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再び

特訓二日目。俺はバーで夢力から明晰値から何やらなにまで細かく話を聞いている。




確かに分からない部分が多すぎる。


分かりやすく簡潔に説明すると明晰値とは呼吸と同じだと師匠は語る。

酸素を吸って、二酸化炭素を吐く。体の酸素が減ればまた酸素を補充する。呼吸は常に連続している。これと同じらしい。

一回の呼吸量は人それぞれで限られている。

この呼吸量が明晰値にあたる様だ。


なるほど。わかりやすい。

そして酸素は肺に入る。肺にはいくつもの部屋がある。つまり肺胞だ。肺胞は数えきれない程に部屋が別れている。空いている部屋には酸素が入るが閉まっている部屋には酸素は届かない。

結論から言うとイメージ出来ない技は部屋が閉まっていると言うことだ。

逆に言えば開けられるとも言える。これがまずポイント1。


今まで不可能だった属性が特訓次第で扉を開く事が出来るのだ。


数多くある扉にもジャンルが大きく5つに別れている。火、水、風、雷、土。これだ。

希に6つとか7つと言ったオリジナルの扉を持つ者もいるみたいだが、それは自分で見出だすしかないようだ。



そして大きくわけた5のジャンルだがどうにも奥に更なる扉があるらしい。これを覚醒の扉と言う。

この扉を開く事が出来れば数段に強くなれる。これがポイント2





まずはこの二つのポイントを中心に特訓していく。





「よし。お前が一番得意としている属性はなんだ?」師匠が話す。




んー。やっぱり火かな。



「じゃあまず火から行くか。」




「はい!お願いします。」



「いいか!得意な属性は細かい扉を開きやすい。扉を開くコツを掴むには一番手っ取り早いのだ」



「ですが具体的にどうしたら。」




「難しく考えるな。お前が一番望んでいる炎をイメージしてみろ。別にこの世に存在していない炎でもいい。なんでもいいんだ。それが夢士の特権だ。」




そうか。そういう事だったんだな。



俺が出したい、炎。………………黒。





っブォン‼‼で、出たよ。黒い火が。あれ?何?こんな簡単なの??




「ほう。黒炎が出たか。やはり才能があるようだな。」


黒炎は最上級で神殺しの炎なんだがな。

実はと言うとさっきのアドバイスは真っ赤な嘘だ。個によって出せる威力の限界は決まっている。大体は色によって判断出来る。


白>黒>紫>青>赤>ノーマル

白だけはちょっと特別だ。覚醒の扉を開かないと使えない。

まだこいつには言えないがな。



「どういう意味でしょう?」



「ッフ、後で教えてやる。」少し右の口角を吊り上げながらアキラはいう。




なんだよ。余計気になるじゃん。




「次だな。風をイメージしてみろ。」



風。……これも……黒だな。


激しく黒い突風が巻き起こる


「おお!!出来た。」


こいつ。まじか。



実は砂鉄なんて言ってこいつは使っているがあれは黒い砂だ。もうすでに最上級を持っていたわけだ。



火、風、土の3つを最上級まで使える訳だ。この時点で能力はすでに俺より上かもな。

だが死魔(デス・タクト)の連中は5席から上になれば黒系統の技を平気で使ってくる。



そいつらに勝つとすれば……相性か……コンビネーションしかない。もしくは……覚醒の扉を開くかだな。



覚醒の扉を開くには属性の性質を極めた上、素質をもったやつでなければ開く事は出来ない。



まぁでもこいつはその素質を持ってるだろう。後はこいつ次第だ。



「次は連携技だ。お前は確かにいい連携技を使う。だが俺レベルには通用しない。まずは黒系統を使わず、俺に一杯くわせて見ろ。」



やってやるか。

舐めやがって。




俺は砂鉄に火薬の粉塵を混ぜ風を使い、広範囲に広げる。師匠の水で火薬がしけさせられる前に着火。



至るところで爆発。これなら避けられまい。煙に包まれた中で散らばった砂鉄を師匠に向けて一ヶ所に集める。串刺しだ。



「確かに。筋はいい。ユーモアもあるし組み合わせも悪くない。だけど黄金比を使えるのはあの技一つか?」

師匠は見抜いている。

即興で考えた技では通用しないのも分かっているし黄金比の技も一つしか持っていない。



「そんなんじゃ俺にいつまでたっても攻撃を当てる事なんて出来ないぞ!」



それから幾度となくチャレンジしたがその日は攻撃を当てる事は出来なかった。



そんな事をしながら一週間がたった。

俺は今だに攻撃を当てる事が出来ない。

ここ最近はともみも離れたところから観てる事が多い。常に苺をくっているが。




「あれから何も上達していないぞ‼お前の資質はそんなもんか?」


その言葉はいい加減飽きた。

もう俺は考えるのを辞めた。いくらシミュレーションしても意味が無いから。何百という技を組み合わせたがどれもきかない。



だからもう考えるはやめよう。



俺はスッと左手を師匠に向けてかなりでかい火炎弾を最速で放つ。



師匠は上に飛んだ‼

俺はさっき放った火炎弾に風を送り、火は火力を増して龍の形になり上に昇っていく。


と同時に俺は師匠に向かって飛び込み黒妖で斬りかかる。


っ!水のバリアーだ‼俺は構わず黒妖に風を纏わせて強引に剣を振りきる。



師匠は剣で受ける。だが黒妖は風を纏っている。風は乱刃となり師匠の服を斬る。



すぐさま黒妖を形態変化させて雷針鉄砂(らいじんてっさ)を放つ。


その時!

「うお!?」師匠の剣が眩しく光った。



俺は怯み防御体制に入る。



「とりあえず。合格だ。」



え?え?


「この特訓はな。俺に一撃を入れる事じゃない。お前は自分の能力に過信して自分自信であまり攻撃してこない。技を決める為にお前がフェイントになるんじゃなく。その逆だ。お前が決める為に技を使うんだ。

それに俺の服を斬ったしな。」




なるほど。確かに俺は今まで自分自信で攻撃した事はほとんどない。

まだ過信していたのか。

だがこれで次のステップに進める。


遠くでなぜかともみが苺を食いながら喜んでる。

可笑しなやつだ。



「師匠!!覚醒の扉を開く特訓をしたいです。」



「お前は学習能力がないやつだな。まだ技を覚えたがるのか。

それにな。覚醒の扉は特訓どうのこうのじゃないんだよ。」



「強くなりたい気持ちは分かるが本当の意味で自分を理解出来た時覚醒の扉が開ける。ちっとやそっとで急に強くなると思うんじゃないよ。」






ドッゴーン!!!


「な、なんだ!?」師匠と目を合わせる。



後ろの方を振り替えると王宮の方で煙が上がっている。



「行くぞ!」師匠が王宮の方へ走っていく。

「ともみ!!家に戻っていろ!すぐ戻る!!」



ともみは分かった!と言って家に戻って行く。

街に着くともうすでに悲惨な状態だった。

「な、なぜこんなに平和な国が……」



「アースだよ。」


俺はえ?と答える。


「この国にはホワイトアースがある。今まで他国どころか国内にも所持している事を知られていなかった。ほんの一部の人間しか知らないんだ。」



「とにかく行かなくては!!」


「いえ、師匠。敵はこの騒動を機にこっちの方まで責めて来るかも知れません。

娘さんの所へ。ここは俺が。」


師匠はしばらく考えた後

「……分かった!向こうは任せた!」

そういって師匠は家の方に戻って行った。



俺は空を飛び王宮へ急いで向かった。

王宮へ着くとそこには必死で抵抗する兵士達と子供とじゃれているかの様に仁王立ちする一人の男と男の肩にのる小さい女の子がいた。




俺はそいつらの正面に降り立つ。



「ダム~なんか変なやつきたー。」変な女の子が言う。

男はダムと言うらしい。



「………………」ダムは無言だ。




「あ、貴方は‼」後ろから声が聞こえる。


振り向くと俺が入国したときの門番兵士だ。


俺はそいつに

「ここは任してくれ。」そう一言いい、敵に目を戻す。




が、すでに敵は俺の視界の外だった。

俺は瞬時に黒妖を左上に向かって抜刀する。



「………………」ダムは相変わらず無言だが

チビ女は

「やるねぇ~ダムの一撃を防ぐなんて」



俺は質問する

「お前らは死魔(デス・タクト)か?」


またチビが喋る

「そうだよ~♪私が11で~ダムが12なの♪あんたじゃ勝てないよ~私達にはね!」



死魔であることは大体予想していたがツーマンセルだとは思わなかった。



「ダム~!さっさと片付けてアースとって帰ろ♪」

やはり目的はアースか。



そうと決まれば何としても守らなければ行けない。アースを守ることが俺に課せられた使命だからな。



「じゃあ、いつものやっちゃおっか♪」そう言うと二人が次々へと分身していく。



だがそれを見ている必要ないのだ。

四人から八人に増える前に俺は風魔・炎昇弾を放つ。分身ごと吸い寄せられ大爆発。



特訓のおかげか力のコントロールが大分出来る様になってきた。



すかず俺は黒妖に炎を纏わせ炎剣・黒妖にし爆発の中に突っ込む。


炎昇弾の大爆発で回りに少しの真空空間が生まれ、その真空を埋める様に勢いよく風が集まる。それを利用し、俺のスピードも上がり、炎剣もより炎を増して燃え上がる。


煙の中から一つだけ残った人影に俺は痛烈な斬撃を与える。手応えはある。


しかし後ろから俺は攻撃された。

金剛黒鎧のお陰でダメージは無かったが、どういう事だ?俺は確かに斬った。



「なんかこいつ強いじゃ~ん」チビの声だ。



じゃあ俺がさっき斬ったのは分身か?と思い振り向く。煙が薄れてきて人影がはっきりしてくる。


そこにいたのはさっきの門番兵士だった。

その横に3人倒れているが3人とも兵士だった。



もしや。まだ確証はないがダムと言う奴は恐らく幻術を使う。あのチビの方は人を操れる。操った人を幻術で分身してる様に見せてるのだ。



あくまで俺の推測でしかないがな。

だが早すぎるのだ。操ってから幻術をかけ分身に見せかけるまでが早すぎる。


それかもうすでに幻術にかけられているのか?



もし、幻術にかけられていたら俺は戻る術を知らない。




とにかく本体を見つけないとどっちみち倒せないな。




「だんだんイライラしてきちゃったよ~

もう本気出しちゃっていいかな~。」



うっとおしいチビだ。




??チビの回りに不気味なオーラが宿す。



人駒千操(ひとこませんそう)」するとチビの回りから次々と異空間から操られた兵士が出てくる。



だが今度は分身ではない。


ダムは2本指を立て忍者ポーズをしながら二人は異空間へ消えていく。



なるほどな。謎が解けた。




最初の分身は恐らく本当に分身していたのであろう。それから俺が攻撃し、煙に紛れた時にチビが異空間から兵士を出したのだ。



さらに兵士を操っている間。チビは動けない様だ。だからダムはチビごと異空間に隠れる必要がある。



とにかくこの兵士達を倒さなければ。

俺は自分の回りに黒風を纏い周囲に放つ。



黒風だ。恐ろしい威力だった。一瞬にして100はいたであろう兵士はいなくなり、


さらに異空間へ隠れていた二人が後ろから出てくる。



「く、黒い風?な、なんで…こいつが。」



ん?なんでだ?俺の攻撃が食らってる。




「お、お前…なにもん…だよ…悪魔の技を。」



よく分からんがチャンスだ‼


俺は黒妖に黒風をさ纏わせて巨大な斬撃を放つ。



漆黒風牙(しっこくふうが)にしとこう


を放つ。



「く、くそー。何で私たちがー‼」




二人はそのまま斬撃を食らう。


「うわぁ~!!」と言いながら黒い光になって蒸発していった。



黒系統の技は後で師匠に聞いてみるとしよう。



とりあえずアースは無事だ。野次馬が来る前においとまするとしよう。




俺は宿に戻る。



「師匠‼無事、敵を討伐してきましたー!」




あれ?返事がない。それにやけにもの静かだ。




「あれー?ししょー??」

ともみもいない様だ。




!!奥の部屋へ着くと師匠が血を流して倒れてる。

「師匠ー!!」と駆け寄る


と、同時に吐き気がするくらいの殺気を感じる。





あいつだ。あいつしかいない。

俺は恐る恐る振り向く


そこには奴がいた。髪の色は白に変わっているが確実にあいつだ。


「やぁ。また会ったね♪ダムとミーアを倒したみたいだね。少しは強くなったかな?」



糞。足がすくんで動かない。



「な、なんでお前がここにいる?」俺は力を振り絞り質問する。




「さぁ?むしろ僕が聞きたいよ。なぜ君がここにいるのかね。」




「お前に答える必要はない。」かすれた声で答えると次の瞬間奴の手が俺の腹に刺さっていた。




「あれ~?一撃で殺す予定だったんだけどね~。思った以上にその鎧、堅いね。」




俺はその場へ倒れこむ。



っう。意識が薄れていく。く、糞!俺は…死ぬのか。




「君とはまだ戦いたくなかったなぁ~。それからこの娘はもらっていくよ。」




(じん)!!助けて!やだよ!パパ~!神~。助けてぇ。」



泣いてる。

俺は目が朦朧としながらも殺意のオーラがわき出てくる。




「てめぇを…コ…ろ…す。」俺は我を失った。



我を失った俺は奴でも反応出来ないスピードで後ろへ回り込み斬る。


だが白は過労死て避ける


「驚いたよ。君に狂乱の力があったなんてね。」白はふふと笑い

「つくづく面白いね。君は。」


「っな!」左腕がボトリと落ちる。

「こ、ここまでとはね。左手を失った以上は娘を連れて逃げ切れそうにないね。」



白は窓の方へ飛び、去り際に

「本気で戦える日を楽しみにしている。ともみちゃん?だっけ?また迎えに来るよ♪」

そう言い残して消えていった。




その瞬間俺は倒れた。








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