0-20話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その19
20話更新です。ディアボロスも遂に20話に到達しました!10話の時点でPVは1000程度だったんですが20話の時点で3300PVを越えております!なんて嬉しい事でしょう!これも一重に読者のみなさんのおかげでございます!これからもディアボロス30話、40話と続けていくのでこれからもよろしくお願い致します!
ドイル機の怒涛の飛び蹴りを喰らい足蹴にされ、胸倉を掴まれたグレイヴ機のコクピットの中でグレイヴは全身傷だらけになりながら忌々しそうに真っ向からガンをつけてくるドイル機を正面切って睨み返す。
「……ドイル!!!貴様ァァァァァァ!!!自分が何をしたのかわかっているのかああああああ!?あともう少しで敵の指揮官を抑えられたものを!!!」
ドイル機は更に睨みを効かせて威圧感を増しながら答える。
「その言葉そっくりそのまま返すぜ!てめえが俺に一撃食らわしていきやがったんだろうがあああああああ!!てめえなんぞハナからお呼びじゃあねんだよ!!あいつは俺の獲物だ!!俺が殺る!!クソエリート気取りのボンクラには手が余るだろ?ここら辺で永久に眠ってろや!!」
ドイル機の右拳に光のオーラが収束する。グレイヴ機の胸倉を掴みながら右拳を振りかざしグレイヴ機の頭部を破壊しようと殴りかかるその瞬間グレイヴ機は全身に捻りを加えハルバートランチャーの強烈なカウンターの一撃をドイル機に食らわせる。
「ちいいいいいいいいいい!?」
「うおおおおおおおおおお!?」
両機の激しい一撃が交錯する。お互いの光のオーラが激突し、両機が吹き飛ばされる。ドイル機は遥か後方に吹き飛ばされるも後ろ足でこらえ体勢を立て直したが、グレイヴ機はドイル機の強烈な蹴りを喰らったダメージが抜けずにそのまま倒れて、なかなか立ち上がれずにいた。グレイヴがうめき声を上げる。
「ぐぐうう……!!どうした!?デスペラード!!立て!!!動け!!!」
オルブライトがグレイヴに囁く。
「グレイヴ様……!先ほどの攻撃により、損傷率70%を越えております。ラグナ二ウムオートリペア機能を使い随時修復していきます……。しかしたった一撃でグレイヴ様をここまで追い詰めるパイロットは誰なのかと思ったら……これは……驚きました!まさかその青いデスペラードに乗っているのはドイル王子なのでしょうか?なんと数奇な縁、グレイヴ様とドイル様が悪魔を討つための特殊部隊にご入隊されていて両雄肩を並べているとは……!!」
グレイヴがオルブライトに対し吐き捨てるように言い放つ。
「腐れ縁だ!!俺が正規軍にいたときから愚連隊を率いてお山の大将を気取っていた奴とはやりあっていた仲だ……!!まさか奴もバウンティディヴィジョンに入隊してくるとは夢にも思わなかった……!!だが見ての通り……ふふふ……あの頃と何も変わっていない!!俺はあいつを仲間だとは認めていない!!悪魔と相対する資格すら持ち合わせていない半端者だ!!そうだ……!!こうなる事は想定の範囲内だった!!ブラッディファントムを倒す前に今こそドイルを仕留める!!あいつこそ俺の本当の敵だ!!いいな!?オルブライト!!」
オルブライトは静かに微笑み一礼する。
「(同調パーセンテージが急上昇している……!ドイル王子とグレイヴ様……。出会った時から熾烈なまでの戦いを繰り広げ、結果的にお互いの実力を高め合ってきた。まさに宿命のライバル。そう……。まるでプルートゥ様とヴィクトル様のようなご関係か……。本来の任務を考えるといささか不都合ですが、ここはグレイヴ様の実力を更に底上げする為に利用静観させて頂きましょうか……。)」
ドイル機のコクピット内にシークレットの暗号回線で映像付き無線が入ってくる。ドイルは訝し気に応答する。
「マニングスか!?今立てこみ中だ!!後にしろィ!!!いよいよグレイヴをぶっ殺す瞬間が近づいてきてそれどころじゃあねえんだよ!!」
無線はオルブライトからであった。オルブライトがドイルに一礼し口を開く。
「これはこれはドイル王子。ご無沙汰しております。本当に逞しくなられて!!」
ドイルは見知った顔に驚き思わず聞き返す。
「あ!!お前さん!!クソメガネんとこのクソ執事じゃねえか!?あんた生きてたのォ!?確か行方不明だがどっかで野垂れ死んだんだかって聞いてたんだけど!」
オルブライトは嬉しそうに答える。
「はい。仰せの通り。野垂れ死んでおりました。今回縁あってグレイヴ様のデスペラードのAIのアバターに抜擢され馳せ参じた次第であります」
「へえーーー!そいつは殊勝なこって!あの頃のまんまじゃねえか!ディヴィジョンの技術ってのはすげえなあ!」
「ドイル王子。相変わらず貴方様は自由というか、勝手気ままというか……。まさか貴方様がバウンティデヴィジョンに入隊されているとは夢にも思いませんでしたよ。よろしいんですか?ヴェイグランド家には帰らなくて。お父上のディリァス王が心配の余り病で伏せっておられるとか?」
「あーーーーーー。親父ねーーーー。実家は窮屈で嫌いなんだよなあ。俺はこっちで喧嘩してる方が性に合ってんだよ。悪魔ぶっ殺したらちょっとは実家に顔出すよ」
「それはそうとこの回線。グレイヴ様には聞こえておりません。ドイル王子にひとつお願いがありまして、グレイヴ様の為にもここで本気でグレイヴ様を徹底的に叩きのめして頂いてもよろしいでしょうか?そして今後もグレイヴ様のよきライバルであって頂きたいのです」
オルブライトの言葉に顔を真っ赤にして激昂するドイル。
「言われなくてもそんなもん当たり前だボケ!!!!!あの腐れエリートが今まで俺にしてきた事を考えるとそれこそ万死に値するわ!!!ああ!?クソ執事!!お前あいつの教育係だよなあ!?全ッ然教育できてねーーーーーじゃねーーか!!いい加減にしろ!!お前は執事失格だ!!いいか今から俺はあいつをぶち殺す!!折角蘇ったのに生憎だったな!あんたもすぐさまくたばる事になるんだぜ!!」
オルブライトは目に涙をため大笑いをする。
「はははははははははは!!血気盛んで素晴らしいことです!!グレイヴ様もドイル王子も逞しくなられても根っこ部分は何も変わっておられない!!それでいいのです!!くれぐれも手加減などはなさらないようグレイヴ様をぶっ殺して差し上げてくださいね」
その二人のにわかには理解しがたい会話に割って入る者がいた。ラッキーである。
「ちょっと待ったーーーーーー!!!さっきから聞いてれば何イカレた事言ってんだあんたら!!お前ら味方同士だろ!?何度も言うように今は共闘してブラッディファントムをぶっ潰すべきだぜ!!戦闘中なんだよ!!戦闘中!!」
オルブライトがラッキーの姿をしげしげと見つめると笑いをこらえきれない様子で喋り出す。
「なんと……!これはこれは……愛らしい。コクピットの中でペットを飼育しているのですか?ドイル王子。変わった趣味をお持ちですねえ」
そのオルブライトの言葉にカチンときたラッキーがすぐさま言い返す。
「な……!!オイラはペットじゃねえ!!!!デヴィジョンの超高性能AIだ!!てめえと一緒のAIだ!!!」
「その姿で超高性能AIと言ってもいささか説得力に欠ける気がいたしますねえ。わたくし動物に目がないのでございまして。お名前は何ていうのでしょうか?頭を撫でてもよろしいでしょうか?」
ドイルが間髪入れずあっけらかんと答える。
「ラッキーっていうんだぜ。かわいいだろ?頭撫でたら結構喜ぶから好きにしたら?」
ドイルの返答に怒り狂うラッキー。
「アニキのボケエエエエエエエエエエエエエ!!!オイラはペットじゃねえええええええ!!いらん事言わんでいいんだ!!」
オルブライトがラッキーに笑顔で優しく言い含めるように語りかける。
「ラッキーちゃん。ドイル王子とグレイヴ様は宿命のライバルという絆で結ばれております。人間関係は得てして複雑な縁によって成り立っておりましてここは御二方の雌雄を決する事が何よりも優先されるのです。やはりワンちゃんには少しばかり難しいお話だったのかもしれませんね!」
「だからああああああオイラはペットじゃねええええええええええ!!ペット扱いすんのやめろお前マジで噛み殺すぞ?このクソ執事!!」
牙をむき出しにして吠えるラッキーにドイルは顔近づけ渋い顔で言い放つ。
「ラッキーよ。男には避けられん戦いがあるのだ。決めたんだ。俺は今日あのメガネを殺すんだって。わかってくれラッキー!」
ラッキーは唸りながら熟考して一言漏らす。
「オイラあのクソ執事。嫌いだ」
ドイルがうんうんと頷き答える。
「わかる!わかるよ!ラッキー!元はといえばあの性根の腐ったメガネの教育を失敗したのはあのクソ執事だ。諸悪の根源とも言えよう。じゃあラッキーお前はクソ執事を殺す!俺はクソメガネを殺す!これで利害は一致した!!いいなラッキー!!」
「お……おうともよ!アニキ!!あいつは俺たちの味方なんかじゃねえ!!敵だ!!」
「よく言ったラッキー!!それでこそ俺の相棒だ!力を合わせて一緒にぶっ倒そうぜ!!」
ドイルとラッキーはがっしりと固い握手をし、両者の眼に炎が灯る。ドイル機のパワーが更にが上がっていく。それを見たオルブライトはおどけた表情で大仰に言い放つ。
「これは怖い怖い。最強のタッグの誕生といったところでしょうか?こちらもうかうかしていられませんね。グレイヴ様に警戒を促さなくては。それではまた!よき戦いを致しましょう!」
ラッキーはあっかんべえの仕草をしてオルブライトの回線が切れるのを見送った。ラッキーはドイルに警鐘を鳴らす。
「あのいけ好かないクソ執事のデスペラードと戦いながら周囲のブラッディファントムとも同時に戦わなくちゃいけねえ!!しんどくなるぜ!?それでもやれるのかい!?アニキ!!」
ドイルは指を鳴らしながら不敵な笑みを浮かべて答える。
「愚問だぜ!!みなまでいうなよ!ラッキー!俺の気力は更に充実してもうすでに限界突破してんだぜ!?」
グレイヴ機がふらふらとようやく立ちがあがる。グレイヴがオルブライトにダメージの状況を問いかける。
「……ブライト………!オルブライト!!どうした!?オルブライト!!」
「………申し訳ございません。いささか思考にふけっておりました」
「お前らしくもない!ダメージが思ったより大きい!ラグナ二ウムの修復が間に合わない!オルブライト!何か手はないか!?」
「ご心配なく。同調パーセンテージ上昇を確認。わたくしが調整しラグナ二ウムの修復速度を上昇させます」
みるみるうちに装甲の損傷が回復していくグレイヴ機。
「恩に着るぞ!オルブライト!これで奴と対等に戦える!!」
じわじわとお互いに違う色の光のオーラを発しながらゆっくり近づいていくドイル機とグレイヴ機。両雄額がくっつきそうなくらい密着し激しく睨みあう。
先にグレイヴがドイルに向かって罵声を浴びせる。
「やってくれたな!!これで何度目だ!?作戦行動などハナから頭にないこの命令違反の数々!!貴様などバウンティディヴィジョンの恥部に等しい!!」
ドイルが鬼のような形相で言い返す。
「黙ってろ!!そうやって一生上から他人を見下して調子こいてな!!空気が全く読めねえお前の方こそ部隊の腫物なんじゃねーのかあ!?」
「減らず口を叩きやがって……!!貴様は訓練もサボってばかり!!何故早朝の実技課題訓練に出てこないんだ!!?これで連続24回目だぞ!?」
「律儀に数えてんのかよ……!うんざりだぜ!お利口さんめ……!早朝4時30分とか起きられるわけねえええだろうがあああああああああ!!このボケええええええええ!!その時間は最早夜だ!!ニートも学生さんもリーマンもみんな仲良く寝てんのになんで俺が起きてクソしんどい訓練なんかやらなくちゃいけねえんだよ!?そんな人生楽しくねエエエエエエエ!!そしててめえわ!俺の事ばっか言ってっけどな!!アレクサンドリア島の演習ときなんで俺たちの到着を待たずに目標物全員撃破しちゃったの?バシュタム戦線の時だって中立の駐屯地ザイデリーと友軍のカリエス補給隊もろとも敵を叩きのめしたっていうじゃあねえか!?なんてえげつねえんだ!!てめえ人間じゃねえ!!要はお前は味方をまるで信じてねえんだよ!!自分だけが悪魔と倒せる人間と思い込んで味方はただの利用する駒なんだろ!?本当にワンマンなのはどっちなんだ!?言ってみろや!!」
「き……貴様……!!触れてはならない事を平気で触れやがって……!!あの時はしょうがなかったんだ……!!」
「しょうがない?しょうがないで殺されたんじゃあ味方もたまったもんじゃねえな!助けてー!!みんなー!!ウチの部隊にヤバい殺人鬼がいるよー!!」
「貴様ァァァァァァァァァ!!調子に乗りやがって!!!」
「それにお前が言うように確かに俺は訓練ではからっきしだ!基本的に訓練はあんまり好きじゃないし、ダルイしやる気がない!ただ実践演習ではどうよ?カーデナル地方の難度Aの実戦演習の演習課題、俺様は練度評価S+だ!!アレ!?朝も昼も訓練に明け暮れてるどっかのメガネくんの実践演習の練度評価を聞こうか!?教えて?教えてください!メガネ先生の練度評価は!?」
グレイヴは下をうつむき悔しさに身を震えながら答える。
「ぐうッ………A+……」
ドイルは大爆笑した後、冷静な顔つきになってグレイヴ機の肩をがっしり掴み哀れみの表情を浮かべ優しく語りかける。
「A+!!今!A+って仰いました!?名門中の名門ストーム家のご子息ですよね!?わはははははははははははははは!!あ……あんだけ訓練しまくってA+!!!!A+って!!!……ふー。なあこれでわかっただろ?俺様は天才なんだよ。俺様に訓練など必要ないんだ。なので早朝課題訓練なんてふざけたもんも必要はない。そしてもう認めようぜ?お前はただのメガネだ。何の変哲もない普通のメガネなんだ。どんだけ頑張っても凡人は天才に勝てっこないって事をここら辺で知り給えよ」
頭に来て激昂したグレイヴ機はドイル機を両手で突き飛ばして更に再び詰め寄る。
「悪魔を倒すのはお前なんかじゃあ断じてない!!この俺だあああああああああああ!!!」
「いってええええ!?このバカ!!本音がでやがったなあああああああああ!!凡骨のお前じゃあ無理なんだよおおおおおおおおおおおおお!!悪魔を倒すのはこの天才の俺だって言ってんだろうがあああああ!!」
「俺だあああああああああああああ!!」
「いや俺だああああああああああああああ!!」
「バカ!!」
「アホ!!」
「クズ!!」
「ゴミ!!」
「メガネ!!」
「単細胞!!」
ドイル機、グレイヴ機、両雄、額をガンガンとぶつけ合いながら延々と罵り合っている様相は非常に見苦しくなんとも見るに堪えない。
うんざりした表情で思わず唸るオルブライトとラッキー。
「いやはや……呆れ果てました……なんとレベルの低い罵り合い……」
「これ……子供の喧嘩以下だよ……」
驚いたのはサンダースとサンダース率いるブラッディファントム隊だ。サンダースは状況を恐る恐る把握しようとする。
「い……一体何が起こっている……!!仲間割れか……?何か激しく言い合っているような……!!回線を割り出して盗聴してみるぞ……!」
その内容にが激しい怒りがこみあげてくるサンダース。護衛に回っていたブラッディファントム、ティーチ隊員がサンダースに問いかける。
「分隊長!!な……何を話していたのでしょうか!?」
サンダースがワナワナと怒りに震えながら答える。
「とるにたらないくだらない諍いだ!!あの愚か者どもは一体なにを考えている!!貴様らの敵は我々ブラッディファントムだああああああ!!コマンダードール達よ!!突撃せよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!今一度誰が本当の敵なのか思い出せさるのだああああああああああ!!」
サンダースの怒りの号令を聞き、コマンダードールが駆るスレイヴ達が10数機、依然睨みあって罵りあっているドイル機とグレイヴ機めがけて風を巻いて突撃していく。
ドイルとグレイヴの罵り合いも佳境を極めていた。
「てめえええええええええはああああああああああああああ!!」
「貴様はあああああああああああああああああああああああああ!!」
「 「 殺 す !!!!!! 」 」
2機から発せられる光のオーラが一気に爆発したかと思うと、両雄、怒りの余り、得物であるバスタードザンバ―やハルバートランチャーを抜かずにお互いの拳で凄まじい殴り合いを始めた。光のオーラが拳を包み、お互いの剛拳がお互いの頭部、胸部、腹部に炸裂し次々と爆発していく。
徐々にその拳の応酬の回転が上がっていき、2機の周囲には不可解な光のオーラの力場が生まれていく。その状況で背後から2機めがけて襲い掛かってくる。
ブラックレイヴン数機とガーランドMKⅣ数機、シックルと震動ブレードを振るいあげたその瞬間。
「邪魔だあああああああああああああああああ!!」
「どいていろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ドイル機が凄まじい勢いのローリングソバットでブラックレイヴン数機を一蹴し、
グレイヴ機が光のオーラで包まれた強烈な裏拳でガーランドMKⅣ数機を殴りつけ吹き飛ばし
ブラックレイヴン数機とガーランドMKⅣ数機がお互いの一撃の元爆散していくのであった。
読んでくださってありがとうございました!感想お待ちしております。




