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ある召喚士の生存圏  作者: 紀嶋 雁有珠
11/18

a   ベアトリス


  私はベアトリス、狼人族の女の子15歳です。昨日今日と人生最悪の日でし

た。昨日はヒューマンの奴隷商人に攫われ(美人だからかな)。今日は大きな

虫(?)のおばけに攫われるところでした。友達の2人と一緒にいなければ恐ろしく

て気がへんになっていたかもしれません。


  虫の気配が無くなり、人の声がしたので返事をすると鍵が壊され扉が開くと

そこには、細かい茶色と緑斑の上着と濃灰緑色のズボンを穿いて上着と同じ

模様の何かを被った奇妙な人形のような物が何体かいました。冒険者や騎士の

様に剣や槍はもっておらず、魔術師のような棒なのに先に穴の開いた物を全員

が持っていました。中でも一人はより太い穴だらけの金属棒を担いでいました。

特に目らしき物も無いのに動き回り、口も無いのに声がする。とても薄気味悪い

です。私たち助かったのでしょうか?


『ココハ危険デス。我々ト一緒ニ来マスカ。先ホドノ大蟻ガウロツイテイルカモ知 レマセン』


  本当はこのまま村に帰りたいと思いましたが、友達2人も同じ意見のようで、

大きい虫の恐怖に負けて一緒に行くことにしました。半オラほど進むとその

人形(?)たちは小さな林の中に入っていきました。3人がヒューマンであとは気味

の悪い人形でやはり同じ奇妙な棒を持っています。ヒューマンは2人が男、1人

が女のようです。私たちは助かったわけではないかもしれません。


  近頃、辺境伯が私たち獣人の地域に攻め込んでくるような噂が流れています。

このヒューマンたちは関係あるのでしょうか。ひょっとして、辺境伯の手先でここらへんを調べに来ているのかもしれません。やはり、私たち奴隷になる運命なので

しょうか。


  人形が上下濃灰緑色の服を着たヒューマンに話しかけていますので、彼が

主人でしょうが、とても怖い人に見えます。声をかけられましたが体がすくんで

返事できませんでした。するともう一人の若い人が話しかけてきました。この人

は黄土色の服を着ていました。そこへ何か飲み物と食べ物を持てきた女の人は、

白い長い布を体に巻きつけているような服で、不思議な感じでした。


   持てっきた物は紅茶とクッキーというようで、食べてみると、とてもおいしくて緊張が解けた感じがしました。色々聞かれましたが質問後、騎士様が使うような天幕で休ませてもらえました。もしかして、私たち獣人を嫌っているヒューマン

ではないのかもしれません。


   休んでいると、震えるような音と共に何かが横を通って行き、少しの間何か

が破裂する様な大きな音が続きました。怖くて目を瞑り、耳を塞いでいたら

眠ってしまったようです。


  日も少し傾き目が開いたので、散歩に林の縁を少し歩くと見覚えのある剣が

見えました。よく見ると剣が眼にささったままの大きい虫が穴だらけ、胴体が

バラバラになっています。馬車の小窓から見た、冒険者の剣をも弾いた硬い皮が

です。あの音の時でしょう、本当は偉大な魔術師なのかも知れないと思いました。


  また、森の中には濃灰青色の木製では無い馬車・荷車(?)が何台もありまし

たが、馬や地竜の匂いさえしません。(あ、私狼人族なので鼻はいいんです。)

あの車たちどうやって動かすのでしょうか。それと、今まで嗅いだ事のない匂いが

色々していました。少し臭いです。


  見たこともない変った、しかし、とてもおいしい夕食後また若い人に話しかけ

られました。私たちが一緒に行動するか、別れるか選択してほしいとのことです。

あの大蟻のおかげで村に帰れそうに無いことはわかります。一緒に行くことに

なると思いますが気になっていることを聞きました。奴隷にはしないと言ってもら

えました。2人と今夜相談して決めますが、たぶん一緒に行くでしょう。ひょっとして、私たち運がよかったのかしら。


  ルーファーさん、(あ、黄土色の服を着た人で、この人が団長だそうです。

少佐さんの方が偉そうに見えますが?)の指示で“ハーフトラック”と呼ばれる

荷車に乗りましたが全部鉄で出来ていました。後ろの方は小さな車輪たちを繋がった鉄の板で巻いていました。

  前の車輪は、木でも鉄でもありません、見た事もない物です。色は黒くて

触ったところ、スライムがうんと硬くなった感じでしょうか。ここにある全ての馬

なし荷車の車輪にこの硬いスライムが巻かれていました。


   こんなので本当に動くのでしょうか。出発の合図と共に大きな音とあの臭い

匂いがして、本当に鉄の荷車は陸竜なしで走りました。なぜ走るのかルーファー

さんに聞いてみましたが“エンジン”“ガソリン”まったく分かりません、不思議です。


  乗り心地は振動も少なく、座席もありお尻も痛くなりません。だけど

ルーファーさんは、乗り心地は悪いと言っていました。いままでどんな馬車に乗っていたのでしょうか。街道を走っていると急に停車しましたので、前を見ると煙が見えました。


   すると姿が見えないのに少佐さんの声が聞こえ、話をしているではありませんか。こんな魔道具も持っていました。少佐さんとイレーネが乗った鉄荷車と4輪鉄車が進んで行き、しばらくするとあの爆ぜるような音がしました。


   また魔道具から声がして、手助けが必要とわかり治癒魔法を使えるクララと

私も行くことにしました。自動荷車に乗り換えて進むと、どうやら商隊が盗賊に襲

われた所を助けたようです。私はポーションを怪我人に飲ませていきましたが、

助けられても嬉しそうに見えなかったのは私の気のせいでしょうか。盗賊が30人

ほど倒れているけど、戦いに参加した10体の人形で怪我(?)をしている物は見当

たらないのはなぜ、どんな戦いをしたのでしょう。


   ところで、新しいヒューマンであるリヒターSS大尉や人形、荷車が増えているいつ増えたのかしら。


   アルジャンに向う時は自動荷車に乗り換えて3人でガールズトークで楽しく

過ごしました。途中で3人の盗賊が見えなくなりましたが、気にしないことにしま

した。アルジャンからニコン村までルーファーに付いて周りましたが、特に変っ

たことはありません。


   ついにルーファーさん達がどう戦うかわかりました。やはり人形が持っていたのは魔道具でした。あの音がして筒の先から火を吹くたびにゴブリンが倒れて

いき、普通の魔法では届かないような遠くのゴブリンも倒されていました。特に

太い沢山の穴の開いた筒からは考えられないくらいの速さで火を噴き続けて

いました。イレーネから話は聞きましたが、自分の目で見るまで信じられません

でした。


   しかし、この騒音と匂いと煙はたまりません。


   逃げ出したゴブリンが森に近づいた時、何かが森に向って落ちていきくさん

の轟音と共に土やゴブリンが跳ね上げられていき動く物はいなくなった。後ろの

方で準備していた“ハクゲキホウ”から発射したと聞きましたが、あんな遠くまで

飛ばせるなんて怖いです。


  もし、ゴブリンにつかまっている女性が居た場合、のっぺらぼうの人形や男の

俺たちより、女性の私たちのが看護に向いていあるだろうとルーファーさんに言

われました。やはり、この人は優しい人です。


   コロニーに着いてみると3人の女性が保護されており、残念なことに2人は

死亡していました。ゴブリンの苗床にされ、衰弱死したのでしょう。こんな死に方はしたくありません。とにかく3人で手分けして女性たちの看護にあたりました。


   やはり、クララの治癒魔法は役に立ちます。クララはハーフなので魔法が使

えるのでょうか。それと、ルーファーさんから脱水症状の可能性があるから経口

保水液を飲ませるようにと少し白く濁った水を渡されましたが今まで見た事も

聞いたこともありません。ルーファーさんと一緒にいると知らないことがいっぱい

出てきて楽しいです。


誤字脱字等おしらせくだされば幸いです。

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