EP24 王たる器は、君にあるか!?2/5
白が第2小隊を通信で呼び出そうとしているが、応答は無い
「鵲には誰もいないようです。応答ありません…現場に軽微ですが、通信障害が発生している様です」
それを聞いて驚く雷斗
「通信障害?」
「うん…雨宮さんの主張通りモノケーラが霊獣でも、通信障害って起こるんですか?」
白がマルティナに聞く
「前例が八咫烏とギュウガ事案しかないけど…両方ともモンスターも出現していたから、霊獣だけだと通信障害が起こるかは判断出来ないね」
雨宮は焦る
(…モノケーラが麒麟だって伝える方法…どうすればいいんだ)
そして雷斗はマルティナに耳打ちをする
「(やはりモンスターの気配は無い…人間の手による通信障害の可能性がある)」
それを聞き、表情が一層険しくなるマルティナ
「あの、隊長」
キムがマルティナを呼ぶ
「サイラス統括に霊獣の可能性をお伝えしたところ、カプトは独自に動いて良いそうです…ただ」
「ただ?」
「モノケーラが霊獣キマイラでも霊獣でも討伐すると言っています」
「なんだって!?」
「エグゼやカラーズが出現する可能性が高いとアンホは見て、総力を注ぐそうです」
「…確かにそうだけど」
モニターを見ていた白が声をあげる
「あっ現れました!!ファルベブルーです!!!!」
アンホから提供されている、現地の状況がわかる情報が映し出されているモニターに“Blue”という文字が表示される。モノケーラの近くだ
雨宮は、その情報を見て祈る
(頼むローズィー、麒麟を攻撃しちゃ駄目だ)
マルティナは、雷斗に目配せする、すると雷斗は、ゆっくりと作戦室から出ていく
50mを超える巨体のモノケーラの前に立つブルーは、文字通りネズミ同然の大きさだ
アンホの装甲車や戦車、ミサイル搭載車(TEL)の攻撃は絶えず続いているが、モノケーラに当たる前に爆発している、まるで何かしらのバリアに包まれている様だ。そしてモノケーラはじっとしていて、動かない
「お前…本当にキマイラなのか?」
攻撃せずに立っているだけのモノケーラにブルーが疑問を言葉にすると、頭に直接声が聞こえる。クロ助のテレパシーに似ている
『キマイラ…異世界人が融合した生き物の事ですね。君が?王たる器を持っている様には見えませんが、あの鳥の力を感じる』
ブルーは咄嗟に戦闘態勢を取る
「あの鳥だと!?」
『王を導く鳥…君にその力の一端を感じます』
ブルーは安易に答えない。相手はユニコーンの霊獣キマイラという情報は聞いている
ギュウガとは違い、理性のある霊獣キマイラもいるだろう…エグゼの様に
『警戒はしょうがありませんね。しかし君には王たる器を感じない…と言うより…王を導く鳥の力を持っているのに、非常に小さい力しか感じませんね』
「お前は何者だ。王を導く鳥とは何だ」
『鳥に関しては君の方が知っている…王は…やはりあの異世界人アムカなのでしょうか』
「アムカだと、お前…アムカの手の者なのか」
『勘違いしないで欲しいですね小鳥さん。私は、この世界の王を探しているだけ、それが人間でなくても何の問題も無いのです』
「本気で言っているのか」
『えぇ…自然を破壊し、この大地を破壊し、同族で争い、殺し合う人間の中から王を選ぶよりも、異世界の超生物が王としての器に相応しいのであれば、そうするだけです。人間は私を殺せないと気づいていても、攻撃を止めない…木々が燃えているのにも関わらず』
モノケーラの張るバリアの様な空間の外では、爆発と炎が絶え間なく続いている
確かにモノケーラの言う様に、木々が燃え、そこに住んでいたであろう動物たちは逃げ…いや逃げ遅れた鳥や逃げる行為も取っていない虫は焼かれている
『私はこの世界をずっと見てきました、異世界人がこの世界に来るずっと前から』
モノケーラの声は、優しく厳しい
「…あなたは何者だ。霊獣なのか」
『霊獣…この50年、そう呼ぶ人間はもう居ないと思っていました』
モノケーラは、上を向くと
『少し、黙らせましょう』
モノケーラは蹄を鳴らす
すると、装甲車や戦車が並んでいる場所の地面が陥没し、車両が飲み込まれる
もう一度、蹄を鳴らすと、辺りの小石が意思を持ったように浮かび上がり、弾丸の様に戦闘ヘリを襲う
「やめろ!!」
ブルーは、モノケーラに突進するがバリアで近づく事も出来ないし、そもそも大きさが違い過ぎる
モノケーラがさらに蹄を鳴らす、今度は大地に亀裂が走り、兵達が飲み込まれていく
「あぁ」
その光景を見て、声が漏れるブルー
目に見えている所だけで起きている現象なのか、現象に伴い限定的な地震も起こっている
避難所は大丈夫なのか、シェルターは機能しているだろうか、アドル達は大丈夫なのだろうか
「やめろ」
ブルーの語気が強くなっていく
「やめろ!!!!!!!」




