0-15話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その14
物語の構想は一応作ってあるんですが、自分は書いてる途中に思いついた事を「これ面白そう!全部入れよう!そうしよう!」という形で全部お話に反映させるという無茶なタイプなノリなのでwその結果お話に矛盾が多々でてきしまいますwその矛盾を解消、軽減する為に補足する為に後から色々書き足す可能性があるのでご容赦を。今週分更新するので前回の次回予告を更新します。それって次回予告の意味ねえ!w では15話の始まり始まり~。
残りのBFOB隊のスレイヴ達に護衛され後方に退くサンダース機。それを横目で確認するや否や、ジョナサンはこの場に残っている隊員達に号令をかける。
「奴にこれから陸と空から一斉射撃を撃ちかける!!ディージェ―チーム陸戦部隊!!トライゼ!ドトール!ダリオ!空戦部隊!!デイビス!ロビンソン!用意はいいか!?マッコイが奴の動きを止めてくれている……!!マッコイの覚悟を無駄にするな……!!一斉射撃用意………!!放てええええええええええええ!!」
地上にいるジョナサンを含め4機のゴリアテと、空中に滞空しているフライトパックを装備した2機のドラッケン・ツヴァイらが陸と空から一身動きがとれないドイル機に向かって一斉砲撃を撃ち放つ。その状況に焦りを感じるラッキー。
「うわあああああああ!!撃ってきたあああああああ!!ヤバいぞ!!アニキ!!こっちは身動きがとれねえ!!全弾当たっちまううううう!!」
うつ伏せに寝そべる形でドイル機の両足をしっかりと握りしめ、怨念にも似た凄まじい力でドイルの動きを固定しているゴリアテに搭乗するマッコイが叫び声をあげる。
「終りだ!!!これでお前はもう終わりだなんだよおおおおおおおお!!」
ドイルは神妙な顔つきでラッキーに問いかける。
「装甲は?進化したデぺラードの装甲の強度は上がっているんだろう?」
「確かに装甲はラグナ二ウムの強度が収束され以前よりかは厚くはなっているんだけど……劇的に上がった運動性や反応ほど装甲は強化されてないのが現状だよ……!この距離での一斉砲撃を喰らい続けると流石にマズい!!アニキ!!なんとかしてよけるんだああああああああ!!」
「わかったラッキー!!装甲はそれで十分だ!!よける……?よけるだって?ふふふ……下半身は動かなくても上半身は動くんだぜ!!!よける必要なんてねえ!!ここで迎え撃つぞ!おおおおおおおおお!!」
陸戦部隊のゴリアテらが撃ち放ったミサイル群が次から次へとドイル機めがけ襲い掛かってくる。
ドイル機はミサイルの弾道の軌道を見切り、上半身の力のみで光のオーラをまとうザンバ―を振るい、次々と襲い掛かるミサイルを叩き斬って爆風とともに相殺していく。
ジョナサンはドイル機の現実離れした異常な回避行動に驚きを隠しきれない。
「し……信じられない事をしやがる!!高速で次々と襲い掛かるミサイルをいとも簡単に斬って落とすとは……!!化け物め!!だが!!ミサイルはともかくスマートガンやマシンガンの銃弾はどうかな?細かい弾丸の嵐はその馬鹿デカい剣で叩き落とすなどとは到底できまい……!!なッなにィ!?」
ドイルが意を決したように叫び出す。
「お次はこれだああああああああああああああああ!!!!廻れえええええええええ!!!」
ドイル機はザンバーの柄を軸にザンバーを大回転させ、マシンガンやスマートガンの銃撃の嵐を細かい金属音と共に次々と相殺していく。
ラッキーは感極まってドイルに抱きつく。
「ひ……被弾0!!!!ダメージ0!!!パーフェクトだ!!アニキィィィィィィィィィ!!それだよ!!それ!!常に最適な戦術をチョイスする!!すげえぜ!!それでこそ俺のアニキだ!!」
「へッ!!この程度で驚いてもらっちゃ困るぜ!!ここからだ!俺とデスペラードはここからまだまだ強くなる!!」
ゴリアテは確かにドイル機の両足を、両手でしっかりと握りしめ動きを固定しているはずだった。
上半身の力のみで全ての銃撃をいなすドイル機を、マッコイは信じられないものを見るような目つきで見上げる。
「ふ……ふざけた事……しや……しやがって……!!諦めねえぞ……!!俺は決して諦めねえ……!!見てろよおおおおお!!いい気になるのも今の内だあああああ!!」
驚愕したのはBFOB隊の陸戦部隊および、空戦部隊だ。ジョナサンは一瞬硬直するも、めげずに隊員達に指示を出す。
「ひ……ひるむな!!あんな奇抜な回避方法などその場しのぎで長くはもたないに決まってる!!絶えず一斉砲撃を撃ちかけるんだ!!部隊を展開しありとあらゆる角度から砲撃を撃ちこめ!!空戦部隊!!奴の上空後方に回れ!!死角から攻撃すればヤツはひとたまりもないはずだ!!」
「りょ……了解!!」
ジョナサンを含むゴリアテの陸戦部隊は部隊を展開し、ありとあらゆる角度から一斉砲撃を撃ち放つ。その隙に空戦部隊のドラッケン・ツヴァイらはドイル機の上空後方に素早く回り込み死角から砲撃を仕掛ける。
「アニキィィィィィ!!後続の一斉射が来るぞオオオオオオ!!上空後方からもきたああ!!!えげつねえ!!やつら死角から攻める気だ!!!まかせろ!!こっちで補足する!!マルチセンサー起動!!」
「頼むぜラッキー!!今の俺とこいつに死角なんかねえんだよ!!矢でも鉄砲でも持ってこいやああああああああああああ!!どんどん撃ってきやがれえええええええええええええええええ!!!」
ドイル機はぞれぞれの砲撃を感知すると、右へ左へ縦横無尽にザンバーを大きく大回転させ振り回し、上半身の力のみでありとあらゆる角度からの一斉砲撃を次々と相殺していく。
おもむろにラッキーが叫び注意を促す。
「アニキ!!上空後方!!10時の方向!!来るぞォォォォ!!」
「サンキューラッキー!!ここだああああああああ!!」
空戦部隊の上空からの攻撃もラッキーのサポートの甲斐あって見事にザンバーを回転させて相殺するドイル機。驚いたのは空戦部隊のデイビスとロビンソンだ。
「なんだとおおお!!あいつ後ろに目でもついてんのかあああ!!」
身の丈ほどあるバスタードザンバ―の全長もあって、見事にほぼ全方位からの攻撃を回避することに成功しつつあるドイル機に対してジョナサンが呆然とした表情で言い放つ。
「1発も……1発も当てる事ができないだと……!!ただの1発も……!!こ……こんなことがあって……あってたまるか!!何してる!!ボサっとするんじゃない!!撃て!撃て!休ませるな!!追い詰めていることは確かなんだぞ!!」
更に激しくなる砲撃も、ドイル機の回転するザンバーのシールドに吸い込まれるように相殺されていく。この現状を心底忌々しく思うドイル機の両足を掴んでいるゴリアテのマッコイが意を決したように叫ぶ。
「くそがああああああ!!ちょ……調子に乗りやがって……!!下半身だけじゃあ動きが止まらねえっていうんならよおおおおおおおお!!上半身も止めてやるぜええええええ!!」
半壊したマッコイのゴリアテが寝そべるような姿勢でドイル機の両足を掴んでいた両手を放し、砲撃に被弾しながら一時体勢を崩すも、ゆっくりと立ち上がり、ドイル機を背後から羽交い絞めにするような形でがっしりと組みつく。この状態ではもうザンバーを満足に振るう事はできない。まさかのマッコイのゴリアテの決死の行動に驚愕するドイルとラッキー。
「ちっ!!味な真似を!!」
「な……なんてことしやがるんだ……!!すげえ力だ……!!半壊したゴリアテのどこにこんな力が!!後続が次々と来るぞおおおお!!回避不能!!回避不……うわあああああ!!」
一斉砲撃をまともに喰らってしまうドイル機。ドイルがたまらずうめき声をあげる。
「があああああああああああああああ!!!」
ドイル機を羽交い絞めにしているマッコイのゴリアテにも次々と砲撃が被弾するも、マッコイの表情は苦痛に歪むドイルの表情と反比例して満たされていく。
「ぐうううう!!ぐおおおおおおわあああ!!うへへへへ……!!そうだあああああああ!!もっとだああああああ!!もっと撃ってこいいいいいいい!!!あと少しだ!!もうこいつは虫の息だぞおおおお!!」
ジョナサンを始めとするBFOB隊の隊員達はマッコイの決死の覚悟に涙ぐむ。ジョナサンは改めて指揮をとる。
「マッコイ……!!お前って……お前って奴は……!!マッコイの覚悟を決して無駄にするなあああああ!!援軍なんて必要ない!!奴をここで仕留めるぞ!!一斉射放てええええええ!!」
次々と放たれる一斉砲撃に更に集中的に被弾してしまうドイル機。そのダメージに苦痛の叫び声を上げるドイル。絶体絶命の状況に陥り怯えた表情でパニックになるラッキー。
「ぐわああああああああああああああ!!」
「うわああああ!!うわっ!!アニキ……!!アニキィィィィィィ!!ふ……不可解な事がある!!スキャンしてみたんだ!!このゴリアテ、動力炉とメイン慣性制御機能がとっくの昔に完全にイカレちまってるんだ!!装甲の耐久度もとっくに限界を越えてるんだよ!!!」
「ぐううっ!!!ど……どういうことだ?」
「だから動けるはずないんだよ!!こんな事ハナからできるはずないんだ!!もっというとアニキのあの斬撃を喰らった時にこいつはもう理論上完全に大破している。パイロットも即死なはずだ!!ありえない……!!ありないよこんな事!!な……なんだ……!?ま……またゴリアテのパワーが上がった!!すげえ力でしがみついている!!こんなの外せねえよ!!そもそも動力炉がイカてるのになんでこんな出力が出るんだ!?」
泣きそうになって訴えかけるラッキー。そのラッキーを励ますように言い含めるドイル。
「は……は……ははははは!!か……簡単な事だ。こいつがその理論ってやつを越えた……確固たる覚悟や信念を持って戦ってるからだろ。戦場ではなわりとよくある事なんだぜ。こ……ここまでやる奴は稀だけどよ!」
「そ……そんな非現実的な事……!!お……オイラにはとてもじゃないが理解できそうもねえ……!!アニキ……!!このままじゃあやられちまうよおおおおおおお!!」
「ラッキー!!こういう覚悟を持った厄介な野郎にはなあ!それ以上の覚悟を見せつけてぶっ倒すしかねえんだぜ!?」
放たれる一斉砲撃が次々と命中し確実にダメージが蓄積されていくドイル機。その様子が楽しくてたまらないゴリアテのマッコイがドイルに囁く。
「ぎゃははははははははは!!どうだあ!!痛いか?痛えだろう!!この痛みは貴様が殺した仲間達の恨みだあああああああ!!もっと苦しめえええもっと苦しんで死ねえええええええ!!」
ドイルは意を決したように表情を引き締め、マッコイに言い放つ。
「お前さんの覚悟ってのはよおおくわかったぜ!だがその程度でこのドイル様とデスペラードを殺ろうってのが!!」
「あ……アニキ!!この状態で一体何をやろうってんだ!?」
ラッキーは驚き、声を上げる。ドイル機は被弾しながらかろうじて動く左腕の肘で背後から羽交い絞めにしてきているゴリアテの腹部を渾身の力で2、3発叩きつける。思わずうめき声を上げるマッコイ。
「ぐうおわあああ!!こいつ……まだ悪あがきをおおおおお!!」
ラッキーがデスペラードの機体の変化に気づき絶叫する。
「ツインフラッグ同調パーセンテージ上昇!!55…60…65…70…!!同時にエネルギーゲインも大幅に上昇!!すげえ反応だ!!ここへきて一体何が!!?」
ドイル機の機体全体に微かな光のオーラが集まり機体のパワーが急上昇する。
「100年早ええええええええんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ドイル機は肘鉄でわずかに緩んだマッコイのゴリアテの機体を、ここぞとばかりに豪快に背負い投げで投げ飛ばした。凄まじい勢いで前方に投げ飛ばされるゴリアテ。絶叫するマッコイ。
「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」
「まだ終わってねええええええええ!!ここからがてめえが拝む本当の地獄だあああああああああああああああ!!」
ドイル機がブースターを全開にし、猛烈なスピードで投げ飛ばされたゴリアテに瞬時に追いつき、その頭部を右手で掴みゴリアテの巨体を盾にしてジョナサン率いるBFOB隊に凄まじい勢いで突撃していく。
ドイルの奇想天外かつ下劣ともいえる戦法に大いに驚愕、困惑し、果ては怒り狂うジョナサン達。ジョナサンはやむ負えず一斉射撃の中止命令を出す。
「な……なんて野郎だ!!この下衆野郎があああああああああああ!!マッコイのゴリアテを盾にするとはああああああああ!!!う……撃てない……!!マッコイを撃つなんて……!!俺たちの手でトドメを刺すなんて……とてもじゃないが……できない!!一斉射!!撃ち方やめえええええ!!撃ち方……」
マッコイからジョナサンに無線の通信が入る。
「撃てえええええええええええええええええええええええ!!じょ……ジョナサン……!!みんな!!今しかない!!今しかないんだ!!今ならこいつを倒せるぞおおおおおおお!!俺ごと撃てえええええええええ!!」
マッコイの霞ほども衰えていない確固たる覚悟にジョナサンを始め、BFOB隊員は胸をうたれ涙を流す。その決死の覚悟に答えるようにジョナサンは涙を流しながら号令をかける。
「陸戦部隊!!空戦部隊ともに展開していた部隊を収束!!前方に火力を……火力を集中させろ!!マッコイの……マッコイの覚悟を無駄にするなあああああああああ!!全軍ブラッディファントムの狂気を……狂気を刻めえええええええええええええ!!!」
何の迷いもなく味方ごと自分を撃ち貫こうとするBFOB隊にドイルは鳥肌がたち戦意が高揚していく。
「こいつら……!!見上げた根性だ!!相手にとって不足はねえ!!いくぜええええええええええええええ!!」
ラッキーはドイルとマッコイ、BFOB隊との一連の命のやりとりに大いに戦慄する。
「(あ……アニキも敵もイカレてらあ……!!ふ……普通じゃないぜ!!だが……これが……本当の実戦か……!!殺らなかきゃこっちが殺られる……!!なんて世界だよ全く!!)」
火力を集中させた結果、マッコイのゴリアテはドイル機の代わりに一斉砲撃をひとしきり受けた後、あえなく爆散してしまう。断末魔を上げるマッコイ。
「ブ……ブラッディファントムばんざあああああああああああああああい!!」
ジョナサンがマッコイの死を確認すると涙ながらに更に号令をかける。
「ブラッディファントム一の勇者よ……!!マッコイが逝った!!全軍!!ここからだ!!決して手を休めるな!!撃て!!撃て!!撃てえええええええええええ!!撃ち続けるんだああああああ!!!マッコイの誇り高き魂に俺たちが報いないでどうするんだあああああ!!」
次の瞬間に被弾しながらも猛烈なスピードでジョナサンの眼前に現れるドイルのデスペラードの姿がそこにあった。心なしか形状が以前と更に少し変わっている印象を受ける。その威圧感たるもの少なくともジョナサンの目には自分たちの命を刈り取っていく悪魔や死神にしか見えなかった。
これほどまでの接近を許してしまうとは、ジョナサンは爆炎や硝煙でドイル機との正確な距離を計れなかった己の不徳を恥じる前に思わず叫び声を上げた。
「全軍!!!散れええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
ドイル機が振りかざすザンバーの恐ろしいほどまでの鋭い斬撃が、陸戦部隊を襲う。シールドを構えバックジャンプをしたジョナサンのゴリアテは半壊するもかろうじて助かったが、火力を集中させるために部隊を収束させたのが仇になったようで、トライゼ、ドトール、ダリオのゴリアテは身の丈を越すザンバーで一刀のもとにまとめて斬り伏せられてしまい爆散し、もう2度と動かない。
草原を転がり落ち川に沈むゴリアテの中で、ジョナサンは戦意を喪失し絶望の表情で涙を流しながら呟く。
「俺たちは……奴に殺される……!みなここで死ぬ……!すまん……マッコイ……!!」
間髪入れずドイル機は空中へブースターを吹かしジャンプする。ドイルの狙いは残った空戦部隊だ。
味方がやられ浮足だっているデイビスとロビンソンのフライトパックを装備しているドラッケン・ツヴァイは、唐突に突撃してくるドイル機に対し慌てて回避行動をとろうとする。
「うおおおおおおおおおお!!あぶねええええええええ!!ぶつかるぞおおおおおおおおおおおおお!!!」
「正気かこいつ!!?特攻のつもりかよおおおおおおおお!!!!!」
デイビスとロビンソンが搭乗するドラッケン・ツヴァイらの間を割って入るかのように、お互いがぶつかる寸前の間合いで通り過ぎ、猛烈なスピードで飛び去っていくドイル機。
「あぶねえあぶねえ!!あのままいくと正面衝突だったぜ!?ロビンソン!!あのクソガキ!!頭のネジがぶっ飛んでやがる!!だがやっぱりまだ「ガキだ!!フライトパックなしで俺たちと空中戦をする気だぜ!?」
「わかってるデイビス!陸戦部隊がやられちまった!!ジョナサン副官もありゃあ死んでるぜ……!認めざる得ねえ!半端じゃねえよ!あいつは!だがそれも地上での話だ!スレイヴが空中戦をやるのにはフライトパックが必要不可欠!!戦場の常識だ!!やつはフライトパックを装備しちゃいねえ!!うぬぼれが過ぎれば命を縮めるって事を教えてやろうじゃないか相棒!!」
「ああ!!ロビンソン!!挟み撃ちだ!!空中戦の機動力は俺たちの方が上だ!!挟み撃ちで奴を追い詰める!!いくぞおおおおおお!!」
デイビスとロビンソンのフライトパックを装備したドラッケン・ツヴァイらがドイル機を追いかける。
「デイビス!!見つけたぞ!!奴だ!!撃ちおとしてやるぜ!!」
「援護するぜ!!ロビンソン!!」
ドイル機の影を確認するや否やドラッケン・ツヴァイらはスマートガンや肩に内臓されているミサイルを一斉に撃ち放つ。ラッキーはドイルに対し警告を発する。
「アニキ!!後方から2機ついてきている!!撃ってきやがった!!12時の方向!!距離800!!」
ドイルは余裕の表情で笑いながらラッキーに答える。
「よし!!見てろ!!ハッハーー!振り切ってやるぜ!!」
ドイル機は華麗に旋回しながら砲撃を全弾躱し、更に気流に乗ってジェット噴射のようにブースターの出力を上げ加速していく。苦々しく思うデイビスとロビンソン。
「ちっ!!クソ野郎が!!この距離だと満足に当たらねえか!!機動力ではこちらの方が上なんだ!!ギリギリまで追い詰めて直接白兵で叩く!!ロビンソン!!援護してくれ!!」
「わかったぜ!デイビス!!ぬかるんじゃねえぞ!!」
更にフライトパックのブースターの出力を上げ加速していくデイビスとロビンソンのドラッケン・ツヴァイ。ドイル機を執拗に追っていく、が、しかし
「フライトパックなしで空中戦をやろうなんて甘いぜ!!スレイヴ単体で長時間の高速飛行なんてできるわけがないんだ!!そうら……すぐに追いつく……!!追いつく……!!追い……つく……!!ふざけんなあああああ!!全然追いつけねえええええええ!!!なんだ??どんどん離されてるぞ!!一体何が起こってる!?奴はフライトパックなしで高速戦闘航空機並の性能を持ってるっていうのか!?このままじゃあ振り切られる!!!もっともっと加速を!!あらら?な……なんだ……?視界が……?」
フライトパックを装備したドラッケン・ツヴァイの最高速度を上回り、遥か彼方に加速しながら飛び去っていくドイルのデスペラード。どんどん距離が離されていく。
デイビス機に起こっている異常を伝えるロビンソン。
「お……おい……!!デイビス!!お……お前のドラッケン・ツヴァイ……何か……おかしいぞ……!?機体が……バラバラになって……ないか……!?おおおお……ああああああ……?」
「ろ……ロビンソン……!!お前だって機体が……何かで叩き斬られたように……引き裂かれて……!!あ……あの野郎だ……!!あの野郎に斬られて……?いつだ!?いつ……!?いつ斬られた!?あ……あの時か……!最初に俺たちの間に割って入った時……!くそがああああああああああああああおおおおおおおおおお!!」
「うわあああああああああああああああああああああああああ!!」
突如バラバラになって爆散するデイビスとロビンソンのドラッケン・ツヴァイ。ラッキーは更に冴え渡っていくドイルの技に驚愕の声をあげる。
「(見えなかった……!!オイラもいつ斬ったなんてまるで見えなかった!!)アニキすげええええええええぜ!!!いつ斬ったんだよ!?この調子だあああああ!!いけえええええええ!!」
「隙だらけだったんでな!言っただろ!!こんな奴ら俺一人で十分だってなあ!!」
後方で撤退を続けながら、ドイルの戦いぶりを見ていたサンダースは目を見開いて、進化したデスペラードの従来の機動兵器の範疇を明らかに超えつつある戦闘力に心底震えあがる。
「手が……つけられん……!!」
静かに着地し前を見据え不敵な笑いを浮かべるドイル。
「ラッキーよう。なんだか知らねえが今の俺は頭がクリアになって冴え渡ってるっていうか……身体の隅々まで力が漲ってきてスゲエ気分がいいぜ……!!誰にも負ける気がしねえ!!」
今度はドイルの身体から微かに光のオーラのようなものが発せられていく。それに呼応するかのように更に少しづつ形状を変えていくデスペラード。ラッキーは自身も知るよしのないこの現象に疑問を呈する。
「(なんだ……!?ツインフラッグの同調の到達点は戦闘形態のデスペラードデュエルへの変形じゃないのか……?アニキから発せられる光は確かに魔力!進化したデスペラードが更に少しづつ変形していく。し……知らないぞ……!!オイラは知らない……!!デスペラードデュエルの次の形態があるなんて!!ま……まさかブラックボックスの鍵とはこのことを……!!」
その僅かな変化をサンダースは見逃さなかった。考えてはいけない最悪の可能性が頭に浮かび上がる。
「じょ……徐々に変形している……。も……もしや……!ま……まだ……進化するというのか……!!………そ……そもそもこ……この機体は…………我々人間と戦う為に作られたものではないのではないのか!?うまくは言えないがもっともっと別な人間を越えた異形な何者かと戦う為に作られたものではないのか……!?け……桁が違いすぎる……!!万事は休す……!もうダメだ……!!すまんジョナサン!!皆の者!!小生はここまでかもしれん!!」
「サンダース分隊長!!あ……あれをご覧ください!!」
撤退するサンダースを護衛しているサッズ隊員が叫び声を上げる。
古今東西の国々の数々の歴戦の名機といっても差し支えのない、おびただしい数のスレイヴ達が次々とヴァナティック邸地下の格納庫から出撃してくる。サンダースはBFOB隊員と共に喜びに身をよじらせ絶叫する。
「援軍だああああああああああああああ!!援軍が来たぞおおおおおおおお!!待ちわびたぞおおおおおお!!!ここからだ!!ここからブラッディファントム反撃の狼煙が上がるのである!!」
グレイヴだ!ここまでは読んでくれるとは感謝の言葉もない!!しかしながらドイルの独断行動をこれ以上許すわけにはいかん!デスペラードよ!!もっと早くだ!!もっと早く戦場を駆け抜け奴の元へ!!なんだ……!? 突然モニターが反応した??なに?ディヴィジョンの超高性能AIだと? 確かにブリーフィングでデスペラードに最新型のAIが搭載されていると聞いていたが、今はそれどころでは……!!なっ!?バカな……!!そんなはずはない!!お……お前は……お前は……まさか!! 次回「バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その15」次も必ず読んでくれると信じているぞ!!




