EP25 奪った力、託された力、作られた力 2/5
グリーンもブリッツも何が起こったか分からなかったが
「麒麟を吸収したのか」
と、ブリッツは斧槍を回し、構える
光を吸収したブルーは、一瞬眩く強い光を放つと、頭部に特徴的な一本角を有している
「吸収したんじゃない、託されたんだ」
ブルーはブリッツを睨みつける
「命を、力を、思いを、奪ってばかりのお前には分からないだろうけど」
それを聞き冷笑するブリッツ
「生憎、気持ちを理解するのは苦手でな」
ブリッツが斧槍を天にかざすと、火球魔法陣が4つ展開される
ブルーは、地面を踏み鳴らすと、地面が割れ、直径1mほどの大きな岩が4つ飛び出し、ブルーの号令を待つようにブルーの周りに滞空する
魔法陣から放たれる火球
滞空する巨石を蹴り飛ばすブルー
ブルーに蹴られた岩は、青いオーラをまとい、ブリッツの放った火球に突っ込む
4つの岩は火球を霧散させると、勢いそのままにブリッツに向かって行く
ブリッツは迫る岩に斧槍を横一線に薙ぎ払う。岩は粉々に粉砕されるが、岩の後ろにはスーパーオーラを足にまとったブルーがジャンプ蹴りで迫っている
「うおりゃぁぁぁ」
滞空しながら重い武器を振るという事は、それだけ隙が大きくなる。急降下するべきか、武器の振り返しで攻撃するか、一瞬の迷いがブリッツの行動を遅らせる
斧槍でスーパーオーラの蹴りをまともに受けてしまうブリッツ
しかし斧槍は、蹴りの衝撃で大きく曲がるものの、折れはしない
「なるほどな!!お前達のオーラは、無機物を破壊する威力は無いって事だ!!」
上空へとジャンプしての蹴りであった為、勢いはなくなり、ブルーは蹴りを止め、体を回転させ、バク宙をすると地上へ降下する
「バリアには効いたのに…」
ブルー自身もオーラが、無機物に効果が無い事を初めて知った為、困惑する
着地したブルーのもとへ来るグリーン
「モノケーラ、麒麟の力を託されたのか?」
「えぇ、でもあの武器に防がれてスーパーオーラ蹴りがブリッツに届かなかった」
「オーラが無機物を破壊する効果は無い。確かに考えられる結果だな」
「?」
「オーラシールドもオーラ蹴りも、オーラは分解する力だ。魔法やバリアや生き物の力を無効化、分離化、つまり破壊出来るって事だからな。レッドの刀にオーラを貯められる理由にもなるわけだ」
グリーンは言わないが、ブルーの足にオーラが貯められるのも、同じ理屈だと言っているのだ
「なるほどね」
「あの斧槍には効かなかったけど、ブリッツには効いているみたいだぞ」
ブルーとグリーンの前方に、ブリッツが降りてくる。2人ともブリッツが地上に立っているのを見るのは初めてだ
着地したブリッツは、左手で腹を押さえている
「どうした。ちゃんとブルーのスーパーオーラ蹴りが効いているみたいだな」
煽るグリーンに、ブリッツは自分のそばに小さな魔法陣を展開、そこに斧槍を投げ込むと、魔法陣は消え
「スーパーオーラ蹴り、ずいぶんと粗末な名前の必殺技だな」
と煽るが、ブルーは
「ブリッツ殺しって名前にしてやろうか」
「俺を倒せたらな」
両者は、今度は地上で戦闘態勢を取る
すると、エイボン川の東の区画側からサイレンが聞こえる
カプトステーションで、カラーズとブリッツの戦いをモニターしてたマルティナ達、とはいえ直接戦いの映像が見れているわけではなく、超望遠での映像とレーダーなどの解析映像をモニターしている状態だ
モノケーラの反応が消え、ブリッツとブルーとグリーンの3つの反応が表示されている
「何が起こっているんだろう。直接戦いを見れないのは、ストレスだね」
マルティナはモニターを見つめ、そう言うとキムが尋ねてくる
「U.K.方面軍に問い合わせても、守秘義務があり全面公開は出来ないそうです」
「それは確かに仕方がないけど、コンディション・ブラックを発令しておいて、情報の共有をしないって、どういうつもりだろう」
「もう一度、鵲との回線をつなぎますか?」
「そうだね」
マルティナがキムに指示を出し振り返ると
「雷斗君はどうした?」
雷斗がいない事を皆に知らしめる
白がすぐさま
「さっきお腹が痛いって出ていきました」
白のフォローの言葉に、雨宮は
「昨日の晩にクリスマスケーキ食いすぎたのか?」
「意外と繊細だからねぇ」
2人のやり取りを、怪訝な顔で見るフブキ
「無駄口を叩くな」
皆が見ているモニターが突然真っ暗になり「NO SIGNAL」と表示されている
「どうした?」
マルティナが声をかけるとキムが
「信号が来ていません。回線が遮断されているようです」
「モニター配線は繋がっている。ステーション側の問題じゃないな」
モニターの配線をチェックするフブキと雨宮
「故意に回線を閉じた?キム君、鵲に連絡を」
マルティナの指示にキムは鵲に連絡しようとするが
「駄目です。現地に強力なジャミングを確認しました」
「新手のモンスター?」
「いえ、この周波はモンスター発生のジャミングではありません」
「人為的なジャミングか」
現地ブリストル空港の格納庫で待機しているスペースシップ鵲
カナタもジャミングの影響で外の様子を鵲のカメラでは見る事が出来なくなってた為、単身 格納庫から出て、ブルー達が戦っている方角を見る
「カプトの隊員の方ですか!?」
アンホの軍服を着ている兵がカナタに声をかけて来る。兵は数十人で格納庫を取り囲んでいるようだ
「はい」
「格納庫から出ない様に命令が出ていますので、こちらで待機をお願いします」
「しかしレーダーもモニターの映像も途絶えてしまって、情報を得る事が出来ません」
「はい、なので自分が命令を受け、待機させるようにと」
「コンディション・ブラックで援護の要請を受けているんですよ。それなのに待機って」
「これ以上は話せません。申し訳ない。他の隊員は?」
「今、残っているのは俺だけです」
「外には何名?」
「2人です」
「どちらに?」
「ごめんなさい。通信が使えず分かりません」
それを聞き、兵士は通信機器で誰かと会話する
(ジャミング下で通信?という事は、このジャミングはアンホが仕掛けているって事か)
「……了解しました」
兵は一呼吸おいてカナタに
「格納庫を封鎖します。絶対に外に出ないで下さい」
「理由は?」
「守秘義務です」
「…了解」




