねえのか!?あんなん喰らったら普通死ぬだろ!?空気よめやああああああああああああああああ!!」
ドイル機の頭部に、急降下して渾身の頭突きをぶちかますグレイヴ機。その凄まじい衝撃にドイル機の頭部のメインカメラに亀裂が入る。額から血を流し思わず叫び声を上げるドイル。
「がああああああああああああああああああ!?」
オルブライトが呆れたような賞賛するような複雑な表情で言い放つ。
「なんと頭突……!。グレイヴ様がここれほどまでに感情をむき出しになさるとは……」
思わぬ一撃に一瞬目がくらんだドイル機の隙をついてグレイヴ機が畳みかける。
「勝機!!ここだ!ここで奴を確実に仕留める!!スピードを全開だ!!打ち返す暇など与えん!!!」
凄まじいスピードでドイル機をタコ殴りにするグレイヴ機。ブラッディファントムに対して繰り出したデッドエンドストームの要領で、超高速で死角へ死角へ回り込み円を描くように動き回り、拳の嵐をドイル機に浴びせ続けるグレイヴ機。4~5体ほどの残像を残す常識を超えたスピードだ。
その異常なスピードを誇る攻撃にラッキーがたまらずドイルに訴えかける。
「はええええええええええええええええ!!!なんてスピードだ!!これが本当に機動兵器の動きなのかよ!!損傷率一気に65%を突破!!!アニキ!!!パワーではこっちに分があるがスピードでは相当不利だぜ!!ここはガードをがっちり固めて距離をとりつつチャンスを待つんだ!!このままノーガードで被弾し続けるのは流石にマズい!!」
ラッキーに顔を近づけ怒りの表情で言い放つドイル。
「はあ!?ラッキーお前今なんつった!?俺が……この俺が!あのメガネにスピードで劣ってるって言いたいのか!?」
「ひいいいいいい!!なんでキレてんだよ!!?パワーで勝ってるからいいじゃねえか別に!!あんな異常すぎるスピード誰だって出せねえよ!!メガネ兄ちゃん!!あいつ!さてはただのメガネじゃねえぞ!!スペシャルなメガネだ!!」
「違うね!!俺にはわかる!!あいつは何の変哲もないノーマルなメガネだ!今からそれを俺が証明してやるぜ!!!」
「証明たって何やるつもりなんだよおおおおおおおおおおお!!」
更にガードを下げるドイル機。焦るラッキー。
「おいおいおいおい!!アニキ何してんだあああああああ!?」
グレイヴはそのドイル機の様子にニヤリと笑い、更に加速していくグレイヴ機。
「ふん!!流石のお前でもこの超高速の連撃には手も足も出ないか!!ははははははははは!!それでいい!!俺こそが悪魔を倒す選ばれた者だ!!勝った!!死ねええええええ!!!ドイルウウウウウ!!」
先ほどまで全弾ヒットしていたグレイヴ機の超高速のパンチの連打をノーガードで次々と躱し始めるドイル機。驚くグレイヴ。
「何ィィィィィィィィ!?バカなああああああああ!?」
オルブライトはドイルの天賦の才に少々の寒気を覚える。
「(普通あの一瞬で超高速の連撃を全て見切れるものでしょうか?わたくしが知っているあの頃のドイル王子とはいささか違うようですね。ドイル王子は気まぐれです。集中力にムラがある。自分の関心のない訓練などでは真の実力が発揮できない。ただ自分が本当に決着をつけたい相手などと戦う時はその集中力が一気に高まる。彼の集中力がMAXになった時……それは……)」
「いつままでも調子コイてんじゃあああああああああねええええええええええええ!!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」
ドイルの怒号が響き渡った次の瞬間、今度は逆にドイル機が猛烈なスピードで爆速しグレイヴ機に拳の連打の嵐を叩きつけ始める。超高速で死角から死角へ円を描くように動き回り、7~8体ほど残像を残しつつパンチの連打を浴びせ続ける。グレイヴ機はドイル機の余りのスピードについていけずに、いいようにサンドバックにされ打ちのめされる始末である。
「ぐわあああああああああああああああああああ!!!こ……こいつ!!!俺の……俺のデッドエンドストームにそっくりな動きを……!!な……長年修練を積んでやっとの事で習得した俺の親父の技を!!!いとも簡単に……パ……パクリやがってえええええええ!!」
オルブライトは思わず唸る。
「(完璧です。ドイル王子。グレイヴ様より更に速い。このオルブライトの眼をもってしても追うのがやっといったところです。威力も上々。ストーム家伝統の奥義をこうも簡単に繰り出されお株を奪われるとは……。なるほどなるほど。集中力がない時はグレイヴ様に劣り、集中力がMAXになった時、グレイヴ様を遥かに凌駕すると性質を持つといったところでしょうか。ドイル王子。面白い素材ですね。聞くところによると彼は訓練などをまるで真剣にやるタイプではないというではありませんか。超実戦派タイプですね。わたくしと同じタイプですか。少々昔を思い出し血が騒ぐところなのですが……、たゆまぬ訓練を積み少しづつ強くなっていき、最後には誰よりも強くなっていくというグレイヴ様とはあまりにも対照的ではありますね。まさにウサギと亀。グレイヴ様がドイル様を目の仇にされている理由がなんとなくわかる気がしますが……さてここでこのままあっけなくドイル王子が勝ってしまわれても少々退屈な結果になりますねえ。なによりグレイヴ様の修行にはなりませんし。ここは敢えてグレイヴ様の誇り高いプライドを刺激させて頂きますか。申し訳ございませんグレイヴ様……)これは驚きました。グレイヴ様。ドイル王子のパワー、スピードとも想定の範囲を越えつつあります。ここは一旦退かれ体勢を整えた方がよろしいかと」
オルブライトの進言を歯を食いしばりながらながら聞きドイルのパンチの猛撃に耐えているグレイヴ。
「ぐうううううううううううううううううううう!!!」
ドイルの超高速の猛攻にラッキーは歓声を上げる。
「アニキすげえええええええええええ!!!すごすぎるぜ!!こんなに速く動けたのかよ!!!このまま一気に畳みかけろおおおおおおおおお!!」
「おう!!言われなくともそうするぜ!!!塵になるまで殴り続けてやる!!このままくたばりやがれえええええええええええええええええ!!!!」
更に加速しトップギアに入ってグレイヴ機のトドメの一撃を加えようとした瞬間。グレイヴがオルブライトに対して叫ぶ。
「何度も言わせるなッッッッ!!!俺は……!!何一つドイルに劣ってなどいない!!!!!」
その瞬間ドイル機のスピードの更にその上をいき、渾身の一撃でドイル機を殴りつけるグレイヴ機。そのスピードは以前の比ではなくなっている。
思わぬ重い一撃を喰らいふらつくドイル機。今までの超高速の快進撃が寸断される。
「いってええええ!!や……野郎……!!!折角気持ちよく殴りまくってたのに……。大人しく俺にそのまま殴られてりゃいいものを……!いいぜ?仕切り直しだ!来いよ!!バウンティディヴィジョン最強決定戦というこうや!!おおおおおおおおお!!」
ドイルの挑発的な手招きに真っ向から応じるグレイヴ。
「教えてやるぞ!!!悪魔を倒すのは誰なのかということを!!うおおおおおおおおおおおおおお!!」
ドイル機とグレイヴ機、両雄を先ほどよりも更に速いスピードで円を描くように超高速で動き回り筆舌に尽くしがたい壮絶な殴り合いが再び始まった。
異常なスピードで繰り広げる攻防一体の殴り合いは熾烈を極め、果てはブースターの出力を全開にし両雄空高く舞い上がりながら強烈かつ超高速な拳の応酬が繰り広げられる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
意を決したように残像を残すほどの超高速の拳の連撃で勝敗を決しようとするドイル機。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
それに真っ向から答え、同じ技でドイル機の猛撃を迎え撃つグレイヴ機。
超高速の拳の連撃が音速に迫るスピードで交錯し、そのお互いの全ての一撃が、拳と拳がぶつかり合い相殺し激しい光のオーラが周囲に爆発する。
「とどめだあああああああああああああああああああああああああああ!!」
「させるかあああああああああああああああああああああああああああ!!」
更に繰り出したお互いの最後の一撃が両雄に炸裂する。ラッキーとオルブライトは両雄のその様子に驚きを禁じ得なかった。
「く……クロス……カウンター………!!」
「相打ち……ですか……」
ドイル機、グレイヴ機、双方の拳がお互いの頭部に深くめりこんでいる。一瞬時間が止まったかのような静寂と緊張感が辺りを支配し、数秒経過した次の瞬間、凄まじい勢いで同時に弾け飛ぶドイル機とグレイヴ機。ドイル機は遥か後方に吹き飛ばされ轟音とともに岩石にめり込み、一方グレイヴ機は海中に勢いよく叩きつけられそのまま深く沈んでいく。
「ぐわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
サンダースおよびブラッディファントム隊の隊員達はドイルとグレイヴの壮絶な戦いを見て愕然としていた。その凄まじすぎる戦いに見とれてしまい何もできないのである。
明らかに機動兵器の常識を完全に超えた尋常ではないレベルの戦い。今それが眼前で繰り広げられている事が夢か映画のようだ。
「す……すげえ……!!凄すぎるぜ……!!なんなんだ!?あの動き……!!」
「あれ……もう間違いなくスレイヴの動きじゃないよな……?お……俺たちって何と戦っているんだっけ……?」
「ぞ……増援があるとはいえ、ここはコマンダードール達にまかせて俺たちは逃げた方が……」
隊員達が次々と口を開く中、ティーチ隊員が呆けたように上空を見つめているサンダースに恐る恐る進言する。
「あ……あの……サンダース分隊長……!?わ……我々はどうすればいいんでしょうか……?コマンダードール達も次の指示を待っていますが……」
サンダースはハッとした表情をし咳払いをする。
「ハッ!!!ゴホン!!この馬鹿者どもおおおおおおおおお!!!敵に対して何を見とれておるかああああああああああ!!それでも誇りあるブラッディファントムの隊員か!?これから一斉にあの両機に攻撃を仕掛けるものである!!!!」
「(自分も見とれていた癖に……)ってえええええええ!?あいつらにですか??やめておいた方が……!!」
「馬鹿者おおおおおおおおおお!!!それが任務だあああああああああああああああ!!やるといったらやるのだ!!!!!!!!」
めりこんだ岩石から何とか身を這い出して戦線に復帰するドイル機。ドイルが苦しそうに声を上げる。
「あの野郎……!!強くなってやがる……!!前にやった時よりずっと……強くなってやがる!!エリートか何か知らねえが昔の奴は戦い方に妙にこだわりすぎて墓穴を掘ってた感がっあったんだが、今回の奴は一味違うぜ……!!なりふり構ってねえで突っ込んできやがる……!!まるで自分自身と戦ってるみたいだったぜ……!!ふふふふ……!!楽しくなってきたぜえええええええええええええ!!!ラッキー!!ダメージの方はどうだ!?」
「畜生め!!!!ラグナ二ウムの修復が間に合わねえ!!」
「まかせろよ!!!コード!!魔施治療!!」
ドイル機の右手に優しい光のオーラが集まっていく。その右手が傷ついた装甲に触れるとみるみるうちに修復されていく。笑顔でドイルに問いかけるラッキー。
「すごいぜ!!アニキ!!完全にコードの力を使いこなしてるじゃんか!!」
「なんとなくコツを掴みかけてきたぜ!!気失ってる間にデスペラードから説教ついでに色々教えて貰ったんだがよ!!その中には他にすげえコードもあった」
「おおおおおおおおおおおお!!今度はそのコードを使ってあのメガネ兄ちゃんとブラッディファントムを倒そうぜ!!」
「……んだが……忘れちまったわ……。覚えてんのはこれだけだ!ははははは!!」
「……ちぇ……アニキのバカ……!」
屈託ない笑顔を浮かべ、頭を掻くドイル。呆れ気味の表情で毒づくラッキー。
一方海中深く沈んだグレイヴ機のコクピットの中で一瞬失神していたグレイヴも目を覚まし、ドイルの脅威的な強さに舌を巻く。
「奴め……!!俺のトップギアになんなくついてくるとは……!!し……信じられん……!!これほどまでに強かったのかあいつは!?ふふふふ……!!いいだろう……!!嬉しくなってきたぜ……!!もう茶番はやめだ……!!昔の好戦的な自分に戻るのも悪くない……!オルブライト!!俺達の持てる全てを出し切ってドイルを倒すぞ!!」
オルブライトは静かに一礼し微笑みながらグレイヴに答える。
「仰せのままに……!」
岩石郡から這い出て空中で静止するドイル機と海中から静かに浮上し、同じく空中で静止するグレイヴ機。睨み合う両者。先にドイルがグレイヴに言い放つ。
「エセエリートの青びょうたんにしてはガッツあるじゃあねえか。褒めてやるぜ?俺とサシでここまで殴り合える奴なんざそうはいねえ」
「ふん……隊のお荷物お坊ちゃんこそ俺のスピードについてこられるなんてな。思いのほか成長してるじゃないか。だが……もう茶番は終わりだ!」
「奇遇だな……!俺も殴り合いにはもう飽きてきてよ!こいつで今度こそ決着をつける!!」
「どちらかが死ぬまでなアァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「気に入ったぜ!!とことんやってやろうじゃねえかあああああああ!!」
次の瞬間、ドイル機はバスタードザンバ―を抜刀し、グレイヴ機はハルバートランチャーの携え、両雄激しく激突する。
ここからがドイル、グレイヴの本気の戦いが始まるのである。
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