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ある召喚士の生存圏  作者: 紀嶋 雁有珠
16/18

15  接触

ストックが切れました。

次回から不定期になります。

お付き合い、よろしくお願いします。


   村の周囲は丸太で囲われており、高さは5mほどあった。一見すると破られた所は見受けられないので損害は軽微ではないかと思う。その柵の上からチラチラと村人の顔が見え隠れしている。あまり接近して、何かの間違いで攻撃を受けるわけにいかないので、村の門から200mほどの所に偵察をしている少佐の部隊を除く全部隊が集結した。もちろん、OtMは乗車したままですよ。


「ベアトリス、イレーネ、クララ、村に行って村長さんと話できるようにしてもら いたい。それと村を攻めようなんて気は無いと、チャント伝えてほしい」


   オークへの攻撃力を見て必要以上に威圧してしまったかもしれない。


「わかったわ、まかせて。では行きます」


   オペルから降りた3人娘が村に向って進んで行くと、門の上に顔を出していた村人が彼女たちを指差し内側に向って叫ぶのが見えた。門まで50mくらい近づいた時、扉を跳ね飛ばすかのように3人の男たちが飛び出してきた。彼女たちの

父親に間違いないだろう。


   3人とも泣いていたが、やはりオッサンの涙は絵にならない。何を話しているかここからではわからないが、もう少し興奮が収まってから行く方がいいだろう。他の村人も出て来たが、俺たちを警戒してか腰が引けていた。


   5分ほどしてベアトリスから、“いいとも”のサイン(両腕での丸)が出たのでエルザとリヒター大尉と護衛で第2小隊本部と第1分隊と共に近づいて行った。あ、ヴィットマン大尉には念のため警戒をお願いしました。


   さらに、念のため俺と大尉は、ルパン三世の愛用銃であるワルサーP38、を携帯したが、彼らには武器と認識できないはずだ。とにかくゆっくりと近づき話かけた。


「初めまして、傭兵団ヴリッツ団長のルーファーと申します」

「村長のフェルナンドです。このベアトリスの父親でもあります。村と娘を助けて

 いただきありがとうございます」

「いえ、こちらも色々と教えてもらっています」

「お役に立ったのなら幸いです」

「村長、内々に話があるのですが」

「わかりました。村長室に来てください」

「部隊を村の近くで宿営する許可をいただきたいのです。それと、私の部下が

 偵察から戻ってきますので村長室まで案内をお願いします」

「わかりました。こちらにどうぞ」

「歩P2-S1-α軍曹、ヴィットマン大尉に宿営の指揮を取るように伝えてくれ。

 歩P2-0-α少尉は一緒に来てくれ。他の分隊員はここで待機。エルザ、大尉

 行こう」


   村長は村人にオークの死体の後片付けを指示していた。やはり、状態のいい

物は食料にするようだ。ヴィットマン大尉も第3、第4小隊に後片付けの手伝いをするように命令してたが、やはりというかOtMを村人は警戒しているように見えた。


   村長室、といっても村長の家のリビングですが、で村長、あと2人が参加して、話合いにはいった。俺とエルザが村長たちの前に座り、大尉と護衛の

歩P2-0-α少尉は後ろに立っていた。


「あらためまして、私は傭兵団ヴリッツの団長でルーファーと言います。これが

 登録カードです」

「ごていねいに。これが長老、そして自警団長、私が村長です」

「村をオークから守っていただき感謝しますぞ」

「急な事で、村人を村の中に誘導するのが精一杯でした。ありがとうございます」

「とにかく、村が大事無くよかったです。ところで、今までオークによるこのよう な攻撃はありましたか」

「う~ん、ワシの記憶している限りでは無いと思うがな」

「今回のオークの暴走は大蟻が関係していると思うのですが、大蟻ご存知ですか」

「いやわからないな」

「ベアトリスたちも知らないと言っていたな。何処からきたのか。ともかく、私の 話を聞いてください」


   村長以下3人が頷いて、話を続けるように促した。


「オークのコロニーの南側に発生した大蟻がテリトリーを広げたため、オークの生 存圏を脅かした。自分たちの生存圏の防衛に破れたオークが北に移動中にこの村 に現れたと考えられます」

「え、そんなことが・・・・・」


   その後、村人が少佐を案内してやって来た。


「傭兵団の副団長をしています、シュプリンガーSS少佐です。遅れました」

「少佐、偵察はどうでしたか。」

「オークは一族で来ていました。子供や年寄りらしき物の死体が親玉たちから少し 離れた林の中に確認できました。何故死んだのかははっきりしませんが、親玉た ちの死亡を目の当たりにして、パニックを起こした可能性が考えられます」

「少佐、ごくろうさま」


   それから、スクレー辺境伯による侵攻の可能性が高いこと。その場合南方の獣人族の人たちが大蟻のテリトリーで捕獲される可能性がある事を話した。

話を聞いていた村長たちは、顔が序徐に渋くそして青白くなっていった。


   オークの次にその大蟻とやらが村にやって来る可能性に気づき、その上獣人族地域全体が危機に面している事にも思い至った。そして、長老がおそるおそる切り出した。


「ルーファーさんたちはこれからどうされるのかな」

「2~3日宿営させて頂いた後、できれば大蟻の巣を攻撃しますが、無理ならばもう 少し北の方へ移動します」

「わかりました。今日はこれくらいにしましょう。村を救いいただきありがとうご ざいます」

「では失礼します。さあ、宿営地に行こう」


誤字脱字等おしらせくだされば幸いです。

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