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第三百九話 蓄財

随分と沢山お金貰ってますが、公爵家からの謝礼金とかも入ってるんですよね。

 代官に国王陛下がいちいち指示したりしない。いやまあそれはそうなんだよ。そもそも代官ってのは国王陛下は国の政治で忙しいからその代わりに直轄地を治めろって話だしね。


「あのね、国王陛下、この二人はついこの間まで普通の……かどうかは疑問が残るけど、とにかくそんな女の子だったんですよ。いきなり全部やれ、て回ると思ってんですか?」

「いや、ヒルダなら簡単に回せるだろう?」

「ヒルダ様みたいな完璧超人が二人もいてたまるか!」


 そう。あの人は別格なんだ。そうに決まってる。というか外見こそ私たちと同年代だが中身は……おっとなんか寒気がしてきた。


「あー、わかったわかった。それで何をして欲しいんだ?」

「まずは予算ください。あとは都市運営に詳しい執政官」

「わかった。手配しよう。ちょうどいいのが居るからな。あと、予算だが……残念ながらそっちは無理だな」


 いや、最悪潤沢な予算があればアンナさんがやりくりに苦しまなくても済むというのにこの国王が!


「落ち着け。あのな、前領主のシンター男爵、いや、元男爵の取調べが終わってないのでな。持ち出したはずの金の隠し場所を言わんのだ」


 シンター……って誰だっけ? あ、日焼け肌のそこそこイケメンだった元領主! そうか。街の運営費を着服してたんだ。なるほどねえ。


「それじゃあ貸しといてください。回収はそのシンターってバカから」

「おいおい、いくら回収できるかもわからんのに」

「知ったこっちゃねえんですよ。損したくなきゃ気合い入れて取り調べしてください」

「ちょっと、キューさん、国王陛下に」


 私の啖呵を聞いて無礼だ、などと怒りだすような奴なら私はこんなことは言わない。この国王陛下はちゃんと話がわかる人物だ。


「ったく、敵わんな、お前には。仕方あるまい。だが、国庫にもそういう金はないぞ? もちろん予算を取り崩す事は出来るが今は大半の予算を海の向こうで使っているからな」


 あー、テオドールの飛び地領地か。そりゃあまあ別の大陸に橋頭堡が出来たらそこをしっかり固めるのが戦略だよね。旨みがなくなったら撤退するんだろうけど。


「仕方ない。じゃあ私の個人資産から貸し付けますよ。もちろんアンダーゲートじゃなくて国に」

「そんなことするってのか?」

「いやまあ私らのところも金はそれなりにいりますが、緊急な出費は無さそうなんで。今は育てる果物とか探してるところです」

「果物とかならミルドレッド公爵家に言えば良かろう。あそこの農場は広大だからな」


 その手があったか! 確かにうちに来る野菜やら食べ物はミルドレッドからの大鷲便で運ばれてくるもんね。早めに話付けよう。


「で、執政官はいつ頃?」

「まあ一ヶ月以内には着任できるだろう。なんなら迎えに行ってくるか?」


 私を便利に使うつもりですね? そうはいきませんよ。私は国の道具にはならないんですから。ん? 一ヶ月? もしかして……


「あの、国王陛下、その人って私の知ってる人ですか?」

「そうだな。知ってるヤツらだな」


 やつら、ときたもんだ。まああの二人なら執政官としては申し分ない。特に妹の方の事務処理能力は十人並……いや、十人分だ。まあ迎えに行こうにも今どの辺まで帰ってきてるか分かんないからね。とりあえず帰って来たぐらいのタイミングでまた王都に来ることにするよ。


 という訳で私は二人を連れて屋敷に戻った。ラヴィアが出てきた。


「お帰りなさい、キュー様。あの、連れて行ったアディ君とパンドーロは?」

「ああ、まだ向こうで頑張ってるよ。それよりうちが出せるお金ってどれくらいある?」

「突然ですね。すぐ出せる、換金出来るとなればそうですね、金貨で三十万枚程でしょうか」


 金貨で三十万枚? よく分からないんだけど、それってすごいのかな? 金貨一枚で八洲円でいくらなのか分からないんだけど。あ、だいたい一万円くらいと換算して……あの、億超えたんだけど。


「そんなにあるの?」

「使いませんからね。貯まる一方なんですよ。だから投資とかに回してますけどそれでもいざという時のためのお金は必要ですので」


 どうやら知らない間にめちゃくちゃ溜まってたらしい。あの、これってもしかして私、商売とかしなくても食っていける感じな話? うーん、現代知識チートでお金儲け! とかちょっと夢見てたんだけどなあ。


「うん、わかった。じゃあそこから十五万程金貨出してくれる?」

「どこのカジノに突っ込むんですか?」

「ギャンブルじゃないよ! アンダーゲートの復興にね」

「十分ギャンブルじゃないですか。あそこの街は破綻寸前なんですよ?」


 待って待って、ラヴィアはそれを把握してたわけ? というかアンテナを張ってる訳か。というか他の貴族にも相手にされないだろうって事かな。


「ですが着眼点は良いと思います。海の向こうの大陸への足掛かりとしてこれから発展していくでしょうから。今のうちに恩を売っておくのは悪くない投資ですよ。まあ破綻を乗り切れれば、の話ですけど」


 その破綻を乗り切るのに私のお金を使おうというのだ。とりあえず財務の立て直しをしないと。まずはシャーロッテさんに軽々しく約束してくるのを辞めさせないとね。


「分かりました。キュー様がそう言われるならすぐにでも。とりあえず五万枚は金庫にありますのですぐにお持ちしますね」


 金貨五万枚。重さ的にはかなりなものだろうけど、私にはアイテムボックスがあるからね。持ってきてもらうのもなんなので金庫の前まで行ってアイテムボックスに詰め込んだよ。五万枚より少し多かったね。


「一時的に金庫に金が無くなりましたがその気になれば両公爵家からも調達出来ますので」


 あー、だから払いの心配とかないのか。あ、預かってもらってるだけ? 分散保管しとかないと危ないから? 両公爵家に十万枚ずつ預けてんの? 残りの五万枚は? 村にある!? 村に隠し金庫作ってそこに置いてあるの?


 私たちはお金を持って再びアンダーゲートの街へと舞い戻った。

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