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ある召喚士の生存圏  作者: 紀嶋 雁有珠
13/18

12   突破


  命令一下、車列は動き出した。Sdkfz222・Sdkfz251・Sdkfz251/3・

2列オペルx20・Sdkfz222・2列オペルx15・Sdkfz251、左側にⅣ号E型x3、Sdkfz251、右側にSdkfz251という編成になった。


   海岸線に近い所を通れば、大蟻のテリトリーに入ったとしても、右側からの

攻撃は有っても少ないとの想定から主力のⅣ号-3両は隊列の左側に配置した。

この星に転移してきた付近で一度休憩がてら、4号の点検整備をおこなった。


   戦車は見かけよりデリケートな兵器で、本当はタンクトランスポーターに乗せてここまで来たかったが、無いそでは振れない。大蟻発見後の最期の打ち合わ

せをして出発した。ただ平原を走っていると無線からヴィットマン大尉の驚愕した

声が流れてきた。


「ル、ルーファーこ、こちらヴァーゲ(ヴィットマンSS大尉)どうぞ」

「了解、こちらルーファー、落ち着いて、どうぞ」

「了解、大蟻発見、10時方向距離2000m、数約100! あのデカさ本当に蟻か? 

  おっと、どうぞ」

「了解、攻撃を開始。驚いたでしょう。どうぞ」

「了解」

 

   想定通りに左側から来たのでなんとかなるだろうと思っていると、Ⅳ号E型

-3両とSdkfz251-1両は増速しはじめた。Ⅳ号を楯に進むために、戦車に続い

て隊列も速度を上げ始めた。


「弾種榴弾、着発。群れの真ん中あたりにぶち込め。フォイヤー」


  ヴィットマンSS大尉から命令が飛んだ。


  4号E型の24口径75mm砲、現状では自走式で榴弾を発射できる最大の砲

であろう。15cm sIG33 (Sf) auf Panzerkampfwagen I Ausf B

(I号自走重歩兵砲)があるけど、自走砲で砲塔回らないから使えないしね。


   密集している大蟻の中に3発が着弾して数匹ずつ吹き飛んでいったが、

2射目が着弾すると大蟻は密集隊形を解いて散解しながら前進してきた。

それを見た少佐が呟いた。


「やつら指揮官でもいるのか、イワンより有能なようだ対応が早いわ。榴弾の威力

  が削がれる」


   すると、Ⅳ号の砲弾が大蟻の前進先に落ちはじめた。信管をV(遅発)

に設定したようで大蟻の進撃面は掘り返されていった。


「さすがヴィットマンやるな、これで大蟻の進軍速度も少しは落ちるだろう」


   少佐はマイクを取り無線機に命令を発した


「有効射程に入りしだい、各車両は射撃を開始」

 

  距離1000mほどでSdkfz222の搭載するKwK30L55-20mm機関砲、

MG34が射撃を開始した。ヴィットマンの狙いは直接攻撃ではなく、大蟻の進撃

先の不整地化による速度低下と、穴を通過する時の被射撃面を多く晒されること

による、サポートにあったようだ。


  右側に配置されたSdkfz251に乗車していたリヒター大尉から連絡が入った。


「ザーゲ、こちらラーベ(リヒターSS大尉)、どうぞ」

「了解、こちらザーゲ、ラーベどうした。どうぞ」

「了解、1時方向距離1000、大蟻約10を視認しました。どうぞ」

「了解、先頭の222と大尉で対処してくれ。どうぞ」

「了解」


  先頭のSdkfz222は進路を少し右にし始め、射撃を開始した。大蟻の増援

部隊は確認できないのでこの調子ならなんとか通過できるだろうと思っていると、

パンツァービュクセ39やKar98kの射撃が開始された。


   パンツァービュクセ39は対戦車ライフルで、Kar98kが大蟻の外骨格に対して威力不足とわかったのでその補強として召喚して各分隊に2丁追加配備した。

走行する車両からで当たるかな。


   腕のいいヤツもいるようで、この揺れでも命中させており、さすがの大蟻の

外骨格も難なく貫通している。配備したかいがあったとういものだ。などと思って

いると・・・・。


「おわっと!」

「きゃ~」

「・・・」

「エルザ大丈夫か」

「だ、大丈夫です」


   エルザは油断していたのかひっくり返っており、手を貸してやった。昨日までの服装だったら大惨事だった可能性もあり、少し残念な気がした。


   俺の乗っているSdkfz251/3が何かに乗り上げたようで、振り返ると大蟻が

ペチャンコになっていた。こいつを踏んづけたのか。悲鳴(?)を上げないとは、

さすが少佐肝がすわっているな。

  

「ザーゲ、こちらラーベ、どうぞ」

「了解、こちらザーゲ、どうぞ」

「了解、前方の大蟻排除完了。どうぞ」

「了解、定位置に復帰してくれ。どうぞ」

「了解」


   作戦を大蟻の殲滅ではなく、テリトリーの通過としてスピードを第一に考えていたのが成功したようだ。大蟻の先頭は8時方向になり、距離も最後尾から100m

ほどを後ろを進んでいるが、こちらのスピードのほうが上なのでもう追いつかれる

ことはないだろうが、最後尾のⅣ号は砲塔を後ろに向けて射撃を続けている。

しばらくして少佐から射撃中止の命令が下り騒音は収まり、周囲にはエンジン音

と走行音だけになった。 

 

   大蟻は行進を中止して停止しているので諦めたようだ。


誤字脱字等おしらせくだされば幸いです。

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