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頑固な親父



空を翔ぶこと。それは人類の憧れである。



そして俺は今、漆黒の羽を広げ優雅に翔んでいるのだ。



風が気持ちい。まるで鳥になったようだ。

無駄に旋回したりしながら呑気に翔んでいた。


途中ガーゴイルみたいなやつに何度か遭遇したがどいつもこいつも凱風(がいふう)で突き落としてやった。



俺は砂鉄をメインとして戦うが使わずに済む戦いであれば温存しておこうと思う。


理由は二つ。1つはなんか格好いいから。

強い敵にしか使わない。そんな感じでの戦闘が俺の中ではヴィジュアル敵で格好いい。

まぁ個人敵な理由だな。


二つ目は維持していれば限界はあるだろうがどんどん夢力を溜め込み、強くなることがわかった。解放すればかなり質が上がる。


出し惜しみするわけではないが、そこは臨機応変に対応していくつもりだ。




っお!雲の合間から大陸が見えて来た。


俺は少し手前で着陸し、そこから歩く。

不法侵入はごめんだからな。

大抵こういった島国は外部の人間を寄せ付けない傾向があるからな。




着陸した所はだだっ広い草原が広がる。のどかな国だな。


しばらく歩いて街の入口につく。これまた大きな門だ。


この世界は全体的にスケールが大きい。建物にしろ、門にしろ、サソリにしろね。



門の前に立つ。すると長槍を持った兵士が近づいてくる。



「最近、物騒であるゆえ、ジャガ王国へ入るには審査が必要だ。何か身分を証明できる物はあるか?」


入国審査か。そ、それにジャガ王国って。じゃ、じゃがいもの事じゃないよな?



俺はエクセリアに貰ったネックレスを見せる。



すると兵士は膝まづき

「大変失礼いたしました。エクセリア家の方とは思わず。どうぞ入国下さい。」



え、エクセリア。すごいんだね。

感心しつつ俺は難なく入国することができた。



門が開くとそこには広い牧場が広がり、牛がたくさんいる。


あー。ここやっぱり北海道か。



どれくらい歩くかわからないほど先に宮殿のような建物が見える。



はぁ遠いな。空でも飛んでいくか?

そう思ったが、ちらほらと民家も見えるので話を聞きがてら歩く事にした。



途中、農作をしている老夫婦にあった。



「おや?みない顔だね。こんな田舎に用でもあるのかい?」

お婆ちゃんが話す。



「ええ。人を探しておりまして。ジャーパンから遥々やって来ました。」



「ジャーパンから?そりゃさぞ長旅だったでしょう。なんにもないとこですけどゆっくりしていって下さい。」

続いてお爺ちゃんがそう話す。




平和で暖かい国だ。とても今世界が危機に晒されてるとは思えないほどにね。

どこの国もこうなればいいのに。と思いながら俺は


「それではお言葉に甘えさせてもらいます。」そういって歩き出した。



とりあえず王宮へ行ってみるか。これだけ平和な国ならきっと王様も優しい方であろう。

俺は足早に歩を進めたが一向に王宮が近づいてこない。どれだけ広い国なんだここは。



そう思っていると宿らしい物が見えて来た。


気がつくと辺りはすっかり薄暗くなり今日はそこに泊まる事にした。




俺は建物の前に立ち出ていた看板を読む。


「苺の宿」そう書かれていた。宿で間違いないようだな。



俺は建物に入る。

中は少し古くさいが一回はバーの様な形をしていた。



「あら?珍しい客ね?どちらから来たの?」若い娘が話す。

どうやらこの若い娘が受け付けらしい。



「ジャーパンから来た。一泊したい。いいか?」そう言うと


「ええ。いいわよ。」



裏から声が聞こえてきた

「だめだ。余所者は泊めねー。出ていきな。」

頑固そうな親父が出てきた。


「パパ。いいじゃない。」若い娘が複雑そうな顔でいった


どうやらこの頑固親父はこの娘のパパらしいな。


「いや、駄目だ。余所者は信用出来ねーからな。」


見た目通りの頑固だ。


「分かりました。それでは一杯いただけますか?」俺は素直だ。



頑固親父は嫌そうな顔をしながら

「ジンとウォッカしか置いてねー。」



すかさず俺は言う

「水を一つ。と何か食べ物があれば。」



「ともみ、持ってきてやれ。」

娘はともみと言う名前らしい。



ともみは大ジョッキ一つとたくさんの苺を持ってきた。苺を一つつまみながら。



「お待たせしました。せめてゆっくりしていって下さいね。」と言い。更に耳打ちをしてきた。

「パパは頑固なの。ごめんなさい。」



知ってるよ。顔みりゃわかるよ。

だがこの娘は親切なので

「お気になさらず。」と紳士に言葉を返す。




俺は5分で山積みの苺を感触し、残った水を一気して。エクセリアから貰った金貨を2枚置いて


「ありがとうございました。」と礼をいい出ていこうとすると



「あ、あ、あのお釣りは…」とか言っていたが



紳士な俺は振り向かずそのまま出ていった。



「ねぇパパ!!なんであんなひどい事するのよ!!」



「油断させておいてから殺すんだよ。奴らは。雅美(まさみ)が殺されたようにな。」



少し泣きそうな顔でともみは言い返す。

「ママだってそんな事望んでないよ!お店だってずーっと赤字だし。もう貯金だって無くなった。今のお客さんだって満足して置いていったお金じゃないじゃない。そんなお金使えないよ。」



親父は無言だ。しばらくしてから口を開けた

「すまない。」




ー……



はぁー。参ったなぁー。しょうがない今日は野宿でもするか。

俺はさっきの宿より丁度北へ500メートル行った所の小丘に立つ一本の木の下に腰かけた。



やはり北国だ。少し冷える。

寒いから木の枝を切り落とし、火を着けようとすると。



さっきの宿の方から

「お客さーん!お客さーん!」と先程の娘が叫びながら俺を探しているようだ。



俺はやりとりが面倒なので無視してた。

それにまたあの頑固親父に会うのも嫌だしな。



「お客さーん!お客さーん!」

…………

「お客さーん!どこいっのー??」

…………

うるせー。だんだんイライラしてきた。

「お客さーん!」

俺がうるせー!!と怒鳴ろうとした瞬間


「お客さー……ッきゃあ‼」と悲鳴が聞こえた。



目を凝らしてみると狼人間見たいな奴ら二人が娘を拐おうとしていた。


「パパ~!助け…ッン!!」


「声を出すなよ~グヘヘ」涎を垂らしながら娘の後ろに回り口を押さえる。



「ん~??」もう一人の狼男は不気味に笑いながらこう話す。


「この女の臭い。……そうかあのときの娘か。そういやあの時の女は旨かったなぁ~お前も母親と同じ様に犯してから丸焼きにし……ッぐは‼‼」



イラついて来たから。後ろから黒妖で心臓を一突きぶっさしてやった。


金剛黒鎧を着ている俺は夜の暗闇と同化して狼男は何が起きているか分かってないようだ。



「だ、誰だ!!何をした!!この娘を……ッぐは!!」



ぐだぐだ喋ってるから娘を切らない様に狼男の両手を切り落とす。



狼男から離れた娘は泣きながら距離をとり、「パ~パー!!パ~パー!!」と叫ぶ



「な、何者なんだ。貴様は!」狼男がいうが


「お前に名乗る必要などない」といい放ち

火炎弾を放つ。ついでに先に倒した奴にも放つ。


「くそ、くそがー!!」そんな事をいいながら死んでいった。



その後すぐ頑固親父がやって来た。

あ、なんか間が悪い気がする。


「貴様ー!!やはり娘を狙って!」なんて言うがやっぱりか。


だが娘が遮る「違うの!パパ!この人は!」


それを頑固が更に遮る「うるさい!お前は黙っていろ!」



「お前が何者か知らんが娘を狙う奴は容赦しない。。。」目が狂っていく。


あー。芽亜が襲われそうになったとき俺はこんな目になっていたのか。



だがそれより凄まじいオーラだ。殺気と邪気が混ざりあったかの様だ。



「コ‥ロ‥ス……」我を失っている。



しょうがないやるしかない。

そう思い黒妖を取り出す。



頑固親父が突っ込んで来た‼



!!その時娘が割って入った‼



「!?ともみ!!」親父は我に返ったが止められそうにない。



俺は鬼の早さで娘の前に立ち黒妖で防いだ。凄い力だ……っな!!黒妖にヒビが入りそのまま俺は一刀両断された。



それと同時に俺は意識を失う。






気がつくと俺はベットの上に寝ていた。

俺、斬られたのか。あれ?痛くない。



「気付きましたか?」横には娘がいた。



「あ、あれ?俺は。……」

「傷は治しておきました。」

治したってほぼ無傷じゃないか。



「先ほどは父が大変失礼を致しました。事の経緯は全て話しておきましたので、父はもう誤解はしていないと思います。」



「目が覚めたか。」親父が来た。

「さっきは悪かったな。少し他国の者に敏感になりすぎていたらしい。娘を助けてくれてありがとう。」



「気にしないでくれ。」俺はそう言った。




「一ついいか?」親父が言う

俺はコクと頷く。


「わざわざジャーパンから何をしにこんな田舎へ来たのだ?」



「ある人物を探している。2年前ジャーパンにいたようだが、それからは北の地へ向かったと聞いた。」




親父は「それは誰から?」と。

俺はエクセリア女王からと話す。



親父は何かを考える様にそうか。と答えた



「何か心辺りでも??」と質問する。




「お前。。。もしかして夢士か?」



あら?意外な言葉だ。

「な、なぜそれを?」



「やはりな。確信はなかったがお前は妙な技を使う。その鎧とかな。夢士であれば2年前ジャーパンにいた男を探しているのも頷ける」



おぉ?やけに話が噛み合うな。俺は聞いた


「まさか、貴方が。」




「ああ。俺が元夢士だ。今はただの宿を経営する頑固親父だがな。」



っあ。自分で頑固いっちゃったよ。




「それで俺に何のようだ?」



俺は意思を持ってはっきりと答える。

「俺を弟子にしてくれ!」




予想外に早く見つけてしまった元夢士。

金剛黒鎧を一刀両断するほどの実力者

(じん)は弟子にしてもらえるのか。







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