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ある召喚士の生存圏  作者: 紀嶋 雁有珠
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4   遭遇 1


  異世界転移2日目

「まずはここを中心に半径5キロ進出での偵察をお願いします」


魔法生物の顔の表情や造りでの判別ができなかったので、規模を拡大するこ

とを想定して、ナンバーを追加で付けてもらった。こうしておけば少佐もなんとか

指揮できるだろう。


「第1小隊は12時方向から右回り45度刻みで、8班を編成して偵察。第2小隊、

装甲車は現地点で待機。救援が必要な場合は信号弾をあげろ。では10分後に

行動開始」


第一小隊の出発を見送るとシュプリンガーSS少佐が話しかけてきた。


「エルザさん私たちは、対外的にどんな集団だと言えば疑われにくいのでしょう

か」

「そうですね、傭兵あたりが無難ではないでしょうか」

「傭兵、確かに武装親衛隊には傭兵のような外国人部隊もいたな。で、名前は何

にしますか」

「ドイツ軍といえば電撃戦、ドイツ語に変えて、省略し“ヴリッツ”はどうかな」

「それでかまいません」

「それで良いと、思います。後、傭兵としての登録にはギルドの在る町に行く必要

があります。ここからですと南か北ですね」

「どちらかは、偵察の結果しだいだな」


その後3人でレーションでの昼食を取って、偵察部隊の帰りを待った。

 


『敵対スルトオボシキ勢力・生物ハ確認デキマセンデシタ。地形モオオムネ良好

デ車両ノ使用モ問題ハナイト判断シマス』


約2時間30分ほどして異状なしの報告を持って7個分隊が帰還してきたが、西に向った分隊の帰還が遅れていた。


「何かあったようだな、ヘル・ルーファー増援を送りますか」

「いや、後30分待って帰還しないようなら、増援を送ろう」


 20分ほどした時

『見エマシタ、第一分隊デス。人数ガ増エテイマス。』


  報告を受け林の北端から双眼鏡で見てみると、確かに3人ほど増えている。

スカートのようなので女性? 頭の上に耳、そして尻尾? が見えた。それにOtM

は何か荷物を持っているようだ。


「獣人? ここはファンタジーの世界か」

「獣人? ファンタジー? 何を言っているのですか」

  知識としては知っているはずのシュプリンガーSS少佐も少しパニックを起こし

たようだ。


「何を驚かれているのですか」

  逆にエルザさんは何に驚いているのかと、首をかしげて不思議がっているよう

だ。


「なに、俺たちのいた世界にはヒューマンしかいなかったから、獣人を初めて見た

んだ」

「そうでしたか」


  また、チラリと上目づかいされて、口角がきゅっと上がるのが目に入った。

うわ、何かよからぬことを考えているのではと心配になった。


  林の真ん中あたりに設置した戦闘団本部(仮)で報告を聞いた。


『報告シマス。5km前進後、馬車ガ大キナ蟻ニ襲ワレテイルノヲ発見シマシタ。

接近シタ時ニハ2,3人ノ死体ト馬車、1匹の大蟻ノ屍骸ダケガアリ、他ニハ見当

タリマセンセデシタ。馬車ノ中カラ女性3人ヲ保護シマシタ。大蟻ノ屍骸も

持ッテキマシタ』


 目の前には眼に剣を突き立てた大蟻の屍骸が置かれていた。


「わかった。歩1-1A(歩兵第一小隊第一分隊長)は残れ、まだ聞きたいことがあ

る。残りの者は解散してよし。疲れているところ悪いがお嬢さんがたにはもう

少し付き合ってもらいたい」

「エルザさん彼女たちに紅茶とクッキーを出して」

「どうして馬車の中にいたのかな」


  少佐の質問に彼女たちがビクット緊張した。人攫いに攫われ、大蟻の襲撃を

受け、見慣れない者たちに囲まれていてはしかたないだろう。


「少佐、顔が怖くイケメンがだいなしですよ。スマイル、スマイルで」

「やれやれ、では、お嬢さんがたはルーファーにおまかせします。私は確認したい

ことがあるので」

「まずは、一息入れてリラックスしてください、私はルーファーと呼んでくださ

い」

「ルーファーさん、ありがとうございます。う~、おいしい飲み物、紅茶という

の、このクッキーというお菓子も甘くておいしいわ」


  蜂蜜入りの紅茶と甘いクッキーのおかげで彼女たちの緊張もすこしは解けた

ようだ。やはり若い女の子には甘いものかな。チラリと横を見ると少佐が歩1-1A

からより詳しい話を聞いていた。


「さて、どうして馬車の中にいたか話してくれるかな」

「はい、私はベアトリス、彼女がクララ、そしてイレーネです。ここから北に

馬車で2日ほどの村に住んでいました。森に薬草を取りに行っていて奴隷商人

に攫われたのです。ヒューマンの奴隷商人がここまで来ることはほとんど無い

はずでしたので油断していました」

「それは大変だったね。それから」

「耳に入った話ですと、南の方でも何人か攫って山脈を回って戻るような話をして

いました」

「この大きな蟻は何なの」

「これが蟻ですか、わかりません。今まで見たことがありません。今朝北の方から

追いかけられて戦いになり、生きたまま商人・護衛の人を北の方に引きずって

行きました。私たちは鍵の掛けられた護送用馬車の中でジットしていたので気づ

かなかったのでしょう」

「それと、ここでは何を使って戦い方をするのかな」

「え~と、冒険者や騎士様は剣・槍や弓を使っています。人数は少ないですが

魔法を使う人も います」

「魔法!どんな魔法か知っているかな」

「クララ、あなたのが詳しいはずよ、お願い」

「はい、見たことのあるのではこれくらいの大きさ(直径10cm)の火玉を投げつ

けていました。 氷・岩・水の玉を使う人もいるそうです。後、風で魔物に傷を

付けるとも聞きました。私たち 獣人族はヒューマンのように強力な魔法は使え

ません」

「ありがとう。エルザさん彼女たちを天幕の中で休ませてあげて」

「さあ、こちらへ」


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